LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

「パフナイト」そして「つなぐ会in東京」のご報告

2008年03月15日 | ミーティング
東京に行ってきました。3月1日は「パフナイト」、そして2日は「つなぐ会in東京」でした。たくさんの人たちと新たに出会うことができ、感動することもたくさんありました。

パフナイトにはつなぐ会から4人の親が出席し、大いに宣伝させていただきました。今回初の試みとして大阪、青森、東京の3会場をつないでのインターネット3次元中継をするということで、「へぇ~テレビ局でもないのにこんなこともできるんだ・・」と4人の親軍団は感心するやら驚くやら。アップテンポの東京弁にまったりとした大阪弁(笑)、そして温かみのある青森弁がいき交う中で、時代の変化をひしひしと実感した次第でした。会場のパフスペースには40人以上参加しておられたでしょうか。自己紹介と会の生い立ち、そしてこれからの展望などを聴いていただきました。

質問会に移って出たのはおなじみの「やっぱり親って孫がほしいですか?」という質問。これは子どもたちにとって親にカミングアウトする際の一番の心配事項なのでしょうか・・?今回はお父さまからのお返事をご紹介します。「たとえ異性愛者であっても子どもを作るかどうか、それはわれわれの問題ではなく子どもの問題ですから、親が孫の顔が見たいと言ったってそんなことは気にしなくてもいいのではないですか・・それは親のわがままですからね」ときっぱり。こんなお父さまもいらっしゃいますのでみなさんご安心を! たしかに会に来て泣かれる親御さん(特にお母さまが多いでしょうか・・)の悲しみは「孫を抱くという将来の夢が消えてしまった・・」というところから来ている場合もありますが、現実には子どもが異性愛者であっても結婚しない人もいるし子どものいない人もいるし、つまり孫のいない人はたくさんいるわけですし、親の思い通りに子どもの人生が進んでいくはずはないのですから、やはり親のわがままなのでしょうね。

スタッフのみなさんの気さくな雰囲気で緊張もせずむしろ笑いの連続で、大いに楽しませていただいた会でした。そしてありがたいことに「つなぐ会in東京」は次回からパフスペースをお借りすることになりました。公共施設はいろいろな団体の行事で詰まっていることが多く、予約するのに一苦労しています。心から感謝です。これからお世話になります。ありがとうございます!!


そして2日の「つなぐ会in東京」。こちらも40名近いご参加をいただき、ほんとうにすばらしい会となりました。今回は東京のお父さまとお母さまを中心に行われたはじめての会でしたが、お二人の明るいお人柄と参加者のみなさんの応援で前途洋洋の出発となりました。今後、ここにも新しい親や家族や友人が加わっていってくださることでしょう。関西も負けてはいられないです!(笑)

前日のパフナイトでの宣伝効果もあって初めて参加してくださった方も多く、中でも92歳のお母さまの車椅子でのご参加は、私たちにとっては心から勇気付けられる出来ごとでした。「このような会を作られたみなさんの勇気はすばらしいと思います。おめでとうございます!」というお言葉をいただき、ついつい涙が出てしまいました。長年大学で教鞭をとってこられたというこのお母さまの一言一言には、みなさん大きく頷くばかり。「私は長い間いろいろなことを学んできました。貧困にあえぐ国に行ったこともありました。でも性の多様性は学ばなかった。もっと学んでおけばよかったと思っています。」また「私は人生の中で三つのことを学んできました。All people are the same. 人間はみな同じである。 Some people are the same. でもその中でも似かよった人達がいる。そしてNobody is the same. よく見ると一人ひとりみんな違っている。同じ人はいないのですね」と英語を交えて話されたその言葉には驚きとともに感嘆のため息がでるほどでした。ほんとうにそのとおりだと・・。長い人生を真剣に生きてこられた大先輩に大切なことを教えていただいたひと時でした。

また会始まって以来最年少となる、15歳のレズビアンのかわいい中学生にもご参加いただきました。お友達と20人にカミングアウトするという約束をしてご両親にもカミングアウトしたけれど、どうやらお母さまが難しい状況とのこと。『カミングアウト・レターズ』を読んで編者のRYOJIさんとメールする中でこの会を知ってくださったということでした。「お友達と約束して・・」という彼女はほんとうに純真でまっすぐで、きらきらと輝いて見えました。彼女のこのきれいな心を、お父さまもお母さまもどうか理解し応援していただきたいと願わずにはいられません。彼女のような前途洋洋の若者たちの心をどうか無理解な言葉で苦しめないで、と社会に叫びたい気持ちです。

