General Hematologist の育ち方

初期研修、専攻医研修、総合内科、血液内科のあれこれを三重よりつらつらと。

ブラッシュアップ急性腹症

2017-01-06 00:00:02 | オススメ教科書 初期〜一般内科
実臨床としての、急性腹症に対するアプローチを学ぶという観点で、自分が読んだ本の中で最も優れた本です。

初期研修医が、外科ローテート中に学ぶべき事柄が凝縮されています。

自分は後期研修に読みましたが、ERでのクオリティが上がったと実感出来ました。読影についてほとんど頁は割かれていませんが、読影能力の向上にも繋がる一冊です。

COPEの急性腹症は、仲田先生が書評していた様に、「底なし沼」な本で、疾患のH&Pの引き出しを増やすのに役立ちましたが、この本は引き出しをブラッシュアップするのに役立ちました。

真新しさではなく、上手な整理法とでも言いましょうか、マッサージのようなイメージの教科書です。

ER本などで簡単な概要を掴んでおくことは必要と思いますが、その後の本としては抜きん出ていると思います。

腹痛に悩むレジデント、腹部読影に悩むレジデントにとってもオススメです。

自分は12-15時間ほどかかりました。

画像と病理から学ぶ 結核・非結核性抗酸菌症

2017-01-04 00:37:11 | オススメ教科書 初期〜一般内科
徳田均先生のリウマチ学会近畿地方会での話を聞いて、この人の本なら読みたいと思っていました。

陳旧性肺結核を持つ患者さんが増えてきて、画像診断のスキルアップをしたいなと考えていたところに出会いました。

本日、5時間ほどで読み通しました。

岩崎龍郎先生の 結核の病理 を読み、
岡田慶夫先生の 図説肺のリンパ系と肺癌 を読み、
培ってきた知識が整理されている一冊でした。

専門外がMycobacteriumの診断を学ぶなら手堅い一冊になりそうです。

thrombotic microangiopathyは移りゆく

2017-01-02 16:43:21 | とある血液内科の育ち方
年末年始は、他科入院の複雑症例が相次ぎました。

TMAの病態を呈した、Mirrizi sndrome。
BP 200/115が持続して、高血圧が原因なのか結果なのか…

高度な血小板減少、AKIもあって、総合診療系ならTTPと判断して血漿交換されてるんだろうなーという症例。

降圧と抗凝固で改善傾向にありますが、なんともスッキリしない。

Thrombotic microangiopathyの概念はもう少し整理される時代が来るのかしら…