LGBTの家族と友人をつなぐ会ブログ

レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの家族や友人による会のブログです。

『異性愛配偶者の貴方へ:連れ合いはLGBT』アップのお知らせ

2013年02月20日 | Weblog
今日は、つなぐ会のHPにアップしました『異性愛配偶者の貴方へ:連れ合いはLGBT』をご紹介します。「LGBTを学ぶ」の「参考資料」のページを開けていただくと、最後の部分に「翻訳文書」がありますが、その3つ目に新しくアップしました。

これは2001年に米国のPFLAG(LGBTの家族や友人による支援の会)が発行した”Opening the Straight Spouse’s Closet”を翻訳したものです。

「連れ合いがLGBTの異性愛配偶者」、言い換えれば「LGBTの配偶者を持つ異性愛者」という立場の方々の体験談は日本ではまだ耳にすることも少ないのですが、マイノリティの中の隠れたマイノリティとして存在していることは確かです。

うれしいことに先日のNHK番組『あさイチ』で「性同一性障害」が取り上げられていましたが、その中でご主人からMTFであることをカミングアウトされて戸惑う奥さまがインタビューに答えておられました。じつは会のミーティングにも、同じ立場となって離婚し、子どもにどう伝えるべきか迷っている、離婚はしたが元夫を理解したい・・・という方が参加されたことがありました。メールでも、LGBTの恋人を持つ異性愛者の方からのご相談を数件いただいたことがありました。

当事者の立場に立てば、社会や家族から理解が得られないことや、自分自身も知識がないことで結婚すればなんとかなるのではないかと思い込んだことにより、誤った選択をしてしまった・・・と言えるのですが、反対の立場に立てば、自分は騙されたのか、愛情はなかったのか、自分に魅力がなかったからなのかと、恨みと共に自信を失ってしまうことにもつながりかねない・・・簡単に割り切ることなどできない問題ですね。また子どもがいる場合、どのように伝えればよいのか、伝えられた子どももまたどのように理解すればよいのかなど、じつに様々な立場の人間が関わってくる複雑な問題です。ご相談いただいた時には、どのように答えればいいのか、正直わからなくなったものでした。正解などないと言えるのかもしれません。

そんな中でPFLAG Madison(マディソン)会員の吉永世子さんにこの資料の存在を教えていただきました。この資料の中では、米国ではありますが、さまざまなケース、さまざまな体験が語られています。この多くの体験が日本国内の同じ立場の方々の参考になればと考え、翻訳をお願いしました。この膨大な量の翻訳を引き受けてくださった吉永さんに心から感謝しています。

日本ではLGBT当事者への理解や支援もまだまだという中で、このような隠れたマイノリティの方々への支援は皆無ではないかと思います。資料冒頭の体験は1982年米国PFLAGの第一回年次総会の席上で語られたものであり、その後多くの方々に寄り添い、その声を聞き続けて、PFLAGがこの資料を発行したのは2001年。すばらしい団体ですね!日本は30年前の米国にもまだ及んでいないのかもしれません。

恨みや怒りや悲しみを超えて、お互いが次の新しい幸せに向かうために、この資料が少しでも役にたてばと思います。また同じ立場ではなくとも、この資料から多様な人生を知り多様な幸せの形を知ることができます。どうぞお読みください。



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