台風のときに喘息が悪化する方は多いと思います。
台風のときの喘息の悪化は、低気圧のときには、自律神経のうち副交感神経が活発になり、症状が起こりやすいと説明されています。鼻炎でも、副交感神経により、鼻汁分泌、鼻粘膜の血管拡張による粘膜肥厚が起きますから、台風で鼻炎症状が悪化しても不思議はないはずです。
しかし、実際アレルギー性鼻炎の症状が悪化する方もいらっしゃるようですが、鼻炎の悪化ぐらいで台風の中、耳鼻科を受診される方はいませんので、どれぐらいの方に鼻炎の悪化が見られるか、詳しいことはわかりません。
花粉症は、天気のよい日の方が花粉がたくさん飛ぶし、外出して症状が悪化する方が多いのですが、まれに雨の日に症状が強くなく方がいらっしゃいます。これも、同じ理由なのでしょうか。
鼻アレルギー症状は、モーニングアタックと言って、朝強く出る方が多いのですが、これも副交感神経の働きが、朝に亢進していることで説明されています。
炎症は、いろいろな要因に影響を受けますので、単純に交感神経対副交感神経で説明できるわけではないのですが、自律神経が鼻の炎症にも大きな影響を持っていることは確かです。
ただし、好酸球性副鼻腔炎で問題になる、鼻茸の大きさ、粘性の分泌物への自律神経への影響についての報告、資料は見られません。好酸球性副鼻腔炎で問題になる嗅覚障害や鼻づまりは、そのような急性の鼻炎症状というよりも、究極のリモデリングである鼻茸が主な原因になっているからでしょう。喘息の発作と同時に起きる鼻炎様症状があったとしても、喘息の症状の方が重要なので、あまり注目されません。しかし、好酸球性副鼻腔炎の病態をもっと知るためには、今後そのような症状についても、調べる必要があります。
今まで誤解していたことや初めて知ることが多く、勉強になります。
以前は、熱帯低気圧や台風が発生するたびに、鼻ポリープが
巨大化していましたが、今年は体調が安定しているせいか
あまり悪化していません。
「血管拡張による粘膜肥厚」というお話は「なるほど!」と
思いながら読みました。
私の鼻ポリープは、気圧以外にもアスピリン喘息発作を起こす
食べ物を食べた時に巨大化するのですが、もう1つ悪化原因があります。
パソコンに向かった時です。
とくに黄砂で鼻ポリープが悪化しやすくなっている時期に、パソコンに
向かうとあっという間に鼻ポリープが巨大化してしまいます。
自律神経と関係があるのでしょうか?変な質問ですみませんが
よろしくお願いします。
ただ、今日の記事にも書いたように、何か誘因があっても、鼻茸が直後に大きくなるというのは、説明がつきにくいのです。もし鼻づまりの原因が、鼻茸が急に大きくなったのではなく、鼻粘膜の腫脹でれば、まだ分かるのですが。
鼻粘膜は、動いているときより同じ姿勢をとっているとき、緊張しているときよりリラックスしているとき、立っているときより座っているときの方が、腫れます。もともと鼻が狭い方であれば、少し腫れただけでも、ひどく詰まるかも知れません。
もっとも、寝ているときが一番腫れますから、それよりパソコンに向かったときが詰まるとなると、他に理由がありますね。パソコンがめまいの誘因になることはよくありますし、長時間パソコンの画面を見ていると、アレルギー性鼻炎の症状が悪化するという方は知っています。
黄砂で起こる鼻づまりの時は、鼻の中を鏡で覗くと鼻たけが巨大化していますが
パソコンの時は、あまりよくみていなかったです。もしかしたら、鼻粘膜の腫脹かも
しれません。黄砂の時とパソコンの時の鼻の様子をよくチェックしてみようと思います。
黄砂が飛んでいれば、どんな時でも鼻たけは巨大化しますが、黄砂が飛んでいない
時は、座っている時に鼻づまりを起こします。もしかしたら、パソコンが
原因というよりも、座っていること、同じ姿勢をとっていることが原因なのかも
しれないと感じました。
寝ている時も腫れていると思いますが、もう慣れてしまって気にせずに
眠っているので分かりません。鼻がつまっていても喘息が出なければ、眠れるようになりました。
先生のお話で、今までと違った目線で鼻を観察できそうです。ありがとうございました。