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「成功者」は「親学」と親和性が高いらしいが(Feb 10, 2013)

2013-02-10 21:01:50 | おかしな人たち
何か知らんが、伊吹 文明(Bunmei IBUKI)衆議院議長が「体罰を全く否定して教育なんかはできない」なんて述べてた模様。
・伊吹氏「体罰、全否定できず」 政治塾で答える(2013年2月10日 47news.jp;共同)

石原 慎太郎東京都前都知事的には、「俺の専売特許を使うな」という気がしないでもないこの発言。
以下、2013年2月10日分 47news.jp『伊吹氏~』を全文(略

---- 以下引用 ----
伊吹 文明衆院議長は9日、自民党岐阜県連主催の政治塾で、スポーツ指導や教育現場の体罰に関し「体罰を全く否定して教育なんかはできない。この頃は少しそんなことをやると、父親、母親が学校に怒鳴り込んでくるというが、父母がどの程度の愛情を子に持っているのか」と述べた。
出席者の質問に答えた。

伊吹氏は「何のために体罰を加えるのかという原点がしっかりしていない。立派な人になってほしいという愛情をもって体罰を加えているのか、判然としない人が多い」と指摘した。
---- 引用以上 ----

伊吹氏の発言はこれだけじゃなかった模様。
・伊吹衆院議長 岐阜市で講演(2013年2月9日 YOMIURI ONLINE)

講演の中で伊吹氏は、体罰を肯定する理由として自分の経験を持ち出していた。
以下、2013年2月9日分 YOMIURI ONLINE『伊吹衆院議長~』からその部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
文部科学相を歴任した伊吹氏は、体罰の是非について問われると、「戦争直後の教育を受けたので、私もだいぶ殴られた。しかし、嫌な思いは残っていない」と自身の経験を明かした後、「体罰を全く否定しては教育はできないと思う。(教える側も)人間性を磨くことが必要であり、古典を読んで歴史を学び、見識を広げてほしい」と語りかけていた。
(以下略)
---- 引用以上 ----

自分が良かったと思うから体罰はやっても構わないって・・・。
どんだけ伊吹氏は、自分の経験が大事なんだか(呆)。

だいたい、「何のために体罰を加えるのかという原点がしっかりしていない」って何?
喰らった側にしてみたら、制裁とか報復という側面が強いのは否めないんじゃね?
たとえ、教員が生徒に対し体罰を加えるだけの理由があったとしても・・・。
(ちなみに、俺は中学の保健体育の授業で教員の話を聞かずに参考資料を流し読みしてたら、教員に黒板に叩きつけられた経験がある。理由がどうあれ、俺がその教員に恨みを抱いたのは言うまでもない)

だが、体罰に関して伊吹氏が裸足で逃げ出すトンデモ発言を 星野 仙一(Sen-ichi HOSHINO)氏が行っていた。
・星野監督が「体罰問題」を語る(2013年2月9日 tokyo-sports.co.jp)

この中で星野氏は、柔道界で発覚した暴力事件に絡めてスポーツにおける体罰について妙なことを語っていた。
以下、2013年2月9日分 tokyo-sports.co.jp『星野監督が~』から中盤部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
では、この問題をどう考えているのか――。
「柔道界のこともよくわからんし、これはオレの考えだよ」と前置きした上で次のように続けた。

「『体罰だ! いじめだ!』と言うけど、選手なんかは指導者から言われるうちが花やないか。それだけ親身になってくれているということ。このままじゃ指導者はどんどん“事なかれ主義”になっていくぞ。何かあっても『私は関係ありませ~ん』だよ。ただ、死んだら(選手が自殺を選ぶほど体罰をしたら、その指導者は)負けよ。それはアカン!」

選手を自殺に追い込むほどの体罰は絶対に起こしてはならない。
だがその半面、今回の騒動で指導する側の肩身が狭くなっていくことが予想されるため、問題が起きた場合でもそっぽを向く無責任な指導者が今後増えていくことを懸念しているという。
(以下略)
---- 引用以上 ----

指導者に対して、選手が死なない程度(ケガするのはアリ?)なら体罰をしても良いとけしかけたか・・・。
なんというチキンレース(違)。
つか、死なない程度の体罰って正直ハード過ぎるとしか思えないんだけど。
これじゃ、単に「体罰したい」って言ってるも同然じゃね?

しかし、星野氏は、この後学校におけるいじめが原因とみられる自殺に関して意味不明発言をカマしていた。
以下、2013年2月9日分 tokyo-sports.co.jp『星野監督が~』から終盤部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
いじめによる自殺問題では、いじめに気づかなかった学校側の責任が問われる事例が多い。
この点についても星野監督は首をかしげる。

すべては幼児教育なんだよ。親が、ちゃんと教育せい! 学校にいるより、家にいる時間の方が長いんだよ? いじめない子供に育てるのもそうだけど、いじめられている側の親が子供の異変に気づかないのも問題。(親子の会話があれば)自殺は食い止められるんじゃないかな」

