ふんばろう宮城プロジェクト

東日本大震災から発足した「ふんばろう東日本支援プロジェクト」公認団体として2013年4月から活動する復興支援プロジェクト

押し付けないボランティアを真剣に考え、悩んだUCLAの仲間たち

2012-03-31 15:21:21 | 活動報告
 3月28〜29日、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の大学院生23人が、宮城県内の被災地を訪れました。来日前から「被災地の皆さんのご迷惑にならないようなボランティアのお手伝いをしたい」との相談を受けて、ふんばろう東日本支援プロジェクト宮城支部の3人が、南三陸町での活動に同行しました。

 28日は南三陸町のさんさん館(リンクhttp://www5.ocn.ne.jp/~san3kan/)に宿泊。さんさん館は、廃校になった小学校を利用して作られた宿泊施設で、いすや机などの学校用品もそのまま施設に活用されています。珍しい建物や南三陸の美味しい食事を楽しみながらも、初めて被災地に訪れたUCLAのメンバーは、自分たちの考えてきた活動内容が本当に被災地の方々に喜んでもらえるか、少し心配な様子も見せていました。

 29日の午前中は、歌津地区を視察しました。被災した駅や小学校などを見て、メンバーはあらためて津波被害の大きさ、怖さを実感されていたようです。
 午後からは、南三陸町で活動している社団法人「O.G.A.For Aid」と一緒に物資支援のお手伝いをするグループと、志津川中学校仮設団地で子どもたちと英会話を交えたコミュニケーショングループに分かれて活動しました。私は子どもたちと交流するグループのお手伝いをさせていただきました。

 仮設団地に到着するなり、さっそく男の子たちにサッカーをせがまれるメンバーたち。元気な男の子たちは言葉が通じないのも全くおかまいなしです^^; そのエネルギーに翻弄されつつも、2時間近く一緒にサッカーを楽しみました。
 
 女の子たちとは集会所でカードにお絵描きをしました。女の子たちは、メンバーが書いた筆記体のサインが「かっこいい!」と気に入ったようで、全員でサイン集めが始まりました。お絵描きカードは後日、メンバーが米国からエアメールで出してくださるとのことです。
 
 遠くロサンゼルスから、自分の目で被災地の現状を知るために宮城を訪れていただき、何をしたら喜んでもらえるか、真剣に考え関わってくださったUCLAの皆さまに、感謝を申し上げたいと思います。(酒井由美)

※参考記事
UCLA公共政策大学院:被災地の現状を学ぶ、日本人留学生が訪問を企画
http://bit.ly/AzY1EU

3.11縁から絆へ ずっと忘れない

2012-03-19 08:09:32 | 日記
 去る3月11日、東京・恵比寿ザ・ガーデンホールにて開催された、ふんばろう東日本支援プロジェクト主催復興支援イベント「3.11縁から絆へ ずっと忘れない」に宮城支部のメンバーとして参加しました。
 
 ※タイトルは書道家の中澤希水さんに書いていただきました
 恵比寿の洒落たエリアにある会場に入ると、この日のために準備を重ねてきた運営スタッフの皆さんが立ち働き、開演前にも関わらず熱気がどんどん上がっていました。エントランスホールの展示ブースコーナーでは、この1年間、被災地支援にふんばってきた各プロジェクトの活動展示が行われました。あらためてこんなに多くの仲間たちが「すべては被災地のために」を合い言葉に、被災地で、日本各地でふんばってきたのだと思うと、こみ上げてくるものがありました。

 わが宮城支部も展示ブースの一画に陣取り、被災され仮設住宅に住まわれている方々の思いが詰まった手作りグッズを販売しました。亘理町のおかあさんたちが作った「FUGURO」(着物地の巾着)、「苺一枝フォトフレーム」(タイルアート)、気仙沼の「小原木たこちゃん」。来場された方々もみなさん興味を持って手に取ってくださり、おかげさまで完売することができました。
 売り上げはそれぞれ製作者の皆さんへお届けしますが、収益が出るということに加えて、自分の仕事に自信と誇りが持っていただくということが大事だと思っています。商品の価値と価格を購入された方に認めていただいわけですから。
 
 県内の仮設住宅やみなし仮設に住まわれている方が、コミュニケーションを図る目的で何かしらのワークショップを開き商品化しようと試みています。完成度が高ければ「売れる」という仕組みこれからも模索していこうと思います。ご協力ありがとうございました!(橋本信行)

