Entrance for Studies in Finance

偏差値 そしてGPA

偏差値
偏差値は
 50 + {(その学生の点ー受けた試験の平均点)/(その試験の標準偏差)}×10
で求められる。左側の50という数値は50という値を基準にするという意味。
つまり偏差値50の学生は平均と等しい点を取った学生という意味にするため
置かれた値である。
標準偏差は分散の平方根
 分散は 平均値からのバラつきを示す値
 {(個々の学生の点ー平均値)の2乗の合計値}/試験を受けた学生数
 ここで偏差は 個々の学生の点ー平均値 である
 標準偏差の説明はまず分散の説明がむつかしいので省略するのが定番のようだ。
 分散
標準偏差

この計算方法では該当学生が1標準偏差分平均より上にあれば
偏差値60になる(正規分布として上側確率は15.87%)。2標準偏差上なら偏差値70である(同2.28%)。
つまり偏差値60(1標準偏差)なら、それより上の成績の学生は16%ほど。下の学生が84%。
偏差値70(2標準偏差)なら、それより上の学生は2.3%ほど。下の学生が97.7%。

この考え方を利用して標準偏差で1.5上のところ。偏差値で65以上のところを5段階評価の5(最上位).
これは比率としては7%.
偏差値で55から65のところを4.(24%)
45から65のところを3.(38%)
35から45のところを2.(24%)
35未満を1.(7%)
これがいわゆる絶対評価。点数で並ばせて7%, 24%, 38%, 24%, 7%と切ればいいわけだ。
しかし実際は分布に偏りはつきもの。絶対評価には実際の分布を無視したきわどいものを感じる。

偏差値 上方確率
55   0.309 30.9%
56   0.274 27.4%
57   0.242 24.2%
58   0.212 21.2%
59   0.184 18.4%
60   0.159 15.9%

全員にA評価を乱発する教師は、単に成績付けの労力を惜しんでいるだけに見えるが
実際の成績分布を無視して、比率を固定して成績を付けること(絶対評価法)もやはりおかしい。
世間的評判はよくないが教員の立場からは相対評価法(成績ランクごとの比率や員数を固定しない評価方法)が
成績の付け方としては正しいように思える。

しかし比率で成績をつけると、成績が比率で意味するところは明確になる。たとえば上位7%に属する成績。
その意味は変化しないことになる。

偏差値の計算方法は投資信託の運用効率を見るときに使われるシャープレシオの計算方法と似ている。
シャープレシオは そのファンドの超過リターン を 年率リスク で割って求める。
この年率リスクには 
その超過リターンの値の標準偏差(平均値からのバラつきの大きさ)を用いる。

GPA grade point average
ところで米国にならってわが国でもGPA導入すべきだという議論がある。
この方法では履修科目ごとに100点満点で素点をまず出して
100点満点で59以下を不合格にする。
合格の段階は10点刻みで4段階に分けるという。

合格段階の表記はABCDの4段階で合格レベルを評価するのが米国流(すなわちA-B-C-D)。
他方、日本ではDは不合格の意味がなぜか強いで合格表記に使わなかった。最上位には
AA, A+, S等の記号がつかわれることが多い(合格4段階表記はAA-A-B-C, S-A-B-Cなど)。

すなわち同じことを点で説明すると合格は上位から4段階で
90点以上100点までをA+ or AA or S, A(以下縦に読む 最初の行はA+ A B C Dなど)
80点から89点をA, A, B
70点から79点をB, B, C
60点から69点をC, C, D
59点以下の不合格はD or F, Fであらわすというもの。

以上の作業を行った上で合格から不合格までの格gradeごとにポイント4-3-2-1-0を
付与する。
GPAを求めるにはこのポイント(合格4段階の上から4-3-2-1 不合格は0)を単位で加重して
(それぞれの履修単位数と掛け合わせて)加算。つぎにそれを取得(履修)単位数で割る。
GPAで3なら平均でA評価ということになる。
そこからGPA4ならオールA(全科目A評価)を意味するされる。

GPAの利用方法として、具体的には、
大学入学基準を高校成績GPA3以上とすること。
大学学部卒業基準を大学学部成績GPA2以上とすること。
大学院の入学基準に大学学部GPA3以上を求めること(筆記試験を免除すること)。
大学院での継続在籍の条件を大学院入学後GPA3以上を維持すること。
などが考えられる。

ところで
最近、各グレードを一定数あるいは一定比率だすことを求める大学があると聞いた。
これは全員Aとか全員Bとかいい加減な成績評価を出す教員を規制するには意味があるだろう。
しかし、成績分布は毎年ブレがある(分布にゆがみがある)ので、グレードごと一定数あるいは
一定比率、対象者を出せというのは、かなり方法論が歪んでいる。まだ稼得点での評価の方が
よいだろう。

originally appeared in May 18, 2012
corrected and reposted in May 27, 2012

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