/愛犬とぼくの顔
おまえの顔、へんてこ。
愛犬にそういわれている気がして、
黒い鼻を軽く指で弾いてみる
上目遣いで、ちょっと驚いてみせる愛犬は、
自分の鼻がこんなにも黒くて、ツヤツヤしていることも
知らずに、
そして、まだ幼いときに両親から離れてしまった
彼は、どこからやってきたのかすら知らない。
というか考えない。けれど、
ぼくが玄関で靴を履いていると、くんくん、きゃんきゃんと
甘えるのだから、
誰かがいなくなると、とっても寂しい、てことや
心細さに堪えれねばならないその胸のざわめきを、
もしかするとぼくよりずっと知っているのかもしれない。
それはまだ小さな赤ん坊のときに、
おかあさんが手放したその悲しみを、
しっかり受け継いできたような、
変な顔だな、おまえ。
愛犬はぼくをじっとながめる。
おまえの顔は何がいいたいのかさっぱりわからない
それじゃあ、誰もなんにもくれないぞ。
愛犬は黒い鼻を濡らして、眠ったふりをする。
「whale song」
おまえの顔、へんてこ。
愛犬にそういわれている気がして、
黒い鼻を軽く指で弾いてみる
上目遣いで、ちょっと驚いてみせる愛犬は、
自分の鼻がこんなにも黒くて、ツヤツヤしていることも
知らずに、
そして、まだ幼いときに両親から離れてしまった
彼は、どこからやってきたのかすら知らない。
というか考えない。けれど、
ぼくが玄関で靴を履いていると、くんくん、きゃんきゃんと
甘えるのだから、
誰かがいなくなると、とっても寂しい、てことや
心細さに堪えれねばならないその胸のざわめきを、
もしかするとぼくよりずっと知っているのかもしれない。
それはまだ小さな赤ん坊のときに、
おかあさんが手放したその悲しみを、
しっかり受け継いできたような、
変な顔だな、おまえ。
愛犬はぼくをじっとながめる。
おまえの顔は何がいいたいのかさっぱりわからない
それじゃあ、誰もなんにもくれないぞ。
愛犬は黒い鼻を濡らして、眠ったふりをする。
「whale song」