きっと咲く、東北のすべての地に蓮華の花が/石巻大街道復興祭

2012-03-08 11:08:45 | 活動報告
 震災から一年を迎えようとしている今、その日に受けた被害の格差がどんどん開き始めていると感じます。復興祭はこれからの支援を考えるために地元の方と触れ合い、話を伺うきっかけにもなる素晴らしいイベントだと思いスタッフとしてお手伝いさせていただきました。

 素晴らしいステージの数々、各支援団体から蕎麦、お餅、タイ焼きなどの無料提供、地場産品販売など会場は笑顔とぬくもりで溢れていると感じました。そして、そこで出会った地元の方々にお便りプロジェクトで寄付をいただいたレターセットを配りながら、お話を伺うことができました。
 胸につけている『ふんばろう』のネームプレートに安心していただけるのか、今までの支援に対してのお礼、仮設での生活、心境、自分が震災でどんな経験をしたか、何を失ったのか、これからへの不安…今の心境、環境などをたくさん話して下さいました。必要としているものもやはりさまざまでした。涙目になりながら、お応えするのに目一杯でしたが、できることならもっとお話を伺いたいと思いました。
 そして皆さんが仮設住宅の場所を教えて下さったり、「遊びにきてね」と誘って下さったり…。心に寄り添うようなお付き合いが、これからとても大切なのではないかと感じました。

※総合司会を務めた ふるいちやすしさん(左)と大塚智子さん
 その日は家族で参加させて頂いていました。小6になる娘、10年後の未来を担ってゆく世代にボランティアの場を直に見て、何かを感じて、考えて欲しくて連れて行ったのです。はじめは皆さんのお邪魔になるのでは…とためらっていたのですが、『大丈夫だからつれておいで』と背中を押して頂いたこともあり、ふんばろうのネームプレートも頂いて参加させていただきました。娘は今回が2度目のボランティアです。

 『あまり簡単に震災のことを言ってはいけないと思う、私がわからない悲しい気持ちがたくさんあると思うから』と娘は話すようになりました。そして、『みんな、優しい人たちばかりだったよね、全員優しいね』と。そして西條代表に『一緒に頑張ろう』と声をかけていただいたことも励みになったようでした。
 会場に展示されていた雄勝小学校の子どもたちが作った陶板の空には、「明るい未来、一致団結、笑顔、希望」の言葉が刻まれていました。娘と同じく10年後の未来を担ってゆく子どもたちの声。今私たちにできることはこの子たちにバトンを渡せるような社会を一歩一歩、育んでいくことなのだと思いを新たにしました。

※ハンドメイドPJブースでは手作りミサンガが大人気
 ポストカードの蓮華の花をみつめて、『懐かしいなあ、綺麗だよね、でも今年は塩の土だから咲かないね』と…地元の方がおっしゃいました。『大丈夫、また咲かせましょう』と涙目になりながら答えていました。
きっと咲く!一面に!また蓮華の花が、東北の全ての地に・・・。

 石巻大街道復興祭は笑顔と涙で幕を閉じたけれど、それぞれどのような思いを胸に帰って行かれたでしょう。一人ひとりが復興の1ピースであるということを忘れず、日々を精一杯ふんばっていこうと思います。
 参加なされた全ての支援団体の皆さまと、笑い、語り合い、未来へ繋がる時間をともに過ごしてくださった地元の皆さまに感謝します。(中川ひとみ)

***資料***
石巻大街道復興祭
目的:
東日本大震災から1年を迎えようとしているなか、被災された地域では震災の傷跡は生々しく残っています。被災された方々は、日々の厳しい生活環境の中、復興に向けて歩みだしています。
この1年間震災支援にかかわった多くの支援団体と、被災された地域の方々と、共に手を取り合って、復興に向けて新たなキックオフの機会にし、被災された方々を力づけ、支援してくださる方々や、関わる全ての人々の絆を深めていく機会として、イベントを開催いたします。

会場:
宮城県石巻市大街道南1丁目3-1 大街道小学校 体育館及び校庭

日時:
2012年3月3日(土) 10:00〜16:00
前日祭 衣料品配布お楽しみバザー  主催 株式会社丸井グループ
      お茶っこ飲み     運営 実行委員会+ボランティア
3月4日(日) 10:00〜15:00
ハートフル・コンサート(体育館)  ふんばろうエンタメプロジェクト 企画・運営
     屋台村(校庭)  炊き出し・地元特産品販売 約20団体
     ハンドメイド品無料配布&ワークショップ  ふんばろうハンドメイドプロジェクト
     ゲームラリー  ボーイスカウト神奈川連盟 県央地区こどもわくわく隊

