貫井徳郎『慟哭』
【内容情報】
連続する幼女誘拐事件の捜査は行きづまり、捜査一課長は世論と警察内部の批判をうけて懊悩する。異例の昇進をした若手キャリアの課長をめぐり、警察内に不協和音が漂う一方、マスコミは彼の私生活に関心をよせる。こうした緊張下で事態は新しい方向へ!幼女殺人や怪しげな宗教の生態、現代の家族を題材に、人間の内奥の痛切な叫びを、鮮やかな構成と筆力で描破した本格長編。
貫井徳郎のデビュー作。
二つの物語が平行して進んでいく。とてもテンポが良く、すらすらと読めた。
これも先が気になり、どんどん読み進めていき、あっという間に読み終えた。
なかなか興味深い内容だった。
警察の内部の話とか宗教の話とか。
個人的に興味深かったのが、作品中に出てくる「S学会」「S新聞」という言葉。
私の家はもう学会には入っていないが、新聞だけは今も取っている。
昔学会に入っていて(どういう経緯で入ったのかは知らない)それの名残のような感じ。というか、ただたんにテレビ欄が見慣れてみやすいからとっているらしいけど。
信じるという行為(という表現はおかしいかもしれないが)は、とても怖いものだと思った。人は一旦信じてしまうとそれにどんどんのめりこんでいく。一歩引いてみれば明らかなのに、最初は信じられるかもしれないという疑いも含めた気持ちを持ちつつ、しかし藁にもすがる思いからだんだんと信じ込んでゆく。そして、次第には自分が信じたいという思いから、信じることをやめられなくなっていく。
たまたま古本屋で100円で購入できたのだけど、これはいい買い物だったと思う。
もう一度読み返してみてもまた違う視点から観ることが出来そうな、面白い作品だと思う。
ここから少しネタバレ?(誰が犯人とか人物名とか具体的なことは何も書いてはいない)
途中で犯人がわかってしまったのは、ちょっとあれだったなあ。
色々読んでいる所為なのか、特に犯人を考えながら読んでいたわけじゃないけれど、途中でアッと気づいてしまった。
最後はどういうふうに締めくくられるのか、それが気になって、一気に読んだという感じ。
でも、半分過ぎぐらいまでは何がどうなるのか全くわからずにドキドキした。
【内容情報】
連続する幼女誘拐事件の捜査は行きづまり、捜査一課長は世論と警察内部の批判をうけて懊悩する。異例の昇進をした若手キャリアの課長をめぐり、警察内に不協和音が漂う一方、マスコミは彼の私生活に関心をよせる。こうした緊張下で事態は新しい方向へ!幼女殺人や怪しげな宗教の生態、現代の家族を題材に、人間の内奥の痛切な叫びを、鮮やかな構成と筆力で描破した本格長編。
貫井徳郎のデビュー作。
二つの物語が平行して進んでいく。とてもテンポが良く、すらすらと読めた。
これも先が気になり、どんどん読み進めていき、あっという間に読み終えた。
なかなか興味深い内容だった。
警察の内部の話とか宗教の話とか。
個人的に興味深かったのが、作品中に出てくる「S学会」「S新聞」という言葉。
私の家はもう学会には入っていないが、新聞だけは今も取っている。
昔学会に入っていて(どういう経緯で入ったのかは知らない)それの名残のような感じ。というか、ただたんにテレビ欄が見慣れてみやすいからとっているらしいけど。
信じるという行為(という表現はおかしいかもしれないが)は、とても怖いものだと思った。人は一旦信じてしまうとそれにどんどんのめりこんでいく。一歩引いてみれば明らかなのに、最初は信じられるかもしれないという疑いも含めた気持ちを持ちつつ、しかし藁にもすがる思いからだんだんと信じ込んでゆく。そして、次第には自分が信じたいという思いから、信じることをやめられなくなっていく。
たまたま古本屋で100円で購入できたのだけど、これはいい買い物だったと思う。
もう一度読み返してみてもまた違う視点から観ることが出来そうな、面白い作品だと思う。
ここから少しネタバレ?(誰が犯人とか人物名とか具体的なことは何も書いてはいない)
途中で犯人がわかってしまったのは、ちょっとあれだったなあ。
色々読んでいる所為なのか、特に犯人を考えながら読んでいたわけじゃないけれど、途中でアッと気づいてしまった。
最後はどういうふうに締めくくられるのか、それが気になって、一気に読んだという感じ。
でも、半分過ぎぐらいまでは何がどうなるのか全くわからずにドキドキした。