隠岐から発信!森林・林業普及情報

隠岐地方の森林・林業情報をお届けします。

OJT研修の効果

2014年05月27日 | お知らせ

こんにちは。島前担当の高橋です。

「OJT研修」をYahoo!辞書で調べてみると...「On the Job Trainingの略称。仕事の現場で、業務に必要な知識や技術を習得させる研修」

とありました。なるほど。

今回、隠岐島前森林組合がFRONT80事業の一環で作業道開設、利用間伐を実施されるにあたり、岡山県の株式会社ヤマテックの高下氏と齋藤氏を招いてOJT研修を実施されました。5/12(月)~22日(木)までの10日間、みっちりと作業道・利用間伐に関する現場技術に関することを学ばれました。

私も毎日現場に顔を出し、勉強させてもらいました。また、時には意見やアドバイスもさせていただきました。

高下氏・齋藤氏は2人だけの労力で年間4,000m3の木材生産をされるそうです。しかも間伐主体で樹種は主にヒノキ。凄まじい生産量です。一体どうしたら・・・

それは、2人の講師による作業道開設と利用間伐・造材の流れ作業をデモンストレーションを見てすぐに理解できました。そこには、徹底した作業の効率化と卓越した技術がありました。凄まじくハイレベルです。

技術だけではありません。10日間に渡る研修の中で講師のお2人との会話を通して特に印象に残ったのは、常に考えながら作業を進めていることです。作業効率の向上を求めつつ、「相手の仕事を楽にするためには、自分がどうすればいいか」という視点も大事にされているので、安全作業にもつながっていきます。

私が一番嬉しかったのは、今回のOJT研修を受講された作業班のみなさんが、知識や技術の習得のみならず、仕事の進め方を考え、作業コストをしっかり意識されるなど、気持ちの面で変化を感じ取れたことです。Yahoo!辞書の記述にはない、とても大きなものを得られた研修会になりました。

高下さん、齋藤さん、遠路遙々、隠岐・海士町までお越しいただき、大変お世話になりました!!感謝申し上げます。

そして作業班のみなさまも初めての慣れない作業で大変だったと思います。お疲れさまでした!!

<写真>

排水処理の指導

 

伐倒指導

間伐作業

造材

一気に進む機械化(涙が出そう...)

先行するザウルスが作業道を開設し、後ろのグラップルが木寄せ、造材のアシストをしています。

 

 

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ツタウルシにご注意を!

2014年05月26日 | お知らせ

こんにちは。島前担当の高橋です。

春の山歩きは新緑が目に眩しく爽快で楽しいものです。

その反面、冬眠から目覚めたマムシやウルシ科の植物など、キケンも同居していますので注意が必要です。

隠岐島前森林組合が取り組みを進められている利用間伐の現場も「ツタウルシ」がいたるところにあります。

先日まで作業道の開設と利用間伐のOJT研修・講師としてお世話になった高下氏と齋藤氏もツタウルシにやられ、顔から首筋にかけてかぶれ、見るからにかゆそうでした。(申し訳ありませんでしたっ!)

高下氏がおっしゃるには、(普段仕事をされている)岡山では、今回の現場ほど...というか滅多にツタウルシは見ない、とのことです。

間伐する時期が遅れて鬱蒼としたスギ林では特に、ツタウルシが繁茂するに適した環境になってしまうのかな~と感じました。

ちなみに私は、森林組合の職員さんと作業道のルート選定のためにナタで歩き道を伐り拓きながら山中を這いずり回ったところ、数日後に腕にかぶれ、次いで(体内を毒素が駆け巡り?)、露出してなかった様々なトコロがやられました。これが眠れないほどかゆいのです。泣

これからの季節、高温多雨の季節になると植物も活性化してかぶれに対してキケンな状況となりますので、山に入られる際は、長袖・長ズボンで肌の露出を抑え、帽子、長靴、軍手を装着されることをお勧めします(マムシにも有効です!)。また、山歩きや山仕事の際は、こまめに水分補給をするなど、熱中症にも充分お気をつけください。

 

※ツタウルシは、つる性の植物で樹木に巻きつきながら成長していきます。

 葉っぱはこんな感じ。つる性で3枚1セットの葉っぱがあればそれは...

 触らないのが一番ですよ!

スギのてっぺんを目指し勢力拡大中のツタウルシ。恐ろしや...

 

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シイタケ植菌教室(海士町福井小学校)に行ってきました!

