風車ビルだより

今は風車のない風車ビルからの風だより

京都 狩野永徳展

2007年11月18日 | 国内旅行

11月10日土曜、朝6:30、京都へ向かう。北陸道はいつもよりは交通量が多いようだ。大型の観光バスが目立つ。昨夕、夕食をご一緒したN氏は京都は宇治の在住で、京都の交通事情、駐車のし難さを云っておられた。年中混んでいるが、11月が最悪と。
米原ジャンクションの検問所がなくなっている。まだ工事中だがゲートは撤去されていた。東名はそれほど混んでいるということも無い。京都東で高速を降りた後はやはり混んでいる。途中までは余裕で来たが、9:00京都駅待ち合わせには早く着すぎて困ることにはなら無いだろう。

京都国立博物館の前にはもう行列が出来ている。駐車場にも開門を待つ車の列だ。京都駅で一人拾い、京博へ戻ると開門されていて、駐車場は既に満車、とりあえず降りて行列の最後尾に着く。連れは駐車場を探しに行き、豊国寺に停めて来た。さて入場まで40分待ち。
狩野永徳の特別展ともなれば止むを得ない か。この頃のちょっとした展覧会、東博でも京博でも皆行列だ。今年の5月、相国寺の伊藤若冲展も行列で、こんなお寺の展覧会まで!と驚いたものだ。
長い列がぐるりと普通は歩かない博物館の前庭の奥へ延びている。手入れのよい庭だ。寒いかと思ったが暖かくて助かる、でもほとんど紅葉している樹は無い 。これでは京都の紅葉狩りに来た人は残念だろう。Aがこの建物いつ頃建ったのだろう?と聞くので、明治時代だろうけれどいつだろうね、と言っていたら、 列の前にいた人が、くるりと振り返り、明治三十何年と教えてくれた。見れば手に京都検定、というテキストを持っているのだった。京都検定ってこんなこと まで問われるんかいな。
本当に40分待った。今日は12:00に祇園の白川沿いの店に予約を入れてある。だから11:15には出口で集合と言うことで中にはいる。今回は大津で一泊なので翌日早くから京都国立博物館へ向かうことにする。

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狩野永徳展
狩野永徳は中学の歴史教科書にも図が出てくるような画家だ。唐獅子図と桧図画最も有名だろうか。今回特に見たかったのは、大徳寺聚光院襖絵上杉本洛中洛外図。大徳寺の襖絵は2003年に東京国立博物館で特別展があり、最終日曜に行く計画をしていたの に急な用が入り行けなくなったのだ。洛中洛外図は2006年のお正月に見た岩佐又兵衛(伝なので作者不詳になっていた)の舟木本が面白くて面白くて、是非見比べてみたいのだ。中は混んでいた。聚光院は何とか見れるが、洛中洛外図はものすごい人だ。この京都の人たちの洛中洛外図の接し方は東京国立博物館でのそれとは違うようだ。なじみのある場所が書かれているから近しい感じがするのは当たり前だろうが、縮尺が正しい地図でないにも拘らず、生活実感としての空間の把握、距離感は、現在の京都人も洛中洛外図のそれもそれほど変わらないのかもしれない。ともかくこれをかき分けるのは無理だ。比較的すいているところを見て回る。聚光院の花鳥図、あの梅の枝ぶり、鳥のしぐさ、東京国立博物館の聚光院展では襖として室内にあるように組み立てて見せていたそうだ。今回は平面的な展示 だ。こう混んでいると下がって全体を見渡して、という見方が出来ない。 二日目には朝早くから並んだから比較的ましだったのだったけれど洛中洛外図だけは東京国立博物館で舟木本を見たようなわけには行かなかった。唐獅子と桧図は堪能。唐獅子は仁王さまだ。これは襖に書いた仁王門。今回は連れが一緒に回ってくれる。お陰で仙人高士図なんてよさの認識が変わってくる。