ほかにも様々な活動をしておられる方々が参加してくださいました。

☆大学生たちのグループ「Rainbow College」
 彼らは今、携帯フィルタリングによって未成年者がLGBT情報を受け取れなくなることに抗議の声をあげる活動をしています。会としても賛同のメッセージを送り ました。「みんなのキャンパス~LGBTのための学生生活ガイド」というサイトも 開いています。
 http://lgbtresearch07.blog104.fc2.com/

☆ウーマンズ・ウィークエンド(WWE)
 今年で21回を数えるというこの会は、11月1日(土)~11月3日(月・祝)に国立オリンピック記念青少年センターで開催されるとのこと。現在ワークショップ主 催者募集中!とのことです。まずは3月30日(日)にプレ企画として『WWE@お花見』を開催するそうです。詳しくは http://www.geocities.jp/wwe_tokyo/ まで。

☆“共生社会を作る”セクシュアル・マイノリティ支援全国ネットワーク
 こちらは政治へのアプローチの一歩として、これから各政党へロビーイングをしていこうと立ち上げられた超党派の会です。大切なことですね。何も知らない政治家は多いですから・・(涙)92歳のお母さまを連れてきてくださった、原ミナ汰さんが代表を務めておられます。「つなぐ会」も応援していきます!

そして最後になりましたが、うれしいご報告が・・。NHKの「ハートをつなごう」で「ゲイとレズビアン」をテーマにした企画が進んでいるそうです。この番組はこれまで何回か「性同一性障害」を取り上げて社会への啓発の一役を担っていましたが、放送のたびに「同性愛についてもとりあげてほしい」という声がたくさん届いていたそうです。そして今回の企画が決まったとのこと。声を届け続けることは大切ですね。あちこちで取材を進めておられるそうで、先日は神戸まで、そして今回はパフナイト、つなぐ会と連日ご参加くださいました。軽々しいメディアの発信には、当事者の方だけでなく親なら誰もが心を痛めていたはずです。この企画は涙が出るほどうれしいことです!社会に対して正しい認識を呼びかける大きな一歩となることでしょう。どうかいい番組になりますように!!




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AMARC国際女性デーオーディオマラソンで放送!

2008年03月05日 | Weblog
前回ご紹介したFMわぃわいの「日本国憲法を読む」『08年2月のステーションメッセージ~同性愛者から、社会的権利の不備を問う!』が世界に紹介されます。すごい!!
とり急ぎのご案内です。お時間のあるみなさま、是非お聴きください!以下はプロデュサーの方からのご紹介メールです。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


FMYYはAMARC=世界コミュニティ放送協会のアジア・パシフィックの中に属し、またAMARC日本事務局 http://www.tcc117.org/amarcjp/
を立ち上げております。
AMARCとは世界のラジオ局の連盟で、もともと中南米の炭鉱での労働者の権利運動のため生まれたというのも、そのひとつの起源となっております。もちろん世界の中での市民の運動、たとえばヨーロッパにおけるナチの弾圧からの自由ラジオや、アフリカの独立運動や女性の権利活動やエイズについての啓発や、、、数えきれないほどの市民の命や権利を守るための「声」として使われました。もちろん反対に体制側の思想操作にも使用されることも多くありましたが。。。という前提を踏まえてのお話です。

AMARCでは、女性というカテゴリーは大きな比重が置かれております。毎年国際女性デーにあたり、24hいろんな国々からの放送を行います。そこにFMYYとして、2月に放送させていただきましたステーションメッセージ「日本国憲法を読む」同性愛者、レズビアンの若い二人からの発信を提供しました。
以下のサイトで全世界でただし日本語ですので、理解できる国は限られますが
放送されますし、提言ともなります。

以下がその概要です。
【AMARC 国際女性デー オーディオ・マラソン】
AMARCでは3月8日の「国際女性デー」にあわせて、恒例となった24時間ストリーミング放送を行います。AMARC加盟局の多くは、ストリーミング音声を更に地上波にのせて放送します。

女性が中心となって制作した「女性に関する」番組・音源を世界各地で募集し、
各地域がリレーして24時間の放送を続けます。
日本国内からも、番組・音源を募集いたします。ぜひご協力ください。

番組・音源のテーマは、「DV」「育児」「人権」「教育」「平和」「貧困」等、
女性に関連するものなら何でも構いません。

昨年は横浜のPortside Station さんより寄せていただいたDVに関する番組が世界に放送されました。

■ストリーミング・チャンネル
http://march8.amarc.org/

■ストリーミング・スケジュール
2008年3月8日(土)
(時間は世界標準時。日本時間は+9時間)