 仮にプロ野球選手になっていなかったら「教師の道を選んでいた」とも語る星野監督。
これが「闘将の教育理論」だ。
---- 引用以上 ----

色んな意味で悪名高い「親学」かよ(呆)
星野氏の発言は、学校におけるいじめとそれに絡んだ自殺について学校側の責任放棄を認めるようなもんだわな。

そもそも、「親学」ってのは、「成功者」とされる方々と親和性が高いという意見があったりする。
・親学のムック(2012年12月25日 新小児科医のつぶやき)

上の記事では、「親学」の辿ってきた経緯について解説を加えた上で、「親学」の立役者である高橋 史朗氏や澤口 俊之氏に片岡 直樹氏達の「活躍」について触れていた。
そして、「親学」が持つ意味について厳しい指摘をしていた。
以下、2012年12月25日分 新小児科医のつぶやき『親学の~』からその部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
■現時点の感想

親学的な思想は戦前郷愁論者から出てきたとして良さそうです。
ごく単純には「今どきの若い者は」式ないし「昔は良かった」式の思考法です。
「今どきの若い者は」式は古代エジプトの記録にもあると言われるぐらい「伝統」のある思考法ですから、私でさえ時に出かけるのは白状しておきます。
「今どきの若い者は」式も「昔は良かった」式も高齢者同士の愚痴程度であれば伝統芸能みたいなものですから許容範囲となります。

しかしこれが政治権力を有する者が使えばタダの愚痴では済まなくなります。
「今どきの若い者は」式ないし「昔は良かった」式の最大の欠点は、過去を異常に美化している点です。
極論すれば嫌な事、間違っている事、辛い事をすべからく忘れるか、セピア色の思い出として「楽しかった」「良かった」にしてしまってます。
そういう風に過去の思い出を美化するのは人間の精神防衛の働きによるとする説が大昔から定着しています。

だから愚痴のうちは良いですが、政治権力を持つ者が強行すれば発想として、

昔式に戻せば過去の思い出の中の美点が鮮やかに甦る

ここでもう一つ注意ですが、そういう権力者は結果的にある種の人生の成功者です。
成功者は「人生経験 = 成功体験」になっているわけであり、当然ですが美化された過去は黄金色の時代であると言う事です。
昔式に戻せば、過去の自分の美化された記憶の成功例だけが再現されると疑いもなく信じ込まれている事になります。
そんな黄金時代が日本の歴史上になかったと説明しても無駄かもしれません。

親学推進派はそういう権力者のノスタルジアへの迎合者ぐらいに理解すれば、少し話が見えてきそうな気がします。
いや当人自体が過去の美化された記憶に陶酔されているのかもしれません。
ただ政治的にストレートに進んでいないのは、やはり「世の中にそんな旨い話はない」のリアリストが少なからず存在しているからだと考えています。
だから適当にブレーキがかかるです。

そういうブレーキがかかった時代に取り入れたのが脳科学による理論武装ではなかったかです。
つまり単なるノスタルジアではなく、高橋氏が幾度も強調されていた「最新の科学的知見に基づき云々」です。
ノスタルジアには現代科学の裏付けがあるぐらいの展開です。
しかし高橋氏はあくまでも教育畑の人間であり、発達障害についての知識は非常に薄かったとしても良さそうです。
澤口氏や片岡氏の主張を検証する能力も知識もありませんから、発達障害は「教育 = 親学」で治るの主張になったです。

こういう主張は単純で受け入れられやすく、また権力者のノスタルジアにも相性が非常に良いです。
そういう内輪の盛り上がりが一つのピークに達したのが大阪維新の会の教育条例騒動です。
(以下略)
---- 引用以上 ----

・・・ある意味「成功者」である星野氏が、「親学」と同じ方向性を示したのは自然の流れだった?
星野氏がどこまで「親学」のことを知ってるかどうか知らんが、結果として星野氏の「教育論」は「親学」を支援するブツだったと言わざるを得ない。
当然、これは伊吹氏の発言にも当てはまることなんだけどね。
というか、「成功者」にとっての「成功」ってなんだろうね(溜息)。


それはそうと。
明日、群馬県高崎市で高橋氏が「親学」に関する講演を行うらしい。
・建国記念の日に高橋教授「親学」講演 群馬(2013年2月7日 MSN産経ニュース)

参考までに、2013年2月7日分 MSN産経ニュース『建国記念の日に~』を全文(略

---- 以下引用 ----
11日午後1時半から、高崎市総合福祉センター「たまごホール」(同市末広町)で「建国記念の日」の奉祝大会が開かれ、式典に引き続き、明星大学の高橋 史朗教授による記念講演が行われる。
県神社庁や日本会議県本部などでつくる実行委員会が主催。
「日本人の心の荒廃と国力の低下が指摘されるいまこそ、神武天皇の建国に思いをはせ、次代を築く大きな力としたい」と広く参加を呼びかけている。

 講演会は、行き過ぎたジェンダーフリー(男女の性差否定)などを批判してきた高橋教授が、「いまなぜ、『親学』『親守詩(おやもりうた)』なのか」と題して、親がなすべき役割などを考える「親学」について語る。
当日は会費1000円。
問い合わせは事務局(電)027・326・2274。
---- 引用以上 ----

「親学」をどういう人達が望んでるのか良くわかる告知、というオチ。


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