私、水廼舎學人です

久保憲一のプライベートな世界。なんでもありです。

水屋神報 第178号 年頭のご挨拶に代えて

2007年05月09日 | 水屋神報
平成十九年一月一日

 年頭のご挨拶に代えてー教育(きょういく)勅語(ちょくご)を見直そうー 宮 司
                        
一般にいわれているところの教育勅語は正式な名称を「教育二関スル勅語」と言います。第一次山形有朋内閣のもとで井上毅・元田永孚らにより起草され、一八九〇年(明治二三年)一〇月に天皇陛下により発布されました。戦前の思想・教育の根本支柱となったものです。敗戦後、国会決議により廃止されましたが、私はこの内容を決して古いと思いません。むしろ国民道徳の荒廃が取り沙汰され、学校教育の建て直しが叫ばれる昨今、教育勅語はこれからの国民道徳や教育規範たるべき、諸外国にも誇りうるすぐれた内容であると思われます。若い皆さんのために口語訳をまず掲げておきます。先入観や偏見を持たずに教育勅語のもつ意味をいま一度考えてみましょう。


  「教育二関(かん)スル勅語(ちょくご)」

私は、私達の祖先が、遠大な理想のもとに、道義国家(どうぎこっか)の実現をめざして、日本の国をおはじめになったものと信じます。そして、国民は忠孝両方の道をまっとうし、全国民が心を合わせて努力した結果、今日に至るまで、見事な成果を上げてまいりましたことは、もとより日本のすぐれた国柄(くにがら)の賜物(たまもの)といわねばなりませんが、私は、教育の根本もまた、道義によって成り立つ国の達成にあると信じます。

国民の皆さん、子は親に孝養(こうよう)をつくし、兄弟、姉妹はたがいに力を合わせて助け合い、夫婦は仲むつまじく解(と)け合い、友人は胸襟(きょうきん)を開いて信じあい、そして自分の言動をつつしみ、全ての人々に愛の手をさしのべ、学問を怠(おこた)らず、職業に専念し、知識を養い、人格をみがき、さらに進んで、社会公共のため貢献し、また法律や、秩序を守ることは勿論のこと、非常事態が発生した場合は、真心をささげて、国の平和と、安全に奉仕しなければなりません。そして、これらのことは、善良な国民としての当然の勤めであるばかりではなく、また、私達の祖先が、今日まで身をもって示し残された伝統的な美風を、さらにいっそう明らかにすることでもあります。

 このような国民の歩むべき道は、祖先の教訓として、私達子孫の守らなければならないところであると共に、このおしえは、昔も今も変わらぬ正しい道であり、また、日本ばかりではなく、外国で行なってもまちがいのない道でありますから、私もまた国民の皆さんとともに、父祖の教えを胸に抱いて、立派な日本人となるように、心から念願するものであります。( 国民道徳協会の訳文を参考)

  朕(ちん)惟(おも)フニ我(わ)カ皇祖皇宗(こうそこうそう)國(くに)ヲ肇(はじ)ムルコト宏遠(こうえん)ニ徳(とく)ヲ樹(た)ツルコト深厚(しんこう)ナリ我(わ)カ(が)臣民(しんみん)克(よ)ク忠(ちゅう)ニ克ク孝(こう)ニ億兆心ヲ一(いつ)ニシテ世々(よよ)厥(そ)ノ美ヲ濟(な)セルハ此(こ)レ我(わ)カ(が)國體(こくたい)ノ精華(せいか)ニシテ育ノ淵源(えんげん)亦(また)實(じつ)ニ此(ここ)ニ存(そん)ス
爾(なんじ)臣民父母ニ孝ニ兄弟(けいてい)ニ友(ゆう)ニ夫婦(ふうふ)相和(あいわ)シ朋友(ほうゆう)相(あい)信(しん)シ(じ)恭儉(きょうけん)己(おのれ)レヲ持(じ)シ博愛(はくあい)衆(しゅう)ニ及(およ)ホシ(ぼし)學(がく)ヲ修(おさ)メ業(ぎょう)ヲ習(なら)ヒ(い)以(もっ)テ智能(ちのう)ヲ啓發(けいはつ)シ徳器(とっき)ヲ成就(じょうじゅ)シ進(すすん)テ(で)公益(こうえき)ヲ廣(ひろ)メ世務(せいむ)ヲ開(ひら)キ常ニ國憲(こっけん)ヲ重(おもん)ジ國法(こくほう)ニ遵(したが)ヒ(い)一旦緩急(いったん かんきゅう)アレハ(あれば)義勇公(ぎゆう こう)ニ(に)奉(ほう)シ(じ)以(もっ)テ(て)天壌(てんじょう)無窮(むきゅう)ノ皇(こう)運(うん)ヲ扶翼(ふよく)スヘシ(すべし)

