樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

キツツキとアメフト

2017年10月19日 | 野鳥
野球もサッカーも見ませんが、アメフトだけはテレビで観戦しています。このスポーツはコンタクトが激しいので選手はフルフェイスのヘルメットをつけていますが、それでも脳しんとうに見舞われることが多く、アメリカのプロリーグでも大きな問題になっています。その脳しんとうを防ぐために、キツツキの頭の構造にヒントを得た防具が開発されています。
キツツキは餌を食べる時だけでなく、コミュニケーションのために猛スピードで木をたたきます。下は日本最小のキツツキ、コゲラの採餌シーンですが、結構激しく木をつついていて、人間なら頭が痛くなりそうです。



ある研究によると、繁殖期のキツツキは1日1万2000回、1秒に18〜22回も木をつつくそうで、頭を激しく前後させることで1200ガルもの力が頭にかかっているとのこと。にもかかわらず、キツツキが脳しんとうを起こさない理由の1つは、長い舌。
キツツキの舌は、根元が眉間にあり、脳を上から巻いて喉~クチバシに出てくるのですが、木をつつくときは舌で脳を締め付け、頸動脈をつまむことで脳の血液量を増やし、それをクッションにして脳を保護しているそうです。
その原理を生かして、アメフト選手の首を軽く絞めて頸動脈をつまみ、脳しんとうを防ぐのが新開発の防具。下の動画は英語ですが、映像だけで意味は分かります。



FDA(米国食品医療品局)の認可を得るために、現在は試作や検証を重ねているようですが、開発されればスポーツ用だけでなく、チャイルドシートやシートベルトにも応用されるかもしれないとのことです。
脳しんとうではありませんが、私が応援するチーム(グリーンベイ・パッカーズ)のクオーターバックは先週、鎖骨を骨折して今季絶望。それまで4勝1敗と調子良かったのに、今シーズンはプレイオフも難しそう。
コメント (2)
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