2014年05月19日 | お知らせ

こんにちは。島前担当の高橋です。

今回は、5月16日(金)に海士町立福井小学校で開催されたシイタケ植菌教室の話題です。

島根県内の「緑の少年団」は96団体(小中学校)ありますが、隠岐地域で活動しているのは福井小学校と都万中学校の2校だけです。

福井小学校は、学校の裏手にある森林を「学校林」として管理されており、子ども達が自由に山に入って遊べる環境を整備され、また、スギ等の成長に合わせて枝打ち体験を行うなど、積極的に森林にふれあう機会を設けておられます。

昨年の秋、学校のすぐ近くのクヌギ林を隠岐島前森林組合が伐採されたこともあり、今回「シイタケの植菌体験教室」を開催されることになりましたので、私もお手伝いに行ってきました。

福井小学校は全校生徒数が49人。当然、1年生から6年生までみ~んな仲良し。高学年のお兄さんお姉さんが低学年の子ども達をしっかりリードしてるな、という印象を受けました。

冒頭で、お話しをさせていただける機会がありましたので、

①森林の働きについて(公益的機能のような内容をかみ砕いて砕いて砕いて説明。汗)

②原木シイタケ栽培について

③クヌギってすごい!

以上、3点についてお話しさせていただきました。みんな興味を持って真剣に聞いてくれて、「子どもって純粋で素敵!」改めてそう思いました。

 

次に4グループに分かれて、前日に植菌作業を行った5,6年生が、下級生のみんなに植菌作業の手順を説明。

その後、2人1組に分かれて植菌作業を行いました。

原木の多くは前日に5,6年生が事前に電動ドリルで穴を開け、あとは菌駒を打ち込むだけの状態にしてくれていましたので、1人1本ずつ、プラス先生たちの分まで仕上げ、自分のほだ木にネームプレートをかけて完成させました。

今回みんなで作ったほだ木は来年・秋ぐらいから、シイタケが生えると思います。

余談ですが、冒頭の話の際に聞いてみたところシイタケが嫌いな子は5人ほどいました。今回の取り組みと、自分のほだ木から採れたMyシイタケを食べて、食べられるようになってくれたら...と願う普及員なのでありました。

<おまけ画像>

子ども達に「まだですかー?まだですかー?」と急かされながら必死にドリルを回し続ける大人達

みなさまお疲れさまでした!

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FRONT80 いよいよ始動!

2014年05月14日 | お知らせ

こんにちは。島前担当の高橋です。

今回は、隠岐島前森林組合の新たな挑戦に関する話題です。

隠岐島前森林組合が作業道開設や利用間伐への取り組みを強化するにあたり、農林中金80周年森林再生基金事業(通称:FRONT80)に申請を行ったところ、見事に採択されました。

早速、4月から事業に着手されていますので、その状況についてお伝えします。

なお、これまで隠岐島前地域では、利用間伐や主伐などの木材生産の取り組みをほとんど実施されておらず、隠岐島前地域の利用期に達しているおよそ2,000ヘクタールのスギ林をどうしていくのか、という大きな課題があります。

今回、FRONT80の採択を受け、作業道の開設、利用間伐、燃料用チップ化などの取り組みを実際に行ってみることにより、離島という輸送ハンデを抱える地域で今後どのように森林資源が活用できるのか、県や海士町、関係団とも協力しながら検討していきたいと考えています。

では、これまでの状況を時系列順に。

4/6(日)

<事業説明会>

事業対象地の森林所有者のみなさまにお集まりいただき、座談会を開催しました。

現在の森林の状況、事業内容、事業後の森林管理など、様々なことに対する説明と意見交換を行い、皆様から事業実施に関するご理解と承諾を得ることができました。

 

5月8日(木)

<ザウルス見参!>

ウルトラザウルスロボ来島。林業専用機械(通称「ザウルス」)が海士町にやってきました。

隠岐島前地域にザウルスが上陸したのは初めてではないでしょうか!?

レンタル会社の方から操作方法を教えてもらい、早速の試運転です。

5/12(月)

<OJT研修スタート>

作業道の開設技術と利用間伐技術の習得を目的とした、10日間のOJT研修が始まりました。

講師は、岡山県真庭市・株式会社ヤマテックの高下(こうげ)氏と齋藤氏です。

研修初日、午後雨の中、現場を見て作業方針やスケジュール等の確認を行いました。

5/13(火)

<利用間伐の考え方、講師によるデモ>

隠岐島前森林組合では、これまで主に保育間伐(伐捨間伐)を行ってきましたので、利用間伐の選木についてはほとんど経験がありません。そこで、昨年度実施した伐捨間伐の現場と今回の現場の両方を組合職員、作業班のみなさん、お二人の講師で見て歩き、選木についての考え方の違いや伐り方、次の仕事をするであろう10年後を見据えた木の残し方など大変参考になる話を聞くことができました。

午後からは、高下氏と齋藤氏に普段実践されている木材生産を実演してもらいました。

1人がザウルスで作業道を開設し、もう1人がチェーンソーで先行伐倒と道沿いの木を間伐・造材を行っていきます。

始めに2人の作業スピードに一堂驚きました。土質や木、その他の状況にもよりますが、作業道は150m/日、20m3/人日、程度は当たり前。でも、あくまでも安全且つ効率的な作業を追求しておられますので、特に伐倒などのキケンが伴う作業の際にはジェスチャー(アイコンタクトも)と声でしっかりコミュニケーションを図られます。

その仕事、まさにプロ...

 

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