ハチの家文学館

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6月15日

2021年06月15日 07時00分00秒 | 慈しみと悲しみと

6月15日は、仏教真言宗開祖弘法大師空海の誕生日とされている。空海は西暦774年(宝亀5年)讃岐国多度郡(現香川県善通寺市)に生まれた。誕生日とされているというのは、6月15日が中国密教の大成者である不空三蔵入滅の日で、空海が不空の生まれ変わりとする伝承によるものとされる。空海の正確な誕生日は不明らしい。

我が家にとって今日は亡き妻の49回目の祥月命日。今年は春の彼岸に五十回忌の法要を終えた。仏教的には最後の法要で永代供養のようなものであろう。亡くなった妻は27歳のままで若い顔しか浮かばない。自分の顔はそれより50年も年取っている。このギャップに戸惑いのようなものを感ずる。

仏壇には毎日カミサンがお茶お水ご飯をあげてくれている。また、庭に咲く花々を摘んでいつも新しいものに取り替えてくれている。今日の日に備えて、昨日カミサンが和菓子を買っておいてくれた。いつもより念入りに般若心経を唱えて供養の祈りを捧げた。

「若柳はづき」と言う名前で、日本舞踊若柳流の名取りだった亡き妻の舞姿が目に浮かぶ。小さい時から近所の先生に習って、結婚した頃は東京のいいのホールなどの舞台で踊っていた。当時の主治医が言っていた言葉を思い出す。「奥さんの肝臓がんはおそらく結婚前からだろう。好きな踊りをやって結婚して、子どもも生んで幸せだったんじゃないの」と・・・。当時その言葉に救われたような気がした。二人の息子の年齢はそれより20年以上多い。いつまでも微笑んで私たち家族を見守ってくれていることだろう。

 



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