
移籍後のドタバタ会見一部始終。
ネクタイはヤンキースカラーのブルーで臨む用意周到さを見せたイチロー。
-移籍へ、いつ決断し、その理由は?
「オールスターブレイクの間に、自分なりに考え、出した結論は、20代前半の選手が多いこのチームの未来に、来年以降、僕がいるべきではないのではないか、ということでした。そして僕自身も環境を変えて刺激を求めたい、という強い思いが芽生えてきました。そうであるならば、できるだけ早くチームを去ることがチームにとっても、自分にとっても、よいのではないかという決断でした。今回の決断を受け入れてくださったマリナーズに感謝しています」
―マリナーズへの思いは?
「2001年から11年半マリナーズでプレーする機会を与えてくださった任天堂(現相談役)CEOを引退された山内氏、任天堂CEO岩田氏、任天堂アメリカCEOの君島氏に感謝の思いをお伝えしたい。そして、これまで支えてくださったマリナーズ球団関係者の方々すべてに感謝申し上げます。簡潔に表現するのは難しいですが、マリナーズでの経験を誇りに思い、胸に秘めて、この先前進していきたいと思っています。ありがとうございました。」
―左翼手で期待されていますが?
「(公式戦では)18年間確かにプレーしていないですが、最後に守ったのは1年目のプレーオフでヤンキース戦(第5戦)だった。その時のことをボクの体がしっかりと記憶しているので、問題はない」
―移籍したいチームの希望はあったのか?
「もちろん希望はありましたが、こうでないといけないということはありませんでした。僕のことを必要としてくれるチームが大前提だった」
―背番号51について?
「僕にとって、特別な番号(ヤ軍の名外野手だったバーニー・ウイリアムスや怪腕ランディー・ジョンソン投手)の51番はとても現段階では・・。僕の方からお断りというか(ヤンキースでは)とてもつけることはできないので、これから新しい番号を自分の番号にしたい」
―ジーターと一緒にプレーする。
「仲良くしてください」
―ワールドシリーズに出たら?
「その質問は僕にとっては時期尚早。長い間野球をやってきて、プレーオフに出られたのは2001年だけ。現段階で語る資格はない。これからヤンキースでの時間を経て、そういう意識が芽生えることを期待している」
―ニューヨークでの新たな挑戦は何に?
「いま(ジラルディ)監督が横におられますが、インタビューの受け答えがうまい。これから僕も対策していかなくては、と思う(笑い)」
―常勝チームに入った。
「結果的には一番勝ってないチームから、一番勝っているチームに行くことになるので、テンションの上げ方をどうしようかなと(笑) 仲良くしてくださいと。今のヤンキースの状況を考えれば、少しでも力になりたいという思いで一杯です」
―マリナーズでの一番の思い出は?
「あまりにも長い時間を過ごしてきたので、ひとつ挙げることはできない。(沈黙)この間で察してください。(インタビューは)中止です、中止」
珍しくイチローの目が涙ぐんだように見えた瞬間だ。
【電撃移籍したその日にヤンキースの「8番右翼」で出場。背番号31を背負い、移籍初打席で中前打デビュー。今季106安打目をマークした。結局、4打数1安打(中前打、二飛、一ゴロ、二直)1盗塁】
―ヤンキースのユニホームを着て試合した気持ちは?
「きょうはボクのホームであったシアトルでのゲーム。たくさんのファンの前でプレーすることができた。特別な日となった」
―第1打席のスタンディングオベーションをどう思ったか?
「ファンの方が喜んでくれるか不安があったので、1打席目でああいう反応をして頂けて、ボクにとってはありがたい、一生の思い出に残る日となりました」
―マリナーズへの思いを断ち切ることには?
「時間が長ければ長いほど、そこに迷いが生じると感じた。決断に時間がかかりましたし、決断も100%の決断だったかどうかは、実際のところは分からないですね」
―試合前のルーチンの環境が変化することについての不安は?
「いや、怖いですよ。環境が変わると、不安ですよ。ただ、そう(移籍を)決意した訳だから、それを断ち切って進んでいかないと」
―川崎、岩隈らに対して思うことは?
「そのことも迷った中の要素です。ムネ(川崎)とはずっと一緒にいて、時間も共有できたなと認識してます。一緒の場所にいることが、必ずしも一緒にやってるということではない。違う場所にいても一緒にやることは出来ると思ってます」
―家族は?
「家族はボクの決断に対して、ついてくるという、はっきりとした決意を示してくれたんで、そこは支えになります」
―背番号は31
「フィーリングでしょう。『1』というのが欲しかったし、響きとサインを書いたときのバランスがいいから。61という選択もあったんですが、それは微妙だなと思ってやめました」
―ロッカールームの雰囲気は?
「ここに流れている空気がすごく落ち着いている。きょう一日だけですが、気持ち良かった」
―ピンストライプのユニホームの印象は?
「着ているとあんまり見えないでしょ。でも似合わないはずはないと思っている。これから、もっとものにしていきたい」
★レイズ・松井秀喜「ヤンキースは常に戦力を厚くしようとしているので、驚きはなかった」
★マリナーズ・川崎宗則「全然ショックではない。イチローさんが元気にプレーしているのが一番うれしい。イチローさんが覚悟を決めてのこと。すごく応援したい。僕もここ(マリナーズ)でレギュラーをとる目標がある。イチローさんの心配ではなく、僕自身も頑張らないと」
★ヤンキースGMキャッシュマン「(イチローは)チームを支える『資産』になる」
★ヤンキース・ジラルディ監督「彼はヤンキースにスピードをもたらす。とても興奮している」
★ヤンキース・ジーター主将「イチローは常に成績を残してきた選手。才能豊かで、人間としても賢い」
★大衆紙ニューヨーク・ポスト(電子版)「大きなトレードなのは名前だけ 衰えた安打製造機が、スピードの必要なボンバーズ(ヤ軍の愛称)にフィット ヤンキースは『成熟したイチロー』を欲しいのであって、『年を取ったイチロー』ではない」
★スポーツ専門局ESPN解説者「移籍が彼の目を覚ますかもしれない。『もはやキング(王)ではないものの、どうすれば対応できるのか』と、考え抜くはずだ」
★マリナーズ地元紙シアトル・タイムズ(電子版)「(移籍の)決定はイチローとマリナーズにとって最善のものだ」
★デーリーニューズ紙「イチローに足りないのはチャンピオンリングだけ」
★ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)「28度目のワールドシリーズ制覇に向かうチームをさらに活性化させる」
マ軍の地元紙シアトル・タイムズ(電子版)は「イチローと両球団にとって賢明な決断」というマ軍首脳の談話を紹介した
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