世界の動きを英語で追う

世界と日本の最新のできごとを、英語のキーワードを軸にして取り上げます。

クリントンのアフリカ歴訪目的は、石油と中国牽制 Tough Love

2009-08-16 | グローバル政治
2009年8月16日(日)

クリントン国務長官は、11日間でケニヤ、南アフリカ、アンゴラ、コンゴ、ナイジェリア、リベリアの6カ国を歴訪するというハードスケジュールをこなして、最後の訪問国大西洋上のカーボベルデ(Cape Verde)で、「今後もアフリカ諸国との関係の刷新に意を用いることを誓う」と総括した。

さらに、今回の訪問では、ナイジェリアや南アフリカのような非常に重要な同盟国との関係強化ができたし、ケニヤやコンゴのような(非民主的な)国には、「厳しい愛の手」(tough love)を差し伸べるという目的を達成できたと評価した。

そして、「最悪の非人道的な環境の中でも、人は生き抜けることを実感した」(we’ve seen the worst humanity can do to itself)と、内乱の中、女性がレープされるのが日常茶飯事になっているコンゴで、被害女性と面談し、17億円の支援金を出すことを、即座に決めたことに言及した。

しかし、何にもまして、今回の真の目的が、石油を産出するアンゴラとナイジェリアとの関係を強化することにあり、6カ国を訪問することにより、影響力を強めようとする中国に対する牽制にあったことが、色濃く浮き出てきた。暴力、腐敗にまみれたナイジェリアには、同長官の言う「厳しい愛の手」ではなく、「油への揉み手」が優先されたのがその証拠である。

そして、旅の最後に、中国が決して切れないカードを切った。「アフリカの皆さん、わたしは、オバマ大統領の挨拶の言葉を運んできたのです。オバマ大統領は、アフリカの『大地の子』です。米国はオバマの下で、アフリカ各国がその目指すところを実現するのを断固支援します」(I bring you greetings from President Obama, a “son of Africa”. Under the Obama administration, the United States is determined to help Africa reach its promise.)





最新の画像もっと見る