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『絶望社会実現会議』を支援するANY連合

2009-06-16 20:01:07 | おかしな人たち
なんか知らないけど、『安心社会実現会議』なる政府主催会合の最終報告が公表されたとか・・・。
・雇用軸に“5つの安心” 実現会議報告書 消費増税『議論を』(2009年6月16日 TOKYO WEB)

この会合は、今年の4月13日から昨日まで計5回行われたもの。
会合では、今後の日本社会が目指す方向なるものを論議したらしいが・・・。
以下、2009年6月16日分 TOKYO Web の記事からこの報告書の性質について述べてる部分を引用しておく。

---- 以下引用 ----
 有識者が国の将来像を提言する政府の「安心社会実現会議」が十五日、報告書をまとめ、麻生太郎首相に提出した。
雇用を軸に「五つの安心」の保障を掲げ、消費税率増を含む財源確保の方策を「堂々と議論すべきだ」と明記した。

 首相は、こうした考えを政府の経済財政運営の指針「骨太の方針2009」に盛り込むとともに、自民党の次期衆院選マニフェストにも反映する方針だ。
(以下略)
---- 引用以上 ----

政府主催会合の結果を政府の経済財政運営方針や自民党のマニフェストに盛り込むことは、表面上理に叶ってると言える。
報告の内容が良いか悪いかは別次元の問題だが。

ついでに、この会合に参加した人達の人選が良いか悪いかも・・・。


つーのも、この会合に参加した委員には、こうした会合に出席することが適切でないと思われる人もいた。
↓から、委員の名簿部分を引用しておく。
・安心社会実現会議(首相官邸)

---- 以下引用 ----
伊藤 元重:東京大学大学院経済学研究科教授
小島 順彦:三菱商事代表取締役社長
木 剛:日本労働組合総連合会会長
但木 敬一:弁護士
張 富士夫:トヨタ自動車代表取締役会長

(座長)成田 豊:電通最高顧問
日枝 久:フジテレビジョン代表取締役会長
増田 寛也:野村総合研究所顧問
宮本 太郎:北海道大学大学院法学研究科教授
武藤 敏郎:大和総研理事長
矢 義雄:独立行政法人国立病院機構理事長
山内 昌之:東京大学大学院総合文化研究科教授
山口 美智子:薬害肝炎全国原告団代表

(座長代理) 吉川 洋:東京大学大学院経済学研究科教授
渡辺 恒雄:読売新聞グループ本社代表取締役会長・主筆

---- 引用以上 ----

人選の時点で、この会議の方向性がある程度ネタバレしてるってのはともかく。

なんで、仮にも報道機関たるフジテレビの会長さんとナベツネ機関紙の会長がこの会合に参加しているのやら(怒笑)
どんだけ、政府との距離感を無くしてるんだって話だよ・・・。

とりわけ酷いのは、今日の社説でこの会合の「成果」を強調しているナベツネ機関紙。
・「安心会議」報告 提言を建設的議論の出発点に(6月16日付・読売社説)(2009年6月16日 YOMIURI ONLINE)

この社説では会合の報告書について長々と触れた後で、報告書の内容を実現するために必要なものについて述べている。
以下、2009年6月16日分 YOMIURI ONLINE『「安心会議」~』から、オチの5段落を引用しておく。

---- 以下引用 ----
(中略)
こうした緊急施策を恒久化し、さらに充実していくには確固とした財源が必要だ。

 報告書は、国の予算に「社会保障勘定」を作り、そこに消費税をすべて繰り入れて社会保障目的税化する方法を示した上で、「検討に値する」とした。

 問題は、実現させる政治の意思である。
この点については、与野党が党派を超えて議論と合意形成をすすめるための「円卓会議」の設置を提唱している。

 国会は4年前にも社会保障改革のための衆参合同会議を設置し、超党派による改革を試みたが、実りある議論にならなかった。
一致できる基本線がまったく整理されないまま、主張をぶつけ合ったからではないか。

 安心社会実現会議の提言は、政治に建設的議論を促し、国民的な合意を形成するための出発点となりうる。<>/SPAN
これをたたき台に議論を深めたい。
---- 引用以上 ----

「円卓会議」ね・・・。
自・公・民の3党で大連立を組んでも実現できそうだが(謎笑)。

つーか、それより酷いのは、ナベツネ機関紙の会長が参加した会合に対する YOMIURI ONLINE の自画自賛ぶりだ。
ここまでナベツネが加わっていた会合の内容をベタ褒めされると、逆に気持ちよくなってくるわ。


実の所、YOMIURI ONLINE と asahi.com と共に『ANY連合』を組んでいる NIKKEI NET も、今日の YOMIURI ONLINE の社説とほぼ同じ内容を書いてた・・・。
・社説2 国への信頼なしに安心なし(6/16)(2009年6月16日 NIKKEI NET)

また、asahi.com も2009年6月10日・6月14日付社説で、間接的に会合の報告を(増税や納税者番号を容認する形で)支持してるけど・・・。
・骨太の方針09―増税の必要を隠すのか(2009年6月10日 asahi.com;web魚拓)
・納税者番号―導入へ不安解消の議論を(2009年6月14日 asahi.com;web魚拓)

つーのも、問題の会合でまとめられた報告書で、社会保障番号(納税者番号の言い換え)の導入について触れているためだ。
・会議報告 「安心と活力の日本へ」 (2009年6月15日 首相官邸;.pdfファイル)

前置きとして、行政に対する国民からの(どこの国民だ?)不信感が強いことをあげている。
その上で、社会保障番号の導入を不信回復の1手段とみなしてもいる。
以下、報告書 P.8 から、社会保障番号について触れてるところを引用しておく。

---- 以下引用 ----
(中略)
政治と行政は、まず国民の不信に真正面から向き合い、国民の安心にかかわる現状と課題を率直かつ明確に語ると同時に、制度の透明性を高め、信頼回復に努めなければならない。
この点で、「安心保障番号/カード」(社会保障番号/カード)の導入が検討されてよい。
もとより、個人情報の流出などがないように、万全の措置が採られなければならないが、制度をめぐる信頼醸成のための効果は大きい。

(以下略)
---- 引用以上 ----

何じゃそりゃ(苦笑)。
・・・俺の予想としては、社会保障番号を導入した結果、逆に個人情報流出とかで制度への信頼が下がると踏んだが。


それはそうと。
『安心社会実現会議』の報告書を読んでると、「安心社会」なるものを日本で実現できる政策が無いと思えるんだよな。
むしろ、日本が「絶望社会」に陥りそうな政策が目白押しという罠。
増税・雇用制度・社会保障・・・。
どれをとっても、日本を「安心社会」にするより「絶望社会」にする気満々だ。

厄介なのは、この報告書の内容に関する検証がメディア側(や俺も含め日本に住んでる人達)でろくに行われていないことだ。
『ANY連合』に至っては、この報告書の内容に賛同を示してる始末だ。
これでは、一部の方々が蛇蝎の如く忌み嫌っている共産主義国家の某国(北緯38度線以北にほとんど領土がある)とさほど変わらない状態だ。

いや、ひょっとしたら、そんな某国より現在の日本はずっと悪い状態かもしれない。
なんせ、この状態を強制されずに自ら進んで作り上げているのだから・・・。


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