4の雑記集

当ブログは自分がその日の日記やゲームのメモを記していくだけの、実に非生産的なブログであります。

NARUTOのうちはオビト

2013-02-10 02:36:45 | 雑記
もう2月ですが、あけましておめでとうございます。

銀魂ついでっという事ではなかったのですが、昔読んでいたものの主人公達が大きくなった2部から読まなくなっていたNARUTOを、最近なんとなくまた気が向いて単行本を買い集めて読んでいるのですが、ここ最近で大きくお話が動いているようでありますね。

しかし衝撃的であったのはなんといっても『うちはオビト』という存在でありましょうか。
髪型のせいでトビは登場初期からオビトさんっぽい雰囲気を醸しだしていたものの、トビ自らが「うちはマダラ」と主張したのと、何よりサスケが香燐さんをダンゾウごと突き刺した際の表情のせいで「やっぱりオビトではないのかな・・・」って印象も受けましたが、その後のトビvs小南戦を読んだ時には「やっぱりオビト?」という印象も残り、なかなか混乱させられましたが単行本最新巻でやはり『うちはオビト』で確定されましたね。

正直言うと1部2部の間に掲載された幼いカカシさんのお話は、てっきりカカシさんが写輪眼を得るまでのエピソードをファンサービス的に掲載されたものと思っていましたが、実は重要なのはオビトさんの方だったのですね。
そしてオビトさんがマダラさんと計画に乗った理由も明かされ、まだまだ色々と多くの謎を残したままではあるものの固い意志をもってナルト達と対峙するオビトさんは、初登場時とは大きく違う印象を与えてくれます。


しかし、ここまで読んで思ったのがオビトさんの目的について。
オビトさんの過去エピソードで仰っていた「掟やルールよりも仲間を大切にする忍が本当の忍じゃないってんなら、忍なんてのはこのオレがぶっ潰してやる!!」という台詞、そしてリンさんの前で誓った「もう一度君の居る世界を創ろう。この世の因果を・・・断ち切る!」という台詞。
オビトさんの目的はおそらく『今の長い時間をかけて構築された忍世界の掟やルール、そしてそれらから生じる因果を全て破壊する』という事なのだと思っております。

で、その目的に達するための手段が「無限月読」・・・・・・なのですが、自分は実際に無限月読を発動できずともオビトさんの目的は達せられると見ております。
ようは今の忍達の意識を大きく変えて、今までの忍世界の掟やルールに対して「このままではいけない」という意識に持たせる事で忍世界が少しずつでも変化していけば、リンさんを甦させる以外の目的は達成される訳で、オビトさんが尾獣集めを優先せず今世界を敵に回して戦っているのも恐らく無限月読が達せられなかった際の「保険作り」のためだと思っております。(無限月読に関しては金角銀角のチャクラで最低限の保険を確保済みな状態なのでひとまず安心)
その保険さえこの戦いで用意することができれば、オビトさんがナルト達に殺されたとしても目的は達成されます。
つまり、どっちに転ぼうとオビトさんの「勝利」は確定されるという結果になるので、もしかしたらオビトさんにとってはこの戦争は最初から勝敗が見えていた可能性があるのではないか?と、自分は考えています。
実際オビトさんの時空間能力を利用すれば、八尾九尾の確保事態はそう難しくないと思えます。カカシさんが同じ時空間にアクセスできるとはいえ、あれほど出し入れ自由に扱えるのはオビトさんのみですし、一度あそこに閉じ込めてしまえばそれであとはどうにでもできそうですし。

でも正直、戦争前にもいくらでも九尾確保が容易な状況があったにも関わらず、それらを全てスルーしてきたオビトさんが本当に「無限月読」を発動する気があるのかは疑わしい面もあります。
彼にとっては前述の「保険」の方が優先目的で、無限月読の方が保険であった可能性もあるやもとは思ってしまいますね。
(金角銀角による九尾チャクラ確保もカブトさんが協力すると決まる前までは完全に予定外な事でしたし)
「リンが居る世界」については輪廻眼を持った以上、輪廻転生を使用する可能性もあるとは思いますが、この辺については正直オビトさんのなかでどこまでを重要視しているのかが判らない部分があります。

そもそも「リンが居る世界」と言葉だけでみると単純に「リンが生きている世界」と見えますが、恐らく厳密には「忍世界の因果のために大切な人と殺し合う事が起きない、リンが死ななくて済む平和で仲間を大事にする世界」という事を言いたいのだと思います。
つまり、単純にリンさんを生き返させるのではなく、その前に無限月読で理想の世界を作るか忍世界の因果を断ち切らなくてはなりません。
そして重要なのは今のオビトさんは「リンのような悲劇を生まない世界」を作った上で“リンさんを甦させる”事を是と考えているのかどうかが、という点です。ようはオビトさんが『リンを蘇らせたとしても、リン自身がそれを幸せに感じるのか?』という疑問にどういう答えを見出しているのかが不明なのです。
彼にとっての終着点が「リンのような悲劇を生まない世界を作る」なのか、「リンのような悲劇を生まない世界を作り、その上でリンを蘇らせる」なのか、これからのお話で明かされるのか注目したいところであります。

『里のために必要ならば忍は命を投げ出せ、必要であれば親兄弟に手をかける事も厭わうな』というこの忍の常識、果たしてNARUTOの世界ではこの常識がそのまま保たれるのやら、それとも変革されていくのやら。
ここ最近になって急展開を迎えておりますが、どんな結果となるか気になるところであります。


