General Hematologist の育ち方

初期研修、専攻医研修、総合内科、血液内科のあれこれを三重よりつらつらと。

Dr宮城の教育回診 / Dr.宮城の白熱カンファレンス〜診断のセンスと臨床の哲学

2017-02-28 19:44:35 | オススメ教科書 初期研修スタート
初期研修のスタート直前後に、

バイタル解釈と身体所見を学ぶことで、研修のクオリティはかなり変わりました。この本と 考える技術 を学生時代に学んでいたことで、一例一例から学びを深めるきっかけを作れました。

耳学問での臨床推論・身体所見のスキルアップが難しい、大半の研修病院において、

臨床推論一般
バイタル解釈
身体所見

に関しての最低限の知識と方法論を身につけるタイミングは極めて重要です。

この本は呼吸器疾患を中心として、バイタル解釈と身体所見の解説を症例ベースで行います。

聴診、胸部の打診、COPDの視診などが簡潔に示されています。疾患頻度が高く、読んだ次の日から患者さんに直接繋がってきて、

学ぶ → 応用出来る →楽しい → 学ぶ →応用出来る→ …… のループに入ることが出来ます。

座学が臨床スキルに直結することを学びやすい、極めて優れた本だと思います。

レイアウトにはセンスを感じませんが、本当に良い本だと思います。



自分が把握している同系統の本は下の二冊。

Dr.宮城の白熱カンファレンス〜診断のセンスと臨床の哲学
は立ち読みで終えました。三年目の夏に本屋で目を通した印象としては、実況中継の新番(やや簡単)です。

バイタルからの臨床診断
はバイタルの解釈に特化していて、2〜3時間で読み通せます。理屈に怪しさが満載ですが、ERで一晩20-30人みるような野戦病院では、この本のストレートさがスタート時期にフィットしてました。


Specialistを目指すタイミングに

2017-02-27 01:03:24 | とある血液内科の育ち方
ようやく、日本語の教科書で購入したものの大半を最初から最後まで読み通すことが出来ました。

電子データも含め、血液領域外で約200冊ほどになりました。読めてないものもありますが、しばらくは調べるだけの使い方にします。

当面、血液内科としての実力を上げるべく、分野を絞ってまとめあげる時期とします。

総合力は完全症例ベースで少しずつ手をつけて…


◯General skill
ICU管理のレベルアップ

読影能力の底上げ(解剖のレベルアップ)


◯Hematology
WHO2016に至るまでの歴史的変遷の理解

治療の歴史的変遷の理解

各殺細胞薬、分子標的薬の薬理学的理解を深める

ジェネラリストのための内科診断リファレンス

2017-02-11 23:00:29 | オススメ教科書 初期〜一般内科
700ページほどのとても良い本です。

初期研修2年目の秋に購入し、しばらくはちょいちょいと調べて使っていました。三年目に上がる前に、読み通し、自分の感覚がどれくらいずれているか、あるいはエビデンスに沿っているかを確認しました。

Pocket medicine の出典と重複していることが多く、積み上げられてきた良質なエビデンスは有限なんだと感じました。

一般集団と個別症例の区別に繋がる勉強になりました。

一番役立つのは、認定医のレポート。参考文献探しに役立ちます。

ICU/CCUの薬の考え方、使い方 ver.2

2017-02-07 23:16:13 | オススメ教科書 初期〜一般内科
大野先生のレクチャーを聴いて、
その症例にそこまでやらんでも… と思うような、超高齢者へのフルコースに驚いた記憶があるのですが、自分自身がルーチンワークにまで落とし込むまで定着出来ていないからだと今は思っています。

ver1の頃は、初期研修1年目には読んでおきたいと言える内容でした。

ver2はややボリュームが増え、1年目に通読は要求しにくい本になりました。それでも2年目には読むべき本で、1週間で通読してほしい内容です。ちょこちょこ調べるだけだと、得るものが減ってしまう。

この本の売りは、重症患者さんを俯瞰的にみるための情報がまとまっていることです。ですので、短期間で一気に読む必要がある。

個別に書いてある知識は、各科ローテート中に学ぶこと、麻酔科ローテート中に経験することがほとんどで、格段に難しい内容は含んでいません。

しかし、重症患者さんのケアの基本を短時間で学べるツールとして、本当にすごい本だと思います。