「purple magazine」ほかで人気の奇人フォトグラファー、テリー・リチャードソン。彼の父親ボブ・リチャードソンは、60~70年代にファッション誌で映画的な物語性を持つ一連の写真で一時代を築いた。テリーのこの写真は1971年のニューヨーク映画『コールガール』からインスパイアされた2010年版ニューヨーク・ファッション。闇の映像が印象的な映画とは真逆の世界で、テリーとしてごく真っ当な仕事である。
モデルは、最近よく見かけるFreja Beha Erichsen。サングラスをかけると映画の女優ジェーン・フォンダによく似ている。掲載誌は「Vogue Nippon August 2010」。僕にとってファッション写真の楽しみは意外なところで“映画ネタ”を発見することである。