アジア・太平洋地域(より寄せられた音源): 1:00-8:30・・・・この部分です。
ということで、3月8日土曜日10:00-17:30の間です。

中東                       : 8:30-8:48
アフリカ                      : 8:48-13:57
ヨーロッパ                    : 13:57-16:03
南アメリカ                    : 16:03-18:29
北アメリカ                    : 18:29-2:51

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FMわぃわぃ「日本国憲法を読む」から

2008年03月05日 | Weblog
☆2月はじめに出演させていただいた神戸のコミュニティ放送局FMわいわいでは、月に一回「日本国憲法を読む」という番組を放送しています。じつはその番組のプロデューサーの方からセクシュアルマイノリティの人権について是非この番組でも話してほしいというお誘いをいただきましたので、若いレズビアンのカップルをご紹介いたしました。

そして2月17日(日)『08年2月のステーションメッセージ~同性愛者から、社会的権利の不備を問う!』と題し、1時間にわたってお二人のさまざまなお話が放送されました。静かに、けれど熱意をもって話された内容は一人でも多くの人に聴いていただきたいものでした。

以下はFMわいわいのホームページに掲載されている番組紹介のメッセージと、出演されたお二人からのメッセージです。詳しくはFMわぃわぃのホームページへ。 http://www.tcc117.org/fmyy/ 

また実際の放送内容はポッドキャストで再聴できるようになるそうですので、楽しみにお待ちください。

このような機会を作ってくださり、「新たな立法化が必要であると心から感じるひと時になるはずです」と言い切ってくださったプロデューサーのご英断、そして出演してくださったお二人の勇気に感謝の大拍手を送ります。余談になりますが、収録後の交流でスタジオのスタッフの方が神戸のパレードに参加してくださることになったとか・・。すばらしいですね。多くのリスナーにもお二人の思いはきっと伝わり、どこかで何かが動き始めることでしょう。


    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今月の「FMわぃわぃステーションメッセージ 日本国憲法を読む」は、2月17日日曜日3時から4時、再放送は2月20日水曜日夜9時から10時。

戦後60年を過ぎた今、民主と平和と不戦、そして人権を謳った誇るべき「日本国憲法」とはいっても、そこに加えるべき新たな文言が必要にもなってきたこたことを実感させる番組となりました。「ひとりひとりが自分らしく生きるため」の権利それを「日本国憲法」は保障しています。しかしその「ひとりひとり」は、十把一絡げにした人々、ではなく様々な違いを持った人々ということであるということが目に見えるようになりました。ひとりひとりが、自分らしく誇りをもって生きてゆける社会を創りたいと声を揚げ始めることが可能になった今、その人々のために、新たな条項の立法化が必要であると心から感じる一時になるはずです。(共にまちに住む同じ住民として。。。)

今回おいでいただいたのは、声を上げ始めた人々の中の一つのカテゴリー同性愛者、レズビアンカップルの若い妙齢のお二人です。そして彼女たちが選んだ間に流れる音楽は「MIKA(ミーカ)」♪です。

今回の出演の二人は、同性愛者の目線から見て、みなさんと同じように、まちで普通に生活していくうえで【不便に思っていること】【生きづらいなあ】と感じることを伝えたいとおいでになりました。「つたない点もあると思いますが宜しくお願いします。 」と恐縮する笑顔の可愛い、そしてとっても真っ直ぐな目をしたふたりです。最後までお付き合いくださいませ。、、、以下は二人の番組内でのあなたへのメッセージです。



☆ 私は、会社員ですが一般的な目で見ると、同性愛者である事は分からないと思います。ラジオなので姿は見えませんが、どこにでもいる20代半ばの女性です。性的思考は目に見えないもの、その上テレビ等のメディアで、お笑いの対象にされることが多いです。
そのため、当事者たちは笑いものにされるのでは、、、という恐れから自身が同性愛者である事をオープンに出来ません。
当事者同士の集まりでさえ、本名を名乗る事は少ないのです。今回は私たち二人は、勇気を出して、また「社会の中で見える存在になるべきだ」という思いで、この出演を決めました。しかし社会的権利のまだまだ取得できないと言う事を考え、匿名で出演する事をご了承ください。
日本社会にはまだまだ同性同士では生きにくい環境です。そんな生きにくさや自分が幼年期に感じた様々な苦しみを、必ず産まれてくるであろう次の世代の子どもたちのために味合わせないため、運動してゆく第一歩として、みなさまに聞いていただきたいと思いお話いたします。

