テレビでは中性的なメイクアップアーティストやデザイナー、美容師たちが大活躍しているのは見て知っていたものの、実生活のなかではせいぜい美容室にヘアカットをしに行くくらいにしか、美容にたずさわる機会がなかったので、それほど実感として感じることもなかったのですが、先日、母と百貨店で買い物をして、改めて男性の活躍に驚かされました。化粧品売り場で化粧品を売るのですから、化粧をしているのは当たり前なのかもしれないのですが、男性が化粧というとビジュアルバンドくらいしか思いつかない私にはほんとにカルチャーショックだったのです。男性のメイクさんなんてテレビでしか見たことがなかったので、思わずじろじろ見てしまったのですが、驚いたことに、その男性も化粧をしているのです。私は、化粧品売り場=女性の空間というイメージしか持っていませんでしたので、なぜそこに男性がいるのかということに「ココはいったいどこ?」と、まず軽くパニックになってしまったのです。
美容関連の仕事に男性陣の活躍がとても目立ってきているなぁと最近強く感じます。私には子供がいることもあって、最近はあまり外に買い物に行くことも少なくなってしまい、活動範囲はせいぜい近所のスーパーマーケットと商店街の往復程度でしかありませんでした。化粧品売り場には、メイクの仕方を教えてくれる美容部員の人たちが店舗ごとにいるのですが、そのメイクを施してくれる人が若い男性だということに、ほんとにびっくりしてしまいました。化粧品や美容用品は通信販売のお世話になるか、駅前のドラッグストアで購入する日々でした。
メイクを施す爪先にはきっちりマニキュアも塗られていました。そんななか、休日夫が赤ちゃんの世話をしてくれるというので、化粧品を買うから百貨店に付き合ってくれという母に付き添って、百貨店に気分転換をかねて行ってきました。美容やファッションにあまり興味がないので、百貨店といえばせいぜいデパ地下グルメをめがけてすぐに地下の食料品売り場にもぐってしまうもので、化粧品売り場に行くのは本当に何年ぶりかのできごとで、なんだか申し訳のない気持ちで店内を回っていました。
思わず聞くと、ネイルサロンに通っているんですと普通にこたえられてしまいました。男の人がネイルサロンって!と思ったのですが、それほど珍しいことでもないようです。テレビの中の出来事=東京の話というイメージまでもが大きく覆されて、ぼんやり歩いていると、クレープを食べながら歩いている女子高生が前方から歩いてきて、「ここは、もしや原宿?」とあるはずのないことまで呟いてしまったのでした。