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で、なんで急に今回オビトさんの話をはじめたかと言うと、この方に凄い共感と尊敬を念を抱いたからです。
正直NARUTOは第2部になってからどんどん主人公ナルトの考え方がよく判らなくなってきている印象が強いです。
初期はオビトさんのように「忍世界を変える」といった感じの発言を行なっておりましたが、時間が経つごとにどちらかというと今の忍世界を受け入れている印象があります。
もちろん理不尽な忍世界の因果に直面した時にはそれに対して反発を行いますが、結局その場だけで根本的にそれを解決するための行動は殆ど起こしていないという印象です。重要な立場の主人公であるはずなのに、微妙な存在感になっている感が凄いありました。
また、直情的な性格を表現するためか敵味方問わず「人の話を聞かない」という描写が多く、そして暁などの敵側の相手を“ただの悪人”としか見ておらず、ろくに事情も知らないのに「俺(達)が正しい、悪人はぶっ倒す」という行動も目立つため、共感しにくくなっていった記憶もあります。そのへんは長門戦で一度かなり払拭された感もありますが、オビト戦では再びその傾向が強くなっている印象です。(サスケやサクラもナルト同様、少々冷静さにかけすぎた行動が多い印象)
そして他の登場人物は逆にかなり達観している・・・ぶっちゃけると人間味が感じないキャラが多くなってなんとも言えない微妙な印象を受けました。

一方でオビトさんは自分の発言通りに行動を起こし、短絡的な行動も少なく、敵であるナルトなどに対しても余裕を持って対応しています。
まあ細かく言うと他にも色々と理由はありますが、デイダラさんやサソリさんもそうですが“キャラが凄い立っていた”印象です。正直2部は敵側に魅力的なキャラが多かったです。(逆に主役側はかなり地味というか“魅力が描ききれていない”という印象でした。)
もちろん傍から見ればオビトさんの行動自体は「目的そのものが狂ってる」「やり方がえげつないる」という見方が大きいでしょう。「リンの居る世界を作る」「忍の世界をぶっ壊す」という自分の目的のために、他人を平気で殺す残忍な悪魔のごとき人間という見方がどちらかというと大きいでしょう。
オビトさんが体験した強烈な想い人の死、そして彼がそれによって垣間見た忍の世界に蔓延する古き因果、それらを見たために自分の中でオビトさんへの同情心に似たものもあるやもしれません。
しかし、やはりそれでもオビトさんこそ人間味溢れ共感できる人と感じますし、彼こそがこの世界で“勝者”になって欲しいと思っています。

※2月11日追記
書いてからしばらくして思ったのですが、個人的にそのキャラが“好き”になれるかどうかはそのキャラに「曲げられない信念」や「自分だけの正義」を持っているかどうかが重要だと思いました。
思い返してみれば、自分が好きになるキャラクターって『善悪』云々よりも『ブレない強い心』を持っていたと思います。
NARUTOでいえば「うちはオビト」さんの他に、自来也さん、三代目火影様、うちはイタチさん、ヒナタさん、ガイさん、ビーさん、鬼鮫さんや長門さんといった各暁メンバーに元暁の大蛇丸さんなどなど・・・。それが人として間違っていたとしてもブレずに己の信念(場合によっては願いや欲望)を曲げずにいた人々は、その強い意志に尊敬の念を感じさせられます。

それに対して、ナルトをはじめとした主役陣は少年漫画として王道である“読者と一緒に悩んで成長する”という立場にいるため、どうしても迷いや悩みが多く発生し、演出や連載の都合なども相まってそれが大きく長引いてしまう事があるために、見方によっては「ブレやすい」といった印象が残ってしまうようです。
(主人公のナルトは話の中心人物である以上、どうしても様々な局面に立たせられてしまうので、ある意味で一番の被害者であるとも思います。)



もっとも無限月読以外の終着点に辿り着いた場合、オビトさんは“死が確定”されていると言っても過言ではないと思います。戦いの果てに忍世界の因果を断ち切るキッカケを作れたとしても、ナルト達は大罪人として彼を殺すでしょう。キッカケから変革という結果に辿り着くには時間がかかります、人は急には変われません。それに何より、オビトさんは既に数えきれない人間の命を奪っています。殺されるのが必然となるでしょう。
殺されなくてももしリンさんやマダラさんのために輪廻転生を使えばその膨大なチャクラの消費で恐らく死ぬでしょう。
恐らく彼はその結末も全て覚悟の上で動いていると思います、そもそもゼツという人造人間を除けば人間は当初オビトさんひとりであり、見方によっては彼はたった一人で忍連合軍へ戦争を仕掛けたとも言えます。(サスケは放置っぷりを見るに、最初から頭数にいれられていなかったと見ています)
故に無限月読に失敗すれば死は必然でありますが、「そもそも無限月読の発動が目的であれば、戦争を起こす必要はない」という点を思い出してみると、彼は最初から“目的を果たすと同時に「死ぬため」に戦争を起こした”という可能性が高いと思えます。

彼の行動は未来永劫称賛されることがなく、忍世界の汚点として悪名の轟かす結果になるかもしれません。
それでも私は彼こそNARUTOの忍世界を変える「変革をもたらす者」であることを祈りたいところです。