前田憙孝の牢人日誌

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監察官(仮面)の追求にしどろもどろ

2011-01-19 08:48:16 | 日記
いよいよ、監察官による面接(仮面)であ
る。ついに来たと胸が躍った。なぜなら、
この面接が済まないと仮釈の道がひらけな
いからである。

監察官の面接の受け方まで、看守に学んで
受けたのである。さながら、入社試験に臨
む心境だった。

正直、この面接遺憾に仮釈がかかっている
と思うと、緊張したのである。

監察官は、一見柔和にみえるが、質問は鋭
かった。「君は事件について、いまはどう考
えているかね」とズバリ言う。私は、「もう
少し、慎重さが足らなかったと反省してい
ます」と、反省と言う言葉に意識が集中した。

監察官は、すかさず「拘置所を始め、この
刑務所に来てからも、再審を叫んでいたの
ではないか」と、厳しく追い込んできた。

ここで、怯んだり、口こもったら仮釈は吹
っ飛んでしまう。そう、心中焦りながらも
「確かに、仰るとおりです。ですが、ある
時期自分を振り返ってみて、間違っている
と気がついたのです。それからは、自らを
大反省して今日に至っております」

私は、必死だったが、それでも監察官は攻
撃の矛先を緩めなかった。「ある時期とは
いつのことなのだ!」と言う。私もすかさ
ず、入所してから余り時間が経たない早い
時期です。

監察官は、私の困惑している様相を見て取
ったのか「この話は、この辺でいい。要は
反省していると言うことだな!」と、「君が
仮に出たとしても、SやWに会ってはなら
ないと言うように、禁止事項がある。それ
はまもれるのか」

「禁止事項は、もちろん守ります」すると
監察官は「Sに君は金をかしているね。こ
れはどうするのだ」というから、「Sへの貸
し金は、放棄してもいいと思っています」
すると、監察官は矢継ぎ早に「君は○月○
日友人のKにSに貸した金を回収すると書
いているではないか」

一瞬、私は凍える思いでちじこまった。す
べての手紙をコピーして持っているのであ
る。             (続く)

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