さあ、いよいよ冬本番の季節となってきた。
刑務所が、より地獄になる受刑者にとって
一番辛い季節である。
下着は半袖、その上にメリヤス、それにチ
ョッキが供与され、上着を着る。計算では
上が四枚、下がパンズ、メリヤスとズボン
だから三枚着ている勘定だ。
それでも、火のっけ一つ無いところでは防
寒にはならない。毎朝、行進して検身場か
ら工場へと行くが、口は白い吐息で体はブ
ルブル震えっぱなしである。
昼の休みになると、一斉にベランダに出る。
外は寒いのにと思うが、目的が違う。工場
の外壁が鉄板出来ており、その鉄板に手を
広げて温めるのである。
雨の日や天候が悪いと、この唯一の暖をと
る手段?が断たれるのだ。したがって、こ
の中では天気予報が気になる。
それと、外壁が鉄板でも手を広げるスペー
スが無尽にあるわけではない。暖をとれる
人は一部になるが、そこはなんとなく工場
での序列が決まっていて、それに従うよう
になっている。
就寝になっても、この寒さからは脱出出来
ない。敷き毛布一枚、上毛布二枚に布団で
三枚被って寝ているのだが、足の温もりを
感じるのに二時間以上はかかる。
やっと、足に温もりを感じだすと、今度は
足の霜焼けに悩まされる。ジンジン足の六
か所くらいに広がって2~3時間は睡眠が
取れない。足に出来た霜焼けの数がわかる
時でもある。
とにかく、冬の刑務所は地獄絵図である。
夜勤の看守が着る外套を、どれだけ羨まし
く思ったものか。受刑者とは、人でなく、
何だと言うのだろうか。冬の刑務所は、そ
れこそ体罰そのものである。
刑務所が、より地獄になる受刑者にとって
一番辛い季節である。
下着は半袖、その上にメリヤス、それにチ
ョッキが供与され、上着を着る。計算では
上が四枚、下がパンズ、メリヤスとズボン
だから三枚着ている勘定だ。
それでも、火のっけ一つ無いところでは防
寒にはならない。毎朝、行進して検身場か
ら工場へと行くが、口は白い吐息で体はブ
ルブル震えっぱなしである。
昼の休みになると、一斉にベランダに出る。
外は寒いのにと思うが、目的が違う。工場
の外壁が鉄板出来ており、その鉄板に手を
広げて温めるのである。
雨の日や天候が悪いと、この唯一の暖をと
る手段?が断たれるのだ。したがって、こ
の中では天気予報が気になる。
それと、外壁が鉄板でも手を広げるスペー
スが無尽にあるわけではない。暖をとれる
人は一部になるが、そこはなんとなく工場
での序列が決まっていて、それに従うよう
になっている。
就寝になっても、この寒さからは脱出出来
ない。敷き毛布一枚、上毛布二枚に布団で
三枚被って寝ているのだが、足の温もりを
感じるのに二時間以上はかかる。
やっと、足に温もりを感じだすと、今度は
足の霜焼けに悩まされる。ジンジン足の六
か所くらいに広がって2~3時間は睡眠が
取れない。足に出来た霜焼けの数がわかる
時でもある。
とにかく、冬の刑務所は地獄絵図である。
夜勤の看守が着る外套を、どれだけ羨まし
く思ったものか。受刑者とは、人でなく、
何だと言うのだろうか。冬の刑務所は、そ
れこそ体罰そのものである。
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