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Hancock and 24: resembling with Obama

Hancock(2008)を見ていてWill Smith(Williard Christopher SmithⅡ)(1968-)とBarack Obama(Barack Hussein Obama, Jr.)(1961-)がすごく似ていると思った。で調べると、アメリカ人もそう思っているようで2007年頃からそのことを指摘するサイトがでている。2008年2月頃にはObamaがもし自分の自伝映画を撮るときはSmithに自分役をやってほしいと語って話題になっていた。Smith自身もObamaの熱心な支持者で、Obamaが頼むなら副大統領をやってもいいよなんてinterviewで語っている。そう思ってHancockを見ると、黒人の超人ヒーロー映画であるという画期性に気がつく。だとするとこれは大統領選をかなり意識した映画ではないか。

同じ様な大統領選との関係について後述する24のシリーズ出演のDennis Haysbert(David Palmer)やD.B.Woodside(Wayne Palmer)についても指摘がでている。まずHancockからみてゆこう。

Hancockではこのほか囚人の社会更生だとか、離れていた方が力が発揮できるペアだとか、複数のおもしろいアイディアもみられる。

大統領選挙との関係でいえば、オバマがHancockだというのは秀才のオバマに失礼だけれど、この映画はオバマは力があるけれど、白人の助けが必要だと控え目に白人に協力を求めているサインのようにみえる。ただし映画の中でHancockを手助けするのはJason Batemanが演じる白人経営コンサルタントRay Embreyだ。でこの人の商売はいかがわしい。要するに社会貢献マークの売り込みだ。無からカネを生み出すわけだが、でも環境にかかわるマークというのはそれを普及させている人の商売の面はある。それをからかっているのだが。

お話は進んでやがてRay Embreyの奥さんのMary(Charlie Theron)が実は・・・というお話になる。MaryとHancokは一人ずつだとimmortalな存在だけど、二人が一緒だとmortalなの存在になる。でMaryとHancockは離れた方が互いにその力を発揮できる。この部分は、Hillary ClintonとObamaをついつい重ねて見てしまった。うんなるほど、だからObamaはHillaryを副大統領にしなかったのだと。

この映画の公開は2008年6月中旬のパリ、ベルリンなどでのプレミアショーがはやかったが、アメリカでは7月上旬から日本では8月上旬の公開だった。政治日程を重ねるとオバマがヨーロッパや中東を歴訪したのは7月中旬。またオバマがヒラリー・クリントンではなく、ジョー・バイデン(Joe Biden 上院の古参議員で外交関係委員会委員長)を副大統領候補に指名したのは8月中旬である。

Hancockはしかし映画のノリとしては軽い。そこでむしろテレビドラマとして驚異的な人気を誇る24のシリーズ(since Nov.2001)に登場したアフリカ系アメリカ人大統領のDavid Palmer(演じたのはDennis Haysbert)やWayne Palmer(D.B.Woodside)の影響の大きさを指摘する声がある(Wayne Palmer大統領の姿を描く24のシリーズⅥ その最初の放映は2007年前半)。二人のPalmer大統領は知的で決断力に富む大統領というイメージであり民主党とみなされる(Wayneは優柔不断とも見えるが最後の決断は正しい人物として描かれる)。Obamaがアメリカで大統領として受け入れられた理由としてこのPalmer effectが影響したとの指摘がある。

他方、24のシリーズでDavid Palmer元大統領が暗殺されたあとに登場する、大統領Charles Logan(演じたのはGregory Itzin)は共和党とみなされるが、Loganは自らの利益のために国民を裏切り裏でテロリストと組んでいる人物として描かれる(24のシリーズⅤ 最初の放映は2006年前半)。その風貌はRichard Nixon(1913-1994 37th President 1969-1974)を模しており、人名はRonald W.Reagan(1911-2004 40th President 1981-1989)を模しているようにみえる。共和党は悪役であるわけだ。24のシリーズは現実の政治過程と密接につながっているように見える。このドラマが極めて刺激的とされる理由である。

Written by Hiroshi Fukumitsu. You may not copy, reproduce or post without obtaining the prior consent of the author.
originally appeared in Dec.26, 2008(2016-06-02更新)

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