前田憙孝の牢人日誌

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冬の刑務所は厳寒で地獄と化す!

2010-12-17 09:54:35 | 日記
さあ、いよいよ冬本番の季節となってきた。
刑務所が、より地獄になる受刑者にとって
一番辛い季節である。

下着は半袖、その上にメリヤス、それにチ
ョッキが供与され、上着を着る。計算では
上が四枚、下がパンズ、メリヤスとズボン
だから三枚着ている勘定だ。

それでも、火のっけ一つ無いところでは防
寒にはならない。毎朝、行進して検身場か
ら工場へと行くが、口は白い吐息で体はブ
ルブル震えっぱなしである。

昼の休みになると、一斉にベランダに出る。
外は寒いのにと思うが、目的が違う。工場
の外壁が鉄板出来ており、その鉄板に手を
広げて温めるのである。

雨の日や天候が悪いと、この唯一の暖をと
る手段?が断たれるのだ。したがって、こ
の中では天気予報が気になる。

それと、外壁が鉄板でも手を広げるスペー
スが無尽にあるわけではない。暖をとれる
人は一部になるが、そこはなんとなく工場
での序列が決まっていて、それに従うよう
になっている。

就寝になっても、この寒さからは脱出出来
ない。敷き毛布一枚、上毛布二枚に布団で
三枚被って寝ているのだが、足の温もりを
感じるのに二時間以上はかかる。

やっと、足に温もりを感じだすと、今度は
足の霜焼けに悩まされる。ジンジン足の六
か所くらいに広がって2~3時間は睡眠が
取れない。足に出来た霜焼けの数がわかる
時でもある。

とにかく、冬の刑務所は地獄絵図である。
夜勤の看守が着る外套を、どれだけ羨まし
く思ったものか。受刑者とは、人でなく、
何だと言うのだろうか。冬の刑務所は、そ
れこそ体罰そのものである。

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