地形学とGIS / Geomorphology & GIS

ある研究者の活動と思考の記録

オリバー

2009-11-16 | ひと
ドイツ人の地形学者であるオリバー・コルップ(Korup, O.)が日本にやってきました.土木研究所と国際砂防シンポジウムで招待講演を行うためですが,昨日,自由な時間が半日あるというので東京を案内しました.オリバーとは5年ほど前からメールをやりとりしていましたが,会ったのは今年9月の台湾の学会が最初でした.

オリバーは学位をニュージーランドで取得した後,スイスの研究所に勤務していましたが,最近,母国のボツダム大学に異動しました.経歴のみならず研究も国際的で,ニュージーランド,ヨーロッパ,ヒマラヤなどの山地や河川を研究しています.チベット高原が平坦な理由について,新たな解釈を提示した論文をNatureに執筆するなど,30代後半にして地形学のスーパースターの一人になっています.

最初にランチに行き,「日本のシュニッツェル」としてトンカツを食べました.カツという名前をオリバーに教えたところ,彼は「ドイツ語の猫(Katz)と同じ」と言いました.僕はその時,シュヴァルツェ・カッツという黒猫の絵のドイツワインを連想しました.今度,このワインとトンカツの組み合わせを試してみたいと思います.

食事の後,都庁の展望台,原宿,神宮外苑,銀座の順に移動しました.オリバーの3歳の娘さんがハローキティが大好きなので,銀座駅の近くに最近オープンしたサンリオワールドに行き,お土産を買うのを手伝いました.その後,回転寿司で夕食となりました.

神宮外苑からはhaya君も合流しました.初対面でしたが,すぐに研究に関する会話が始まりました.寿司屋ではhaya君がオリバーに,「どうしたら論文をたくさん書けるのか」と質問しました.僕はhaya君の論文執筆の実績を知っているので,イチローが王貞治にバッティングの極意を尋ねているような感じがしました.オリバーは,自分の時間の配分法や,草稿をどのようにポリッシュしていくかを,haya君に丁寧に説明していました.

二人のハイレベルな会話を脇で聞きつつ,寿司とビールを楽しんでいた僕は,地形学の将来が明るいことを確信しました.

It's a professional career.
(Oliver's Army / Elvis Costello)