/朝の月
朝
青い空に裸にされた月が
ぼんやり
交通渋滞と
小走りのスーツ姿や
畑の枯れ萎れた
野菜の抜け殻を見てた
昨夜神の祈りに
身を任せるように
淑やかに輝いていたあの月が
夜からはぐれ
まだここに居て
街を眺めているなんて
誰が知るだろう
東の空の端から
キラキラの眩しい太陽が
いつのまにか街を訪れて
畑を、萎れたからっぽの抜け殻を
通勤するスーツを
バスに揺られる
学生服の眠い少女の白い横顔を
夢を
祈りを
爛れた胸の桃色の皮膚を
萎れた野菜の抜け殻に注がれる
僅かな呼吸の側でのたうちまわる
黄土色の蛾の沈黙を
太陽、温かな光を放ち、
まっすぐに走る 広がる
真っ白に青ざめた月が
乾いた唇を噛むような姿で
其れを することもなくただ眺めている
時々、こうやって朝の
地球を眺めていたい、ときがあるらしい。
「whale song」
朝
青い空に裸にされた月が
ぼんやり
交通渋滞と
小走りのスーツ姿や
畑の枯れ萎れた
野菜の抜け殻を見てた
昨夜神の祈りに
身を任せるように
淑やかに輝いていたあの月が
夜からはぐれ
まだここに居て
街を眺めているなんて
誰が知るだろう
東の空の端から
キラキラの眩しい太陽が
いつのまにか街を訪れて
畑を、萎れたからっぽの抜け殻を
通勤するスーツを
バスに揺られる
学生服の眠い少女の白い横顔を
夢を
祈りを
爛れた胸の桃色の皮膚を
萎れた野菜の抜け殻に注がれる
僅かな呼吸の側でのたうちまわる
黄土色の蛾の沈黙を
太陽、温かな光を放ち、
まっすぐに走る 広がる
真っ白に青ざめた月が
乾いた唇を噛むような姿で
其れを することもなくただ眺めている
時々、こうやって朝の
地球を眺めていたい、ときがあるらしい。
「whale song」