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ぎおん琢磨は知っていないとまず見つけられない店構え、予約しないと入れないし、だけどすごく美 味しくて去年くらいからの京都のお気に入り。四条川端で有料だけどまあまあ止めれる駐車場もありかも判ったし、ということで京との楽しみの一つとなった。この料理で昼酒やったらさぞうまかろう!と 思うのだけど車で来る以上出来ない話だ。
昼食後醍醐寺へ行く。一度も行った事がなくどんなところかと思っていたが、たぶんもう行かないだろう。五重塔だけは悪くなかった。紅葉していればイメー ジが違うかもしれなかったが紅葉青々夏樹のようだった。いっそ信楽まで行ってしまえ、という話にもなったのだけど、石山寺へよって、大津の宿へ向かう。
石山寺も初めてだ。行って初めて石山の意味を了解。硅灰石という変成岩の塊なのだ。紫式部より地学に興味ある人向けかも。幾分紅葉した多宝塔のたたずま いは悪くない。

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大津
本当は今回の一泊旅行のメインは滋賀の近江八幡、信楽あたりをゆっくり回ろうと言うはずだった。ところが永徳展をやっていると知って、予定変更。ヴォー リスやMIHO-MUSEUMはまたお預けだ。
快適でお値段もそこそこの宿探しは難しい。せめて不快な思いはしたくない。シーズンのギリギリでの宿探し、ホテル自体の空き室照会よりも予約のポータルサイ トの方がまだ空きがある。大津プリンスホテルが空いているではないか!ツインに3人泊まれないかと交渉し予約する。湖岸にそびえる高層ホテル、外観は悪くない。が、部屋の内装はどうも安っぽい。冷蔵庫が空なのはリゾートホテルではよくあることらしいけれど。バスルー ムがたまげた。シャワールームではなくアパートのユニットバスのようなものがついている。ところが脱衣所に当るものがない。そのくせシャワールームにあ るようなバスマットが浴室内にある。これをどう使えと言うのだろうか?しかも誰かがバスを使うと水音が室内に響き渡る。廊下の話し声もよく聞こえる。客 室の防音は全くの安ホテル並みだ。もっとたまげたのは翌朝の窓の結露だ。琵琶湖に面する窓ガラスがびっしり結露、アルミの枠を水が床に流れ落ちている。まだ11月だ。真冬になったらどうなるのだろう。スマートな外観に似ないエネルギーロスの欠陥建築物。それに売店で朝、昨夜はあったパンの棚が空っぽだったので、何時に入るの?と聞くがレジに居た男性は首を傾げるばかりだった。もうプリンスには泊まらないもんね。

大津市内の道路は混んでいた。イベントがあったのだ。「豊かな海つくり大会」があったのだ。天皇が皇后がご臨席だったらしい。警備の機動隊の車が列を連ねている。天皇は皇太子時代にブルーギルだかブラックバスだかをわざわざ希望して貰い請けあちこちにありがたくもご下賜下さったという。そんな話を車中でしたが、本人も気が差すところがあったと見えて、「心を痛めている」云々のお言葉があったそうな。
大津市の琵琶湖沿いには「箱物」と呼ぶしかないような建物がぼこ ぼこある。この春の知事選挙で新幹線の新駅の凍結を公約に新人女性が当選していたが、新幹線の駅云々は典型で他にもよりやりきれない状況があったに違いない。
夕食を摂りにJR大津駅前まで出るが、この駅前通、立派なオブジェクトが並ぶ大通りだが、ひどく閑散としたところだ。
少し入ったところの居酒屋風の店で夕 食。地元の人でにぎわっていた。ここの刺身の桶盛りはなかなかのもの。量も多いいし、美味い。しめ鯖ではない生鯖の刺身なんてよほど自信がなければ出せ まい。この店「えんや」という。
大都市に近接する地方都市のあり方は難しい。中核都市、といわれる地方都市よりももっと難しいかもしれない。ホテルに戻るタクシーの運転手は琵琶湖畔の大半は埋立地だと言っていた。大土木工事だったろうからそれで潤った人たちも居はしただろうけれど。

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 「迷惑施設」のあり方
京都で葬儀施設の営業反対のタテカンを見た。葬式と言えば寺、寺だらけの京都で何を今さら、と思ったのであるが、そういう問題ではないらしい。セレモニ ー会館の類で、地元住民ともめているらしい。いわゆる迷惑施設はゴミ処分場とか原発に限らぬらしい。最近知った例では大学である。 仙台の東北福祉大学、住人のブログはこちら



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