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Borders 激動する出版界

2011-02-12 12:46:38 | 日記
Borders (本屋さん)が来週にも破産法 (chapter 11 bankruptcy-protection) の適用を申請するらしい。
破産法は日本で言うところの会社更生法に近い。
会社清算を避け営業を続けるのが目的だが認められるかどうかは微妙だ。
将来がないからだ。

2005年をピークに店舗数や従業員数を減らしてきたボーダーズは昨年奇妙な行動が目立った。
業界一位の Barnes & Noble (BN)に買収を持ちかけたり、出版社に対する支払いを滞らせたりした。

この展開は最近の電子書籍の浸透と無関係ではないだろう。
アマゾンやBNがそれぞれキンドルやヌークといった電子書籍用の端末を販売してきたのに対し、ボーダーズは店内にCDを作製したり音楽をダウンロードするコーナーを設けて対抗していたが、やはり本業にかかわる部分を変革していかないと屋台骨が折れてしまうと言うことだろう。

電子書籍用端末についてはアップル社の iPad 等も参入しており戦国時代の様相を呈している。
ソニーは先発したにもかかわらず主要なプレーヤーになれずに低迷している。
機器的に優れているわけでもなく(とても読みづらい)、本の品揃えも薄い。
カラーで付加機能に溢れている iPad や、明るいところでも読みやすく電子書籍用に特化しているキンドルにはとてもかなわない。

自分自身を振り返ってみても、10年以上前はボーダーズやBNでほとんどの書籍を買っていた。
数年前からはアマゾンを利用することが多くなり、書店からの購入がめっきり減った。
大型書店よりむしろ近所の小さい書店で主人と話をしながら読みたい本を選んでいくというのが本屋さんの使い方になってきた。
神田の古本屋を巡った時代を思い出す。

ボーダーズに対してははBNに比べ、家族経営的なイメージを持っておりお気に入りの書店だったし、メンバーズカードも持っていた。
地理的にも一番近いということもあって週一回は本を眺めにいったものだった。
かつての教え子が大学から帰省して近況報告をしてくれる時にもボーダーズは格好の場所を提供してくれた。
立地条件がよく、おいしいコーヒー(BNのスタバより気に入っていた)が飲めるからだ。

一つの時代が終わった。




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