えふみっくす+

「自分の日常=他人の非日常」
日常で感じた色んなことを発信していきます!

高知1ヶ月滞在記~②ものづくりを仕事にする

2016年11月05日 19時51分48秒 | MEMO)創作

【本日の福野郎 No.99】(遅刻)


前回の記事では高知県に1ヶ月滞在することになった経緯と、滞在した本山町の(道民目線での)感想を書きました
今回はその滞在理由「インターンシップ」の内容と、1ヶ月やってみての感想を、ざっくりと。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

今回お世話になったのは、大自然に囲まれた、見た目小さな会社です。
ですが大きな未来を見据えてチャレンジを続けている会社でした。

こちらの会社では間伐材を利用したコースターやストラップなどの木工品の製造、販売を主な業務としていました。

間伐材とは…
間伐、つまり間引きによって生まれた材です。
植林後木が大きくなると、隣同士で枝や葉が重なり合い(林が混みあう)、
十分な日光を得られないなど、お互いに成長を阻害してしまいます。
それではヒョロヒョロの木しか育たず、風雪に弱い・土砂災害等が起きやすい・水源涵養機能を失った森林になってしまいます。
(水源涵養機能…雨水を土に貯蓄し洪水を緩和する。雨水が土壌を通過する過程で水質も浄化する)
森林の適正管理のため、一部の木々を伐採することで、残りの木々がしっかり成長できる環境を整える・・・この作業が間伐です。

間伐を行うためには労働力、費用がもちろん必要です。
しかし労働力不足・木材価格の低迷により、間伐が適切に行われていないのが現状です。
さらに驚きなのは、日本の木材自給率は約30%。
未だ多くを世界の遠方から輸入しており、その輸送の過程でたくさんのCO2を排出しています。
木々は間伐を必要とするほど溢れているのにです。
間伐材を使わない・売れない状況⇒間伐が進まない⇒人が植林した森が放置され多くの問題を引き起こしている現状…。

