今日の料理(こだわりがないのがこだわり)

フードリテラシーに沿いつつも、なるべく夢のある料理や飲食をジャンル・国境・時代・時間をボーダレスに越えて書いています。

「知多」の鮮烈な風味が凄い!!。

2017年09月28日 | 飲み物
昔、料理屋の店員さんが「日本人はウイスキーを格好を付けクセが強いのばかりオーダーする傾向にある」と教えてくれた。

自分も何かの雑誌で「ウイスキーの本国イギリスだってあまり生やロックで飲まないで水割りの人も多い」と読んだ事があるので、その店員さんの言葉を聞いた時にその雑誌に書かれていた文章と頭の中で繋がった。

水割りの美味しさを知ってからというもの、割って美味しいウイスキーもある様な気がしていて、

日本のウイスキーってなんか日本酒っぽい荒さがあるというか焼酎的というか、ウイスキー好きのツウだけが好む味だなーって、これじゃあリーズナブルで文化を拡げる為のジャパニーズウイスキーは大衆に拡がらないだろうなーって昔から思っていたが、

この知多がコマーシャルで流れ始めてから、やっと飲む機会に恵まれ、1杯味わってみたら、これは美味しい、風味が優しくて、これならロックでもいけると思った。
勿論割っても飲めるのだろうが・・・

本当に風味が良くて、「風薫る~」とキャッチコピーの通りだなと、海風を思い起こすような涼しげな鮮烈な風味だった。

味は、私が好きなアイリッシュウイスキーに似ているとでも言おうか(因みにハイランドの水割りも好きだったりする、バーテンさんが「そういう飲み方の人観ると嬉しくなっちゃいます。そういう人が出てきたんだなーって」とリップサービスかもしれないが言って下さったし)、アタック感が強過ぎなくて、味の底の方に僅かに日本らしい荒々しさがピリリと感じられるぐらいか。

しかも知り合いに聞いた所、結構、昔からあったらしいが(調べたら2014年11月から期間限定販売だったらしい、グレーンウイスキーなんだね、愛知県知多市にあるサントリーの関連蒸留所でもあるサングレインの蒸留所から「知多」と命名しているとのこと、調べたらやはり海の近くなんだなー、熱田から名鉄等に乗って行けるようだ、工場見学は現在していないようだがいつかして欲しい)、ついこの前まであまりPRされていなかったらしい。

これは無理して格好付け、強いのばかり求める日本のウイスキー人文化をエクスカリバーで切り裂く様な未来に対し素敵な味のウイスキーだと思う。

愛知らしい味の気もする。
名古屋って「濃い」「濃い」って言われているけれど、色が濃いだけで塩気は濃くないと思うんだ。
ココ○チは少し塩辛いが(←関東がそうなのかな?)スガキヤを考えてみて欲しい!!
そして素材の味を活かしたイギリス料理屋が何故だか多い。
以前名古屋メシについて書いたが実際に「名古屋は濃くない、ダシと旨味が濃いんだ」と書いている人も居るが豆味噌に表されるように旨味やダシが濃いと自分もそう感じる。

本当に濃いのは山の中だと思う、山梨とか、自分には京都も濃く感じる。
海が遠かったから輸送経路の長さと濃さ(強さ)は関連する気がするんだ。
海から近いプロバンス・ノルマンディー・ブリュターニュに比べて太古のパリの料理なんかも強い気がするんだよね。

(あと口が小さい女性でも味わえる様に少しワザと強めにしているのかな?、そうでないとガツンとイメージが残らないから他店に負けてしまう、繁華街に行くと強い傾向にあるのでは?、昔の銀座は違ったけれど、今はどうなんだろ?最近、他の町と似ていて行く気がしなくて・・・ロンドンやパリじゃないが年月が作り出す重厚さってあるんだよね、町の価値って使う人々が最後は作っていくと思うし)

まあ、京都やパリは都が海から敵に攻められないようにやや奥にあったからかもしれないのと、
「美食は貴族が作る」なんて言葉もあるが(←最後はそれが良いか悪いかを判断をして定着させるのはいつも民だと思うが←そこを考慮しないとビジネスは先細りになって失敗をする)、そういう意味で素材そのものではなく料理技術が発展向上したのかと。
だから漬物とかソースで・・・みたいな感じがする。

ただ作ってもらう人が美味しいと感じる味と、素材に何が入っていると解っていて作る人が美味しいと感じる味は違う。
勿論、料理は下拵えが命だからフレンチでその基本的な技術を学ぶのでは凄く重要だけれど。
素材と技術の味両方を表現出来る事が本当に美味しい気がする(対極的なモノかもしれないけれど)。
実戦ではそこを使い分けた方が良いかもしれない。
(本が出たら必ずチェックするアラン・デュカスとかも皿全体の素材全部に向かってそれを全て適確に掴み素材の味をこれでもかと活かしつつ表現し、ハーモニーも考えられている気がする。アラン・デュカスは子供の頃に憧れたなー)

大坂なんかも海が近いからソースは別として素材を活かして優しい気がした。

イギリス料理も国が海に囲まれているので素材の味が活きている気がする。
素材だけで食べられるというか。
ということはイギリス料理は特に素材そのものの味が重要になってくるのだな。
都会だと・・・難しいか・・・
(そういえば育てたハーブをそのまま料理すると凄いモノな・・・)

う~ん・・・

ウイスキーの種類について・・・。

・「知多」の様なグレーンウイスキーは、「穀類(トウモロコシや小麦等)」と「麦芽」を発酵させ、連続式の蒸留をし、樽で熟成させた穏やかな味で、サイレント(静かな)ウイスキーと呼ばれている。

「モルトウイスキー」は、大麦の麦芽を発酵させ単式蒸留器というもので2回発酵させた後に、オーク樽で熟成させるので、樽の風味が加わって風味が複雑になる。
個性を引き出す事を目的としているのでラウド(声高な)ウイスキーとも呼ばれる。

「ブレンデッドウイスキー」は、ブレンダーという専門家が強い個性同士のモルトウイスキー同士を合わせ、更にまろやかなグレーンウイスキーを合わせて、まろやかさで包んだ新しい味。

※ワインなどの熟成にも使われるオーク樽の原料はブナ科のナラ属の木(の総称)で、欧州のフレンチオークとUSAのホワイトオークがあり、
フレンチオークはバニラの香り
ホワイトオークはバニラとココナッツの香り
と言われているらしい(価格はフレンチオークの方が倍以上)。
日本ではミズナラという木が多く使われているとのことで、オークは丈夫なので帆船などの船舶材や家具・床などに使われる。

 因みに店員さんが言われていたのは「時間をかけて飲んでください、葉巻をくゆらせるように、コップに顔を近付けていって口に含まなくたってかまいません、そういうものですから(お店としては売り上げがいかなくてツラいですけれど、値段も値段ですし、ガブガブ飲む必要はありません)」って。


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