三多摩の鐘

The Bells of San Tama -関東のキリスト教会巡り-

西片町教会(日本基督教団)

2014年11月24日 | プロテスタント
日本基督教団 西片町教会
(住所:東京都文京区西片2-18-18)

11月22日(土)、地下鉄丸ノ内線の本郷三丁目駅で下車し、東京大学へ向かう。前回もお知らせした通り、私は東大の一般市民向け公開講座を受講している。会場は本郷キャンパスだったので、この日も講義の合間に周辺の教会巡りに勤しんだ。東大を中心とする本郷界隈は、ちょっとした「教会銀座」の様相を呈しているが、今回は農学部の弥生キャンパスに近い西片町教会(日本基督教団)を訪ねた。旧制一高跡地の弥生キャンパスは言問(こととい)通りを挟んで本郷キャンパスに隣接している。

西片町教会の沿革をおさらいしよう。「西片町教会は本郷区東片町に下谷教会が伝道を開始したことに端を発し、1889年3月31日、日本メソジスト駒込教会として創立されました。その後、1896年6月5日、西片町の現在位置に移転、1935年に現会堂が献堂され、爾来営々とこの地、この会堂で神を拝し、神の民の交わりを形成してきました」(教会公式サイトより転載)。夏目漱石の小説『三四郎』の広田先生も西片町の借家に移り住み、そこで三四郎と美禰子は大きな空の白い雲を見上げたのである。

弥生キャンパスの農正門(下写真2)から徒歩数分で、西片町教会に到着。塔屋付きの厳かな佇まいである。ところで、『三四郎』の広田先生の借家は「西片町十番地への三号」にあったという。そこは西片町教会裏手の住宅街だ。広田先生は日露戦争の「勝利」に沸くニッポンが「亡びるね」と予言し、「囚われちゃ駄目だ。いくら日本の為を思ったって贔屓の引倒しになるばかりだ」と憂う。今や排外的国粋主義に囚われた現代ニッポンも「贔屓の引倒し」で亡びるのか。「御旨ならば我いとわじ」(讃美歌285)。


礼拝堂内観(1935年竣工)


東京大学弥生キャンパスの農正門
(住所:東京都文京区弥生1-1-1)

◆主な参考文献・CDなど:
・「三四郎」 夏目漱石著(新潮文庫・1972年)
・「漱石全集 第五巻(坑夫・三四郎)」 夏目金之助著(岩波書店・1994年)
・CD「なつかしの讃美歌 BEST40」 鈴木啓之指揮/新日本合唱団(Pony Canyon:PCCL-00587)
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