そこで、この会社では、間伐材を積極的に使用。さらに商品として間伐材に価値を持たせることにより、
木材価格の底上げを図り、森林を適切に管理できる仕組みを
作ろうと奮闘していました。
社長は言います。
「資源を、長い目で計画性をもって管理できない者は、ものづくりをする資格はない」と。
とても心に響きましたし、これからも忘れずにいたいと思った言葉でした。

~~~~~~~~~~

私も1ヶ月、木材加工の業務を現場で体験させていただきました。
「デザインもやってみたい」とお話していたところ、
研修3日目で、特注のストラップの、デザインから製作までを担当させていただけることになりました!(驚)
業務の中で製作の流れや機械の使い方などを学びつつ、それを生かして前半2週間で特注ストラップのお仕事も進めていきました。
最終的にクライアントの方からOKが出て、商品として300個を製作・納品できた時は、ほっとしました。

後半2週間。
自分でコンセプトを決め、デザインしたものを作ってみたいと思い、通常業務の合間に挑戦していました。
今回はその時作ったストラップの製作の流れをご紹介しようと思います。
(大まかな流れは、冒頭の「本日の福野郎」もご参照いただければと思います)


①コンセプトを決め、紙にひたすら案出し
・素材は?用途は?ターゲット層は?…商品を作る上での軸を決める。
・パッと浮かんだものでもとにかく書き出す。搾り出す。
・ここは人に見られたくない過程(自信のないものが紙の上にたくさん生まれる)

…個人的に、案出しは「下手な鉄砲も数打ちゃ当たる」と思ってやっています(笑)
短大のデザインゼミでの課題で、先生に「1つの作品を作るのに8つは案を出すこと」を徹底されていました。
私はデザインのセンスはないけれど、ないからこそこのやり方はすごく合っているんです。
1つ目に気に入った案が浮かんだとしても、ぐっとこらえてさらに案を搾り出してみると、
後々搾り出した案の方が断然良かったり、最終的に1つ目の案になったとしても「やっぱりこれが一番なんだ」と自信が持てます。
ので、今回も寝る前に毎日搾り出して紙を埋めていました。




②決まった案をデータ化する。
木材の切り出す箇所やサイズ、印字箇所・その濃さなどを、加工機に指示が出来るようにデータ化します。
写真内の画面では赤や緑がカットする部分。モノクロの部分がカットせず印字をする部分です。
私がこないだ苦戦していたillustratorと同じく、ドロー系(⇔ペイント系)のデザインソフトを使用しています。
マウスを動かした通りにピャッと線が引けるペイント系ではなく、点と点を線でつないで図形を作っていく(?)ドロー系です。
=ヒーヒーいいながら格闘していました。小さなデータを完成させるのに数時間かかったっけなあ…(´-`)
ただ素晴らしいのは、ドロー系は拡大しても粗がでず綺麗なまま!サイズ変更が容易なのです!
とにかく寝る前の時間と土曜日はPCと向き合っていました。




③データを元にレーザー加工機で加工→試行錯誤
レーザーの熱で木を切断したり、印字をすることができるのです!
パーツが少なければあっという間に出来ます。データどおり、正確に!
写真は一番最初の試作品。②のデータと違いますが(②はかなり完成に近づいた頃のもの)
これは「自然界が生み出したデザイン」というのをコンセプトに、その形がすでに美しい蜂の巣、レンコンとオレンジの断面をチョイス。
れんこんはこれで一発合格だったのですが、蜂の巣やオレンジはまだまだ改善すべき余地があるな、ということで、
ここからまた案を修正し、試行錯誤タイムです。
第三者に見てもらい、アドバイスをいただくことも大切に。
自分の好みや主観的な目でばかり見るのではなく、客観的な視点を取り入れる事で、人に受け入れられるモノに一歩近づけるのかも!




④研磨など、仕上げを経て、完成!
…正確に言うとこれはまだ完成ではありません(笑)
ストラップ紐が仮のものなので、合う紐をこれから探していく作業がありますが…
先ほど③で写真に登場した蜂の巣やオレンジも、大分良くなったかと思います!何案も試しては修正して生まれました。

木材をいじったのは中学校の技術の授業ぶりかもしれません。
作ってみて、やはり木にはぬくもりがあるなあと感じました。
木材は紫外線を吸収するため目に優しく、木の香りは気分を安らかにし、暖かな色合いや木目にぬくもりを感じます。
個人的に、とても好きな素材だし、これからも木材でのものづくりに挑戦してみたいな、と思いました。

そしてなんと、それは早速現実になりそうなのです!
最終日、出来たこの作品達を社長に見せたところ、「デザインのセンスはいいと思うし、売ってみたら?」と言っていただけた上、
「もし売るなら、ウチで製作してあげるよ」と提案してくださったのです!!
まずはハンドメイドのオンラインショップで数量限定で販売してみて、好評であれば増産…というカタチになりそうです。
今、その販売に向けて動き出しているところです^^!!
まずはこの作品達が売れるよう努力して、いつかまた新しい商品を、森にも人にも優しい間伐材で作りたいな!と思っています。
販売が決定しましたら、また皆様にお知らせしたいと思います。

~~~~~~~~~~

あーー研修の事、1つの記事でまとめようと思っていたけど、やっぱり無理だった…!
社長にはものづくり以外にも、自分の夢を叶えるために大切な事を教えていただきました。
それはまたの機会に、是非皆さんにもご紹介したいと思います。
私はそれを教えていただいて、自分が少しずつ変わってきているのを感じているからです。





研修は終わりましたが、まだまだこれからがスタートです!
その背中を押してくださった、研修先の皆様、社長には本当に感謝です。

長い記事をここまで読んでいただきありがとうございます。次回も是非!
でゃ!





一歩踏み出して、このインターンシップに参加して、本当に良かった!

最新の画像もっと見る

コメントを投稿