1.同性愛者について
まず同性愛者について説明したいと思います。
同性愛者とは、辞書で調べると「同性の者を性的愛情の対象とすること」つまり同性を好きになる人間です。
精神の病でもなんでもなく、1993年には、WHO(世界保険機関)でも同性愛はいかなる意味でも、治療の対象にはならないと宣言されています。
人口の5-10%に同性愛者が存在しているという統計もあり、職場、学校にも一人以上はいることになります。
つまり同性愛者は、数%の確率で必ず生まれてくる存在です。あなたの周りに存在する、普通に生活している人間です。
その事をまず理解してください。思春期になり誰かを好きになる、、、その相手が同性であるという指向を持っていたということです。

2.日本の同性愛者の現状(困っていること)
①日本の婚姻制度
ご存知のとおり日本では同性同士の婚姻を認めていません。それは男女を前提とした憲法だからです。
例えば必須の家を借りる時。
親族関係にない同性同士にはなかなか部屋を貸してくれません。それは、友人同士で借りようとすると、特に女性同士だと一方に彼氏が出来たら一人では家賃が払えなくなるのではないのかという目で見られるからです。これは社会的に女性の賃金が現時点でも低い、、ということに起因する社会的常識から派生する考えです。それに比べると男女のカップルだと恋人同士であれ、婚約中ですといえばそれだけで信頼される、、、そtれは社会的通念とともに賃金体系といして男性は基本的に二人で生活できるぐらいの金額があるはずとみられているというところに起因しているのでしょう。
また、当然ながらファミリー物件には入居できません。ある女性同士のカップルは、片方のお母さんが名義人となり、いとことしてマンションを借りています。これは親にカミングアウトしているからできることです。
これは親にカミングアウトしているからできることです。
マンションを買うにしても、同性カップルの場合婚姻関係がないので、マンション名義人である方が先に亡くなった場合、婚姻関係でないパートナーは、単なる他人である為住む家がなくなります。
昨年の参議院選挙で、公に女性同性愛者であることカミングアウトしている元大阪府議会議員の尾辻かな子さんは、大阪府の議員時代、都道府県で初めての公社住宅でのハウスシェアリング制度を導入しました。これは「大阪府住宅供給公社が運営管理する住宅に、同性カップルなど、法律上の親族以外の単身者同士でも同居が可能になった」というものです。

②日常必須の携帯電話。
ドコモやAUは同性同士のカップルは法律上家族にはなれないため、家族割りはできません。
ただしソフトバンクの場合、同じ住所と証明できるなら加入できます。ソフトバンクは、法律上ではなく、一緒に生活している人を家族として捉えているため、同性同士のカップルでも家族割りに加入することができます。

③社会の圧力
特に女性同性愛者の場合、賃金の面で男性と比較すると年をとるにつれ賃金格差が広がる現状があります。その上年をとるにつれ、女性は結婚をしてやめてゆくのが当たり前と思われているので、働き続けるという男性なら当たり前のことに疑問をもたれる事があります。
結婚という形式を認めなくても、社会的に人間らしく生きてゆくための「人が人たる生活を営む」憲法にうたわれている権利がほしいのです。
結婚していれば片方は働いている人の扶養に入り、保険、年金、税金が免税の対象になり、どちらか片方が先に亡くなっても、財産の問題やお墓にも一緒に入れます。もし事故にあったも、家族へは連絡が行きます。しかし世間的には単なる友人であるパートナーには、一番大切な人の緊急な事態に対応できないという高い壁が存在します。異性愛者のカップルであれば普通にある権利が同性同士のカップルにはありません。

3.まとめ
日本の60年前に作られた憲法では、その範囲外の生き方をする人間は保証されません。これは同性愛者だけの問題だけではなくその枠に収まらない人達にも言える事だと思います。60年前には考えも及ばなかった、様々な違いを持った人々が声を上げ始めています。
この声を「聞く耳」、そして「声をあげる勇気」が必要とされている時代になったと思います。
これからの社会が同性愛者や少数者に優しい社会になることは当事者のメリットだけではなく、多数派の生きやすさにもつながると思っています。
自分らしく生きる事を肯定される空間は、どんなに心地いいものでしょうか。。
攻撃や侵略や私利私欲のためではない、自分を否定されることのない、誇りを持って生きてゆける人生をすべての人に保障するための「憲法」に、よりバージョンアップするための、声をあげてゆきたいと思っています。




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