今日は子どもたちが毎日過ごしてきた森の冬じまい。
ベンチやテーブルをしまい、屋根にブルーシートをかけてながめると春からの子どもたちとの日々が浮かび上がってきました。
明日は、たいまつを持って森へありがとうを伝える火のおまつりです。
ずっと見守ってくれた森の仲間たちと空からいつも見守ってくれている地主の佐藤さんに、毎日火を炊いてきた子どもたちが、たいまつを持てるくらい成長した自分を見てもらいながら、感謝を伝える日です。
本当に成長したなーと思える場面が数日前にもありました。
今日が森で一日遊んですごす最後の日。でもあいにくの冷たい雨がザーザーと降っています。
最後なのでの森で集合しましたが、あまりの雨に「園舎に行きたーい」という声も出てきました。
でも一人の子はかたくなに「一日森に居たい」といいます。他の子もできるだけ長く森にいたいけど、一日は大変だし、思いっきり遊べないなーという気持ち。
ずっと森に居たい子の気持ちも大事しながら、妥協案を探りますが、なかなかです。
そのうちに「いつもそうやって自分お考えを変えないんだよな」「おれたちはいつも〇〇くんの気持ちを考えているのにさー」という声も出てきました。
ずいぶんと長い時間この問答をしていると疲れてきた子どももいて、どうなるかと思いまいたが、
最後は「わかった。そんなにここに居たいんなら、つきあってやるよ!」と一人子が言いました。すると何人かの子どもも「私も付き合う」「ぼくもいいよ」と。
そんな様子にかたくなだった子は、「いやーでもさー、お昼を食べたら園舎に行ってもいいんだよ」と言い方が変わってきました。
私が「お昼を森で食べるってことは、調理も雨の中でやれるのか」と確認すると、彼は「だーかーらー、11時まででいいよ」
となったのです。11時までは森で楽しむけど、園舎に行きたいみんなの気持ちを受け入れてくれたのです。
「わーありがとう」と何人かがハグをしに彼のそばにに集まりました。ハグされている彼の表情は忘れられません。
するともうみんなの気持ちは園舎に行こうという事になり、まだ11時にはなっていませんでしたが、みんなで園舎に移動しました。
その頃にはもう雨も弱まってきていたのですけどね、、、、。
移動する時の車の助手席は、考えを譲ってくれた彼のための特等席で取っておかれていました。
なかなか合意ができずに結末はどうなることかと思いましたが、
最後まであきらめなかったみんなと、お互いを本音で交わり合い、赦したり、攻撃したりをくり返し、
本当に互いを受入れ、赦しあったときの一体感は、なんだか数日たった今でもぬくもりとして残っています。
こんな自分の意見をぶつけ合い、互いを思い、思うようにいかないことも赦し合って最後まで関わりをあきらめない
子どもたちの成長と育っている心の芯のようなものを見せてもらった日でした。
この子たちをいつも見守ってくれた森、そして空の上のお山のお父さん、本当にありがとうです。
明日は、子どもたちの晴れ姿と共にありがとうを伝えつくしたいと思います。
そして、今年の火のおまつりはちょっといつもと違う思い入れもあります。
それは、3歳で空へ行ってしまった森の仲間も、同じく卒園の年なのです。あす主役となる子どもたちとともに入園したお子さんでした。
なので、この3年間は、彼もいっしょに森にいるんだと思いを持ってきました。
空にいる彼にも森に出会ってくれて、ともに在ったことのありがとうを伝えたいです。
明日が良い日でありますように。