是(かく)ノ如(ごと)キハ獨(ひと)リ朕(ちん)カ(が)忠(ちゅう)良(りょう)ノ臣民タルノミナラス(ず)又(また)以(もっ)テ(て)爾(なんじ)祖先(そせん)ノ遺風(いふう)ヲ顯(けん)彰(しょう)スルニ足(た)ラン斯(こ)ノ道ハ實(じつ)ニ我(わ)カ(が)皇祖皇宗(こうそ こうそう)ノ遺訓(いくん)ニシテ子孫臣民(しそん しんみん)ノ倶(とも)ニ遵守(じゅんしゅ)スヘキ(すべき)所(ところ)之(これ)ヲ古今(ここん)ニ通(つう)シテ(じて)謬(あやま)ラス(らず)之(これ)ヲ中外(ちゅうがい)ニ施(ほどこ)シテ(して)悖ラ(もとらず)ス朕(ちん)爾(なんじ)臣民(しんみん)ト倶(とも)ニ(に)拳々(けんけん)服膺(ふくよう)シテ咸(みな)其(その)徳ヲ一(いつ)ニセンコトヲ庶幾(こいねが)フ(う)
明治二十三年十月三十日

御名(ぎょめい)御璽(ぎょじ)





フランス分社建立奉賛に際して

祝詞
この度はフランスの地、ブルゴーニュに水屋神社の分社が建立されましたことを心よりお慶び申し上げます。
三重県松阪市飯高町の産土の神、水屋神社は神秘な山ふところに抱かれ.豊かな水を湛える櫛田川沿いにあると聞きます、木々の緑に心鎮まり、鳥の声に安らぎを覚え、そして土地の人々の温かい心情に触れて、融快さんと融仙さんは鎮守の杜に水屋の神を見られたのではないでしょうか。
遠州流と水屋神社のかかわりは、私が奈良大和の春日大社へ献茶をさせていただいた際、久保宮司が列席されたことに始まります。
古の水屋神社は春日大社へお水送りをしていましたが、戦国の時代に中断されたそうです。しかし近年復活されて、飯高の闘伽桶の井の神水が再び送られるようになり、その水を使って献茶式が執り行われました。その献茶式で遠州の茶に痛く心酔された宮司は、茶道に興味を持たれ、今では熱心に稽古に励んでおられると伺っております。
この度の分社建立に際し、宮司をはじめカを尽くされた関係者の皆様方に衷心より敬意を表するとともに、フランスの地に水屋の神が深く根付くことを願って止みません。そして、この機会に代表的な日本の文化である遠州の茶道を知っていただき、これからも更に親しんでいただくことを願ってお祝いの言葉といたします。
遠州茶道宗家十三世家元  不傳庵 小堀宗実 

※なお、小堀宗実家元は水屋神社フランス分社建立実行委員会副会長でもあります。



献詠       大澤光子

水屋神荒れし地球を正さむと
    ブルゴーニュの地に降(お)りたまふ

大いなる天児屋根の御神は
    ブルゴーニュをば選びたまへり

荒れ果てた人を地球を清めむと
    日出る国の神降り立ちぬ

 
神道(しんとう)の心以て和を広めたし
   全世界なる国の人等に

今の世になお戦う国の在(あ)り
   神道を以て平和なる世に

イスラムもキリスト教も神道を
   共に和となり地球すくわん

詠者・大澤光子さんは今回、助勤神職を務めて下さった東京小金井市 上宮大澤神社禰宜 大澤治隆氏のご母堂であり、今回の奉賛旅行に参加されました。




 ご報告

◎十二月十七日  午前八時三〇分より 総代さん達により「注連縄」綯いが行われ、新品に取り替えられました。
        その後、「神宮大麻頒布式」が行われました。

今後の予定

◎ 十二月三十一日 午後十一時三〇分 境内出発、閼伽桶の井にて若水取り、本殿にて若水奉納
◎ 元旦 午後一時 歳旦祭
◎ 一月二十日から二月四日まで 斎王歴史博物館にて「松阪紀勢界隈まちかど博物館」企画展[遊び]に当社も出展
  二十七日(日) 斎王歴史博物館ロビーにおいて遠州流茶道による「お茶席(立礼)」

第十七回 水屋の杜塾

・演題 フランス分社建立経緯と奉賛旅行の報告
・報告者  久保 憲一
水屋神社宮司 
鈴鹿国際大学教授(憲法政治論専攻) 憲法学会理事 水屋の杜塾塾頭 
著書「水廼舎の日本学」(国民新聞社)「現代アメリカ大統領=その地位、任務および指導力の制度的考察=(嵯峨野書院)」「現代イギリス首相=その地位、権限および指導力の制度的考察=(嵯峨野書院)」「国際化日本の諸断面(共編著・文眞堂)」他
 ・日時  平成十九年一月二〇日(土)午後二時より 
・ 参加費 無料  ふるってご参加ください。



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1 コメント

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楽しくお勉強が出来ました。 (のん)
2007-11-26 18:02:17
今日は、楽しくて、為になるお話をしてくださって、ありがとうございました。もっと、時間に余裕があったら、社務所も見せて頂きたかったですが、時間に制約があって、残念です。また、お邪魔したいと思っていますので、鴬張りの廊下とか、中の作りを見せてくださいね。
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