〈どうして誰もわかってくれないんだ?〉
ライブをやるたびに、TERUは激しいジレンマに襲われていた。
「君たちさぁ、やりたいことが見えないんだよね」
ライブハウスの人間に何度もそう言われ、今までTERUは色んなことをしてきた。ビジュアルが悪いのだろうかと思い、売れてるバンドの格好を取り入れてもみた。ステージでの動きもあれこれトライした。
それでも、GLAYへの批判は一向に減らない。
ライブをやるたびに、心の中にモヤモヤと嫌な思いが沈澱した。「ボーカリストとして、俺は誰の影響も受けたくない」 口癖のように言っていた自分が、ひどく滑稽なものに思えてきた。
〈いったい何が正しくて、何が正しくないんだ?〉
葛藤の中で、TERUはひたすら出口を探し求めていた。
【記事引用】 「GLAY STORY-永遠の1/4/磯崎雅彦・著/ソニー・マガジンズ」