今日の料理(こだわりがないのがこだわり)

フードリテラシーに沿いつつも、なるべく夢のある料理や飲食をジャンル・国境・時代・時間をボーダレスに越えて書いています。

カッテージチーズ造りから~「メイズ・オブ・オナー」

2015年11月17日 | スイーツ
 前から作りたかったけれど、材料が揃わなかったのと(買ってまでは~と)、パイ生地を自分で伸ばすか?冷凍パイシートを買うのか迷っていて作らなかったのだが、
たまたま、杏(アプリコット)のジャムが余っていて、そろそろ使ってしまわないとなーと思っていた時、

そうだ、今度こそ作ろうって。
(なかなかやった事が無い事って、おっくうで仕方が無いものだけれど、面倒臭がっていたら何も吸収出来ないから)

材料は、
・アプリコットジャム(何かで大量に貰ったもの)
・カッテジチーズ(結構、買うと高いんだよな~)100g
・カレンツ(案の定あまり売っていないので、レーズンで代用)20g
・レモンの皮1個分をすりおろす
・アーモンドパウダー(こればかりは買わないとな)10g
・卵1個
・塩少々
・グラニュー糖(ヨーグルトに付いてきていたのを貯めておいた)25g~28g(カッテジチーズの塩加減による?かも?)

さて、カッテージチーズだが、高い、どうするか?
・・・
作ろう!!

牛乳500ml(それしか余って無かった)を

かき混ぜながら60度~70度ぐらい(1~2秒間ぐらい指を入れられる温度)に温め火を切り、

お酢(カンキツ系の酸で作るとなめらかになるらしい)を大匙2.5(普通1000mlに大匙4らしいが、牛乳を半分にしたからって、お酢も半分で同じ効果になるとは限らないので、一応、0.5後足した。)を入れ、一気にかき回す。

しばらく放っておくと分離してくるので(↓このぐらい分離すればOk)

深い器の上に置いたザルに布巾かキッチンペーパー(薄手なら2枚)を敷いて(焦らずゆっくりでいいよ。)、

漉すと、乳清と別れる。(ここで一気に絞らず自然の重力に任せて放っておくと、酸味が少ないチーズが出来るらしい

それでも酸味や酢の風味が気になるなら、ボールに(一応自分はもし破れた時の為にザルを敷いて)カッテジチーズを置き、

水の中で揺するように洗いする。

好きな硬さにギュッとしぼって測りに乗せ、

出来上がった重量の1%の塩をするらしい(あまりカッテージチーズを買わないので解らない)。

ただ、ここで大きな誤算が、水洗いした紙が水を吸って重量が重かったのか、塩が多かったのか?、味が塩辛くなってしまった(でも市販のモノは塩が入っているらしい)。普段カッテージチーズを買わないからよく解らん、塩辛いチーズもあるが、これは絶対菓子には合わん・・・ということは・・・
どうするか?・・・
そうだ、もう1度水洗いして「塩抜き」をしよう(適度に塩を抜く、塩辛過ぎてもダメだが、塩気がないとこのお菓子は美味しくないはず!!

適度な硬さに絞って、デキた!!、作り立てって尋常じゃなく美味しい(このまま食べたいが我慢)。

ここでカッテージチーズの製作は終了、ラップをして一応冷蔵庫にしまっておく。


アーモンドパウダーをフィリングを作るボールの中にふるいながら重さも計る(勿論、ザルの分の重さは引く)

よく洗ったレモンの皮をする(この作業が1番大変だった)

レモンの中身は密閉して冷蔵庫へ(後日何かに使おう)

カレンツが無かったので、有機栽培のレーズンを、確かカレンツは味が鋼の様に強くて小さい粒だったのを思い出して、レーズンを刻んだ。

アプリコットジャム以外の材料をボールに入れる(測りに乗せながら入れていくと良いよ)。

なめらかになるまでかき混ぜる。

味をみて(このままでもかなり美味しい事がこの時点で解ったが)、それでも、やはり自作のカッテージチーズの塩気がやや強かったので、これでアプリコットジャムの味を足すとバランスが悪いなと考え、グラニュー糖を少しだけ足して全体の味のバランスをとった。
(このぐらいのアレンジは許容範囲だ。というかダメになる事が解っていて、言われた事だけしか出来ないのではダメ。持っていきたい味のゴールと、味を見て全部の材料から出来上がる味が想像出来た、あとカッテージチーズから自作しているから解る。)
更に味をみて(←あくまで味は引き算ね入れ過ぎると修正利かない)フィリングは密閉して冷蔵庫へ一応保冷しておくと安全。


パイ皿(普通ならマフィンの型)にサラダ油を薄く塗り

同時進行していたパイ生地を伸ばして(慣れたら市販の冷凍パイシートでも良いのだろうけれど家の周りに売っていなくて「じゃ、作るか?」と、イギリスにしてはビスケット生地のようなショートクラストではなく折り込みパイのパフペストリーなのは珍しい。パフ生地も使うのだけれど、バターが多くて費用が重む。)

パイ皿の面積より少し広めに生地をカットしてパイ皿に敷き

薄い部分の縁は、切り取って余ったパイ生地の裏に水を薄く塗って接着&修正出来る。

アプリコット・ジャムを薄く塗る(少しジャムが分厚い部分があったのであまり杏ジャムが強くても良くないから内側側面にも少し塗った)。

こんな感じで下準備完了(無事膨らんでくれ、まあ、別の菓子で先に実験して成功は確認しているのだけれどね)。

側面はフォークで模様を付けた。

200度のオーブンで20分~30分焼いて(←うちのオーブン古いからパワーが弱いから性能は住んでいる地域の気候や湿度、その家庭によるので、自分ちのオーブンの性能やちょっとしたクセを掴んでおく事。)
完成!!、遂に出来た。(本当はマフィン皿で小さく作るのだが、うちにはマフィン皿が無いので、ちょっと大きいメイズ・オブ・オナーだ。

ピザみたいに切るのもなんだけど、この大きさである以上、食べきれる訳がないので仕方が無い。
でも、尋常じゃない味、自分の中にない味、世の中にこんな味があるなんて。
作る前はチーズケーキのゴチャゴチャした版か?と思っていたが、「格」が違う。
熟成していないチーズと塩気、レモン、卵、全てが主張している、「別格」という感じがした。

ヘンリー8世がこのあまりの美味しさにメイズ・オブ・オナーを考案したメイドを城に幽閉してまで世間に口外させなかったといわれる500年の伝説を持つ伝説的お菓子












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