三多摩の鐘

The Bells of San Tama -関東のキリスト教会巡り-

カトリック上野教会

2011年05月17日 | 東京のカトリック教会
カトリック上野教会(教会堂名:聖ベルナデッタ)
創立:1954年 ◇ 住所:東京都台東区下谷1-5-9

JR山手線の上野駅で下車。目の前の上野公園の広い敷地には、博物館、動物園などがあり、都民の憩いの場となっている。隣町の谷中(やなか)には、遠藤周作氏の小説「沈黙」に登場するフェレイラ神父の墓もある(注)。私が初めてオペラのライヴに行ったのは、公園口を出て直ぐの東京文化会館だった。1997年11月、ベルリン国立歌劇場の来日公演で、モーツァルトの歌劇「魔笛」を聴いた(バレンボイムの指揮)。今も当日の感激が色あせずに残っている。

公園とは正反対の入谷口を出る。この界隈には「恐れいりや(入谷)の鬼子母神」で有名な真源寺がある。だが、私は聖ベルナデッタの名を戴く上野教会へ直行した。1858年、南フランスのルルドで、聖母マリアが少女ベルナデッタの前に現れるという奇跡が起こった。 聖母のお取次ぎを願って、日本各地の教会でも「ルルドの洞窟」が造られている。「神のみはは わが望み 今もいつも 守り給え」。ルルドの聖母を称えるカトリック聖歌「あめのきさき」の一節である。

上野教会に着いた。ここにも、フロジャク神父の足跡が残されていた(フロジャク師については、秋津教会の記事を参照)。戦後、フロジャク神父は上野駅地下道で生活する戦災者のための診療所を開き、これが現在の上野教会へと発展した。ここはまた、東京教区で唯一の中国語ミサが行われている。 教会内にイエズス会中国センターが設置されているからだろう。ちなみに、中国語ではキリストを「基督」、マリアを「馬利亜」、カトリック教会を「天主教会」と表している。


現聖堂献堂:1961年

(注):クリストヴァン・フェレイラ神父(1580-1650年)の墓は、谷中の瑞輪寺(台東区谷中4-2-5)にある。

◆主な参考文献など:
・「東京周辺キリシタン遺跡巡り」 高木一雄著(聖母の騎士社・1997年)
・「創立者フロジャク神父の小伝」 五十嵐茂雄著(ベタニア修道女会・1976年)
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