すごいことになって来ましたね!! 木材が金属の様な加工に耐える様なものになる時代が近づいています。日本に文字通り山積する木材、林業の活性化にも役立ちます。木材の合板技術進歩で強度のあるものが実現して来ていますが、これは桁違いの革命的な技術となりましょう!一刻も早く実際の活用につなげる様に頑張って欲しいものです。
TBSテレビ:夢の扉+ http://www.tbs.co.jp/yumetobi-plus/future/
素材革命!木材が金属やプラスチックに変わる!?
~革新的加工法で、堅い木材を自在に変形できる“エコ技術”~
TBS「夢の扉+」6月30日 #109「木材を自由に加工し"素材革命"を!」
産業技術総合研究所/金山公三 さん
日用品や工業製品などの原材料となる石油や金属。しかしそれらは、限りある資源・・。
この枯渇する資源に代わりうるのが―、植えれば育つ木材!?
マツやスギ、タケなど、あらゆる木材を、プラスチックのように自在に変形できるという
常識を覆す技術を開発したのが、産業技術総合研究所の金山公三、58歳。
金山の『流動成形』技術があれば、衝撃に強く、難燃性も断熱性もある製品が
生まれるという。将来、テレビの外枠や車のボディーなど、これまで、プラスチックや
アルミが使われていた部分が、木材に変わるかもしれない。まさに“素材革命”だ!
もともと、金属加工の研究をしていた金山。だが、金属資源の限界を、肌で感じる・・。
『先々役に立つ、新しい原材料はないのか―」 金山は、あらゆる研究の中から
“木材”に目をつけた。熱を加えたり、圧縮したりと試行錯誤を繰り返す。
しかし、「木材なんて・・」と周囲からは冷ややかな反応。それでも、木の「細胞」まで
調べ尽くしたとき、ある発見をする。それは、『細胞同士がすべる』という現象―
『資源は、地中深くにあるだけではなく、人間の頭の中にこそある』
この言葉を原動力に、「木材研究」という階段をひとつひとつ上ってきた金山。
自らの技術を社会に役立てるため、実用化に向けた共同実験にのぞむ。
それは、窓枠のサッシに使われているアルミを、木材に代えるというもの。
細く、長く、強く・・流動成形した金山の木材は、建材としても認められるのか―
TBS「夢の扉+」6月30日OA 主人公の未放送映像
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産総研 -サステナブルマテリアル研究部門:木質材料組織制御研究グループ
木質材料の有効利用に関する研究
金属やプラスチックなどでは微細構造とマクロな物性との関連が詳細に検討されていますが、木材においては検討が十分とは言えない状況です。右図のヒノキの弾性率(ヤング率)の測定例に示すように、含水率変化や温度変化によってヤング率は顕著に減少し、その後の時間経過とともに増加します。一般的な非平衡状態ですが、木材分野での認知度は低いのが現状です。この現象に関して、 X線回折、DSC、動的粘弾性などによって多角的に微細構造変化の観点からの検討を進めています。それらの結果を踏まえて、微細構造の安定化、さらに含浸や吸着による改質にも取り組み、材料物性が制御された「工業材料」として木質材料が利用可能となることを目指しています。
図 飽水ヒノキ材の20℃における相対曲げヤング率
(注)図中の数字は、ヒノキ材の水による膨潤率を示す
木質材料の変形加工法の開発
木質材料の新規な加工方法として、世界で初めて、バルク(塊り)状態からの大変形3次元成形加工を可能にしました。これは、適切な微細構造制御ならびに加工条件制御によって、細胞と細胞との境界層を選択的に破壊(はく離)させるとともに、個々の細胞は破壊することなく軟化を生じさせることにより、細胞相互の位置関係の変化を易化させるものです。また、はく離して移動した細胞は、所要形状への変形後に再結合させることも出来ます。従って、材料全体としては大変形が可能となり、右図に示すような各種の成形が実現しています。特に、異種材料の成形と接合の同時加工(写真では松、竹、梅を例示)、断面積の拡大など、従来の技術では出来なかった加工を可能としています。
図 バルク状態の木材の変形加工例