クラシック 名盤探訪

クラシックの名盤紹介・おすすめ散策コース等、趣味の発信の場です。

とっておきの名盤 その37 ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品61

2006年09月19日 | とっておきの名盤「協奏曲」
この一枚は、キョン=ファが結婚、出産という女性にとって人生の一大事を経た直後の1989年、アムステルダムで行った演奏会のライヴ録音である。
それだけにこの曲に対する意気込みは凄く、出だしのアインガングからして精神的に高められた真摯な弾きぶりで、聴くものも身が引き締まる思いで一杯になる。
有名な第ニ主題の歌わせ方も魂のこもったもので、その魅力的なメロディーをぐっと引き立たせ、聴くものの心を一層なごやかな気持ちにさせる。
このような状態がこの楽章の最後まで続くのだから、彼女の復帰にかける思いは相当なものだったのだろう。
とっておきの名盤といって良い、聴くものの胸を打つ演奏の一枚である。
テンシュテットの雄渾な伴奏も、キョン=ファの目指すベクトルにあった表現となっていて素晴らしい相乗効果を醸し出している。
この曲のベストファイヴは、
・チョン・キョン=ファ、クラウス・テンシュテット指揮、ロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団 <EMI>
・ローラ・ボベスコ、エドガール・ドヌー指揮、ベルギー国立放送新交響楽団 <PHILIPS>
・アイザック・スターン、レナード・バーンステイン指揮、ニューヨークフィルハーモニー管弦楽団 <CBS>
・ヘンリック・シェリング、シュミット=イッセルシュテット指揮、ロンドン交響楽団 <PHILIPS>
・ダヴィット・オイストラフ、アンドレ・クリュイタンス指揮、フランス国立放送局管弦楽団 <EMI>
ボベスコ盤は愛聴盤という観点から私自身の思い入れが強い一枚であり、これも是非聴いて欲しい。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