若者が楽しめるスペースづくりも欠かせない

2012-03-07 20:21:12 | 活動報告
 「震災前に戻すだけじゃなく、若者が残ろうと思う新たな町づくりが必要っすよね」。
 大阪のラジオ局「FM802」で活躍するディレクターの奈須裕之さん(NiceB代表)とDJ・野村雅夫さんは熱く語ってくれました。地域の活性化には若者の力が必要だと感じていた筆者とも意気投合。少ない時間でしたが石巻沿岸部をアテンドしながら、いろいろと話しをさせていただきました。
 奈須さんたちは、東日本大震災の被災地復興のために岩手県宮古市、岩手県大船渡市、宮城県石巻市にライブハウスを建設しようというプロジェクト「東北ライブハウス大作戦」の取材で3月3日に宮城入りされ、南三陸町にも足を伸ばして被災地の状況をしっかりと把握されていました。
 
※関西人っぽくなかった奈須さん(左)と日本人離れした顔立ちの野村さん
 「東北ライブハウス大作戦」も若者が楽しめる場を作り出すことが目的とか。実際に若者の地元離れは深刻です。地元企業の再興には、未来を託すことのできる若い人たちの力が必要なのですが、地元には若者が楽しめる場所も少なく、家と会社の往復だけではつまらない…。震災以前も町を出ていく若者が後を絶たなかったのですが、いま復興に立ち上がる若者のふんばりを続けられる土台づくりも必要なことです。

 「大阪で、僕らのラジオのイベントで協力できることがあったら何でも言ってください」と笑顔で語ってくれた奈須さんと野村さん。昨年9月にアテンドをしたFM大阪のDJ・RIOさんにつないでいただいたのですが、人とのつながりのすばらしさを強く感じました。
 「また来ますよ」と固い握手を交わし、大阪から「東日本大震災を忘れない」というメッセージをこれからも発信してくれることを確認しました。(こせきかつや)

資料
▽FM802 NIGHT RAMBLER [MONDAY] DJは野村さん
http://funky802.com/service/homepage/index/1125
▽東北LIVEHOUCE大作戦のサイト
http://www.livehouse-daisakusen.com/
▽磯部正文&平林一哉が被災地ライブハウス建設チャリティCD
http://smash.music.yahoo.co.jp/top/20120210-00000065-natalien/
▽焦点−大震災から1年/人口流動 深刻な転出超過/少子高齢化に拍車
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1071/20120306_01.htm

被災地支援のブルーカラーは高齢化が進んでいます

2012-03-02 16:10:40 | 活動報告
 前日に降った大雪で「移動が大変になるなぁ」とため息をつきながら2月26日、福島市と南三陸町へ物資配送を行ってきました。
 シンガポールの慈善団体「マーシー・リリーフ」から寄託を受けた毛布500枚を福島県福島市で活動するNPO団体「花見山を守る会」(高橋会長)へ届けました。同団体は近年、観光地化された花見山エリアの環境と景観保護を目的に発足したNPO組織。現在は、昨年3月11日の東日本大震災以降は避難者への物資配布などを積極的に行い、地域住民はもとより福島第一原発事故で避難された世帯への支援を積極的に行っています。

 事務局の上遠野晴子さん(写真中央)は「なかなか若い人たちが集まらなくて、年配(高齢者)の人たちで日々、活動をしています」と語ってくれました。一緒に荷降ろし作業をしてくれた方々は「いまの若者はパソコンなどで情報発信をすることがボランティアだと言い張るけれど、どうなのかな。ボランティアにもホワイトカラーとかブルーカラーなど得意分野の選択肢はあるのだろうけど…。若い連中は頭を動かすことが好きなのだろうね」とため息交じりに現場の悩みを伝えてくれました。

 ボランティア活動にはいろいろあって当然です。「人のために(被災された方のために)何かしよう」と自発的に活動するのはとても素晴らしいことです。それぞれの得意分野でその能力を発揮されればやる気も出るものです。しかし、震災から1年を迎えようとしているいま、自身も被災された高齢の方の姿しか現場にはいらっしゃらないのも現実です。
 亘理郡山元町を拠点とするスコップ団のように現場主義を貫く団体への需要が高まる一方、インターネットによる情報発信を得意とするボランティアの皆さまには、「現場で動いてくれるボランティアへの誘導」をぜひお願いしたいものです。(こせきかつや)

【お知らせ】
ふんばろう東日本支援プロジェクトチャリティーイベント「3.11縁から絆へ」が3月11日、東京都恵比寿(恵比寿ガーデンパレス)で開催されます。まだチケットに余裕があるとのことなので、お時間のある方はぜひご来場ください。
http://wallpaper.fumbaro.org/en_kizuna