源氏物語歌集-悠山人編

『源氏物語』中の短歌(和歌)のすべてを、
原作の順序にしたがって、紹介する。→日本初!

31真木柱04 ひとり居て

2008年06月09日 | 25蛍~28野分
源氏物語歌集 409
巻三十一 真木柱 04 木工の君

    ひとり居て 焦がるる胸の 苦しきに
    思ひ余れる 焔とぞ見し


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Kad05-131

□・・・、人もうし給ひぬべければ、脱ぎ替へて、御湯殿など、
いたう繕ひ給ふ。木工の君、御たきものしつつ、
(木工の君)「ひと・・・見し ・・・□

28野分04 風さわぎ

2008年05月18日 | 25蛍~28野分
源氏物語歌集 388
巻二十八 野分 04 夕霧

    風さわぎ むら雲まがふ 夕にも
    わするるまなく 忘られぬ君


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Kad05-075

□されどあやしく定まりてにくき口つきこそものし給へ。
(夕霧)「風さ・・・ぬ君」
吹き乱れたる刈萱につけ給へば、人々、「交野の少将は、紙の色にこそ、・・・□

28野分03 した露に

2008年05月17日 | 25蛍~28野分
源氏物語歌集 387
巻二十八 野分 03 源氏

    した露に 靡かましかば をみなへし
    荒き風には しをれざらまし


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Kad05-073

□御かへり、
(源氏)「した・・・まし
なよ竹を見給へかし」など、ひが耳にやありけむ。聞きよくもあらずぞ。□

28野分02 吹き乱る

2008年05月16日 | 25蛍~28野分
源氏物語歌集 386
巻二十八 野分 02 玉葛

    吹き乱る 風のけしきに をみなへし
    しをれしぬべき 心地こそすれ


2008-0516-ysg386
Kad05-073

□・・・、いかがあらむ、まめだちてぞ立ち給ふ。女君、
(玉葛)「吹き・・・すれ」
くはしくも聞えぬに、うち誦じ給ふをほの聞くに、・・・□

28野分01 おほかたに

2008年05月15日 | 25蛍~28野分
源氏物語歌集 385
巻二十八 野分 01 明石

    おほかたに 荻の葉すぐる 風の音も
    うき身ひとつに しむ心地して


2008-0515-ysg385
Kad05-070

□端の方につい居給ひて、風の騒ばかりをとぶらひ給ひて、
つれなく立ちかへり給ふ。心やましげなり。
(明石)「おほ・・・して」 と、ひとりごちけり。□

27篝火02 行方なき

2008年05月14日 | 25蛍~28野分
源氏物語歌集 384
巻二十七 篝火 02 玉葛

    行方なき 空に消ちてよ 篝火の
    たよりにたぐふ 煙とならば


2008-0514-ysg384
Kad05-059

□ふすぶるならでも苦しき下燃なりけり」と聞え給ふ。
女君、あやしの有様やと思すに
(玉葛)「行方・・・ならば 人のあやしと思ひ侍らむこと」と、・・・□

27篝火01 篝火に

2008年05月13日 | 25蛍~28野分
源氏物語歌集 383
巻二十七 篝火 01 源氏

    篝火に たち添ふ恋の けぶりこそ
    世には絶えせぬ 焔なりけれ


2008-0513-ysg383
Kad05-058

□夏の月なき程は、庭の光なき、いとものむつかしくおぼつかなしや」と宣ふ。
(源氏)「篝火・・・けれ
いつまでとかや。□

26常夏04 常陸なる

2008年05月12日 | 25蛍~28野分
源氏物語歌集 382
巻二十六 常夏 04 女御

    常陸なる 駿河の海の 須磨の浦に
    浪立ち出でよ 箱崎の松


2008-0512-ysg382
Kad05-055

□「近きしるしなき、おぼつかなさは恨めしく、
(女御)常陸・・・の松
と書きて、よみ聞ゆれば、(女御)「あなうたて。□
【編者注】女御の歌、実は中納言の代詠・代筆、との設定。

26常夏03 草わかみ

2008年05月11日 | 25蛍~28野分
源氏物語歌集 381
巻二十六 常夏 03 近江

    草わかみ ひたちのうらの いかが崎
    いかであひ見む 田子の浦浪


2008-0511-ysg381
Kad05-054

□あやしきはいなせ川にを」とて、また端にかくぞ、
(近江)「草わ・・・浦浪
大川水の」と青き色紙一重ねに、いと草がちに、いかれる手の、・・・□

26常夏02 山がつの

2008年05月10日 | 25蛍~28野分
源氏物語歌集 380
巻二十六 常夏 02 玉葛

    山がつの 垣ほに生ひし なでしこの
    もとの根ざしを 誰か尋ねむ


2008-0510-ysg380
Kad05-044

□君うちなきて、
(玉葛)「山が・・・ねむ」
はかなげに聞えない給へる様、げにいと懐しく若やかなり。□