flagburner's blog(仮)

マイナーな話題を扱うことが多いかもしれません。

空母の維持コストだって馬鹿にならないだろうに

2011-11-21 20:06:19 | おかしな人たち
何か知らんが、「退役した米軍空母を買いたい」なんて 3K新聞の 笠原 健氏が述べていたらしい。
・病院船? いっそのこと退役米空母を購入しようぜ!!(2011年11月20日 MSN産経ニュース)

タイトルの時点で出オチな気がするこの論説。
しかし、内容は悪い意味で俺の想像をはるかに超える代物だった・・・。


この論説の序盤、笠原氏は 大規模災害時に負傷者らを収容する「災害時多目的船」の導入を日本政府が検討してることに触れていた。
・「災害時多目的船」の導入検討 行政、病院機能を沖合に(2011年10月25日 47news)

しかし、これについて笠原氏はそれなりの理由をつけて反対していた。
以下、2011年11月20日分 MSN産経ニュース『病院船?~』より冒頭部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
政府は10月21日に大規模災害時に負傷者らを収容する「災害時多目的船」の導入に向けた調査を行うために平成23年度第3次補正予算案に調査費3000万円を計上した。
病院船導入の構想はこれが初めてではなく、阪神大震災を受けて当時の与野党内などで導入を求める声が出たことがある。

 だが、わが国が病院船を導入してもあっという間に持て余してしまうことは間違いないだろう。
現在、病院船を保有しているのは世界の中でも米国、英国、中国など数カ国に限られる。
病院船の保有が効果的だというのならもっと多くの国が名を連ねていてもおかしくはないが、そうではないということが病院船の現実を如実に示している。

 世界各地に軍隊を展開している米国が病院船を保有しているのはそれなりに納得できる理由があるだろう。
しかし、集団的自衛権の行使はできないという珍妙な解釈を変えようともせず、国連平和維持活動(PKO)への参加にも及び腰なわが国の場合は米国とは全く事情が異なる。
病院船を導入したものの出動する機会がめったになく、その機能を十分に生かすことができないということになりかねない。
早い話が税金の無駄遣いというわけだ。
(以下略)
---- 引用以上 ----

笠原氏が述べている病院船ってのは、国際法上戦時中における攻撃対象になっていない船のことらしい。
この辺は以下参照(手抜き)
・World Wide Hospital Ships(globalsecurity.org)

globalsecurity.org の記事で説明されてる病院船は以下の5つ。

1. YH - Hospital Launches(普段は医療サービスを提供する小型の船っぺぇ)
2. AHL - Small Medical Support Ships(医療サービスを行う海軍の船、病院機能はない)
3. APH - Personnel Transport, Evacuation(緊急時避難に使う船、病院機能はない)
4. AH - Civilian Hospital Ships(民間の病院船、例:Mercy Ship)
5. AH - Hospital Ships(笠原氏の言う所の病院船)

確かに、笠原氏の言うように、病院船を導入しても予算の問題は解決しないとダメなんだよな。
それを考えると、ブラジルとかが導入してる YH にするのが妥当な気がする。
ただ、大規模な災害に対処できるかどうか不明だけど・・・。
(日本の場合離島も多いので、この手の船の導入はそれなりに意義があるとはいえ)


しかし、笠原氏はこの後、とんでもない方向に話を持っていった。

笠原氏は、仮に病院船を導入した後のことを(想像を相当広げて)話していた。
その上で、病院船を新規に導入するより(タイトルにも出てきた)退役した米軍空母を買う、という案を出してきた・・・。
以下、2011年11月20日分 MSN産経ニュース『病院船?~』よりその部分を(略
下に進む前に、周りに人がいないことを確認するのを忘れないように!

---- 引用以上 ----
(中略)
中途半端に病院船を新たに建造するよりもその予算をもっと有効なことに使った方がいい。
そこで提案したいのが退役した米空母の購入だ。軍事問題に関心のある人なら、退役米空母と聞いてピンと思い浮かぶのがキティホークではないだろうか。
退役した通常推進型の米空母はジョン・F・ケネディやコンステレーションなどもあるが、キティホークは神奈川県の横須賀を事実上の母港としていたことから、わが国になじみが深い。

全長約324メートル、最大全幅が約77メートルに及ぶキティホークが現役復帰した場合、その所属は当然、海上自衛隊だ。
軍艦(War Ship)なのだから、その所属が厚生労働省や国土交通省などであるわけがない。

 海上自衛隊が運用する艦船としてキティホークは、ややオーバースペックな印象があるが、現役復帰したキティホークには災害対応は勿論だが、わが国が戦後初めて保有する空母として国防という最も重要な役割が課されることになる。

 米国は東日本大震災に際して原子力空母、ロナルド・レーガンを派遣して被災地の救援活動に当たったが、わが国の近海を米空母が遊弋しているという事実が、被災地はもとより大震災と原発事故で言いようのない不安にかられていたわが国の国民にどれほどの安心感を与えたことだろうか。

 このように大型空母の戦略的心理効果は計り知れないものがあるが、こうした効果は病院船なんかでは絶対に出せるものではない。
それを認めようとしない、あるいは無視を決め込むというのがわが国の“進歩的文化人”と称する人たちだ。
(以下略)
---- 引用以上 ----

あのな、空母なんてきょうび流行んねーんだよ。
ボケが。
得意げな顔して何が、空母購入、だ。
お前は本当に空母が欲しいのかと問いたい。
問い詰めたい。
小1時間問い詰めたい。
お前、空母が欲しいて言いたいだけちゃうんかと。


・・・こんな文言が頭に浮かんだ俺(馬鹿)


つか、「わが国の近海を~」って文言は全くもって理解できないのだが。
これを馬鹿正直に「~安心感を与えた」なんて書ける笠原氏は、色んな意味でオメデたい人なんだろうな。
そもそも、先程引用した部分以降の論説で、笠原氏は空母の維持コストについて全く考えてないとしか思えないのだが。
病院船導入と維持にかかるコストは重視してるのに・・・。
この辺は以下参照(手抜き)
・中国、インドが進める空母保有
金食い虫を維持できるか?
(2011年6月25日 moneyzine.jp)

笠原氏にしてみたら、空母の維持コストなんて取るに足りないものなんだろうか?

そして、こんな調子の わけのわからない論説を笠原氏はこう〆た。
2011年11月20日分 MSN産経ニュース『病院船?~』より最後の〆を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
海上自衛隊が運用する空母は、平時には米海軍との演習を頻繁に実施し、日米同盟深化の象徴となる。
太平洋やインド洋などを遊弋して沿岸諸国を親善訪問し、わが国の存在をアピールする。
そして有事や大災害時の際には空母としての威力を存分に発揮する…。
病院船などではとても成し得ない仕事である。

(長野支局長 笠原 健)
---- 引用以上 ----

笠原氏は、空母を保有することでバラ色の未来が(日本に)来る、なんて思ってるんだろうか?
裏を返せば、日本が(キリのない)軍拡競争に巻き込まれたってのを意味するのだが・・・。


にしても。
某櫻井 よしこ氏といい、自称保守の方々ってなんで空母保有にこだわるんだろうか?


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。