
あの、恋愛下手で補正デカパン愛用者のブリジットがシングルマザーとして帰ってきた

弁護士のマークは4年前にスーダンの人道支援活動中に命を落とし、ブリジットは悲しみと寂しさを抱えながら息子と娘を一人で育てています。人手が必要な時にはダニエルが子供たちを見ていてくれたりして、親戚のおじさん的立場で支え続けてくれています。ようやく前に進みだそうと職場復帰したブリジット。活動的になると、年下の彼や、子供の担任の先生との新しい恋も


CIA分析官のチャーリー(ラミ・マレック)はロンドン出張中の妻を無差別テロで殺されてしまいます。彼は自分の手で犯人を見つけ出し、裁きを下す、と決心しますが、彼は事務方。CIAの上司に特殊スパイとしての訓練を受けさせてもらい、自分のスキルも生かしてヨーロッパ各地に潜む犯人4人を特定。ITを駆使しながら一人ひとりに迫り、復讐をとげていくのです。ミッションインポッシブルのトム・クルーズのような超人的な戦いはできない彼、犯人を自ら撃つ、ということもしません。あくまで頭脳をもって追い詰めるのですが、最後4人目の相手への復讐は見事でした。この作品は復讐劇ではありますが、後味はなんだかさわやかに感じました。

シンシンとはNYの刑務所。映画では収監施設と言っていて、中にいるのは受刑者ではなく収監者。日本の刑務所は行動も管理され、日々労働が課せられているとテレビなどで紹介されていますが、収監者はこの映画では労働の義務はなく、更生のためのプログラムに参加するのです。舞台演劇のプログラムを「RTA」と呼び、参加者は脚本を書き、演技をし、舞台に立つことを目標に自分と向き合う日々を過ごしています。公演に向かって対立したり友情を育てたりしながら、自分を再生していく姿。本作のキャスト8割以上が実際の「RTA」卒業者と関係者だそうです。いろいろ考えさせられる作品でした。

人類史上、最も重い罪を犯したヒトラー。その傍には彼を英雄に仕立て上げたゲッベルスがいた。本作は実際の映像と音声も使いながら、ナチスが台頭し、国民を欺き、多くの命を奪い続けた史実を描きます。
ここで描かれるヒトラーは総統として尊大に振る舞い、幹部とテーブルに着く時は、自分の正面にはだれ、右隣はだれ、左隣はだれ、などと序列を指示します。ある日、ヒトラーの信頼を損なったゲッベルスはその序列を外され、信頼の回復のため映画や新聞、国民に向けての演説などを使い、徹底的なプロパガンダを仕掛けていくのです。ヒトラーが望む反ユダヤの映画、国民感情をあおる演説、綿密に計画された軍事パレードなどなど。ゲッベルスとヒトラー、ナチス・・・歯止めが利かなくなった彼らは、絶望的な戦況の中、第三帝国のイメージを後世に残す最も過激なプロパガンダを仕掛け、そして破滅へと進むのでした。
世界にはアウシュビッツの生還者もまだおられ、こうした記憶は語り継がれていますが、なかったことにしたい勢力もあると聞きます。人類の負の記憶ではありますが、決してなかったことにはできないですよね。