久々にオーストラリアの寅さん(2005年3月のブログ参照)から電話があった。「明日ハノイに行くからよろしく」と言う。寅さんとその彼女(ぼくもホーチミンでかなりお世話になったベトナム人女性)は4月末から5月にかけて休暇を3週間とるそうで、ハノイ、サパ、中国へも行くという。
こっちは奥さんが風邪をひいたりして大変だと話すと、「それなら他の女の子を奥さんにすればいいんじゃない?」と軽い調子でアドバイスしてくれた。寅さんと話していると、ホーチミンでの生活を思い出した。ホーチミンは毎日がお祭り騒ぎという雰囲気がある。先のような冗談を言われても、「あはは、そうだね」と納得してしまうのだ。
実は、寅さんにも暗い部分がある。ホーチミンに住んでいた頃、一緒に夕食を食べ、酔っ払いながら帰り道を歩いていると、「もうやることが無い。時間ばかりあって、何をすればいいかわからない。ただ死ぬのを待つだけだ」と虚無的な笑顔でつぶやくのを何度か聞いた。
でもそんなマイナス思考もホーチミンの強い陽射しと、先のことは考えない楽天的な人たちの中では、「まっいっか」という感じで吹き飛んでしまう気がする。一年中天気がよく、ビールも旨い、よって人生に問題なし、という感じで全てが解決されるのだ。
ハノイの街はホーチミンに比べなんとなく真面目な雰囲気が漂っているように思う。寅さんはハノイにどんな感想を持つだろうか?
写真:ハノイの街角でよく吸われている大型のキセル