Little Tree

日々のいとなみのなかで感じた子どものこと、季節の移ろいやこころに映る風景

春一番も吹きすぎて・・・

2008-02-25 10:46:09 | Weblog
今朝も、晴れ晴れとした水色の空の向こうに
真っ白な富士山がすっきりと浮き立って見えています。

週末のバタバタと慌しい空気を引きずっていたのか
先週からの「遅刻モード」のまま、「一触即発」のピリピリムードの漂う中
先ほどナントカカントカ言いつつ、ようやくkirikouが登校して行きました。

とはいえ、母の気持のほうは…ブログを書き出すまでは
ドボンと海の底に沈んだように浮き上がれそうにもないくらいの有様でしたが…

おかげさまで、ようよう落ち着きを取り戻して
いつの間にやら、いつもの平常モードになりつつあります。

(人のこころのうつろう様は、これほどまでにおもしろきものかはと・・・想いつつ)

いつものように…アタマの中のメモ帳をめくりながら
気になるお話など、ノラリクラリとさせていただこうかと思います。


先週の土曜日は、集合時間に間に合うように9時10分にはkirikouが家を出て
そのあと、私も慌てて仕度をして船の科学館駅を目指しました。

駅を降り立ったのが11時過ぎで、午前中はもう残りわずかとうことで

先に科学未来館のプラネタリウムの予約に行きました。

ほんとうは、お昼休みの時間帯に観ようと思っていたので
係りの方に聞いて受付で確かめていただくと「次は2時からの回になります。」とのこと。

「ちょうど11時半に一席だけキャンセルが出ましたが、どうなさいますか?」と言われて

一瞬、迷いつつも…どうにもプラネタリウムの魅力には勝てず
すかさず「チケットをください。」と言っていました。

「発券機のところへ行って、すぐにチケットを発行してください。
前の方が、先に購入してしまったら、残念ですが次の回になります。」とのこと。

発券機のところには、若い二人連れの方が操作をしていて
私の番になって確かめると…大丈夫でした!

ギリギリセーフで予約できました。

開場時間を確かめてから、国際交流会議場に行って受付を済ませて
プログラムをいただいて、またプラネタリウムに戻りました。

6階まで、エスカレーターで登っていくと家族連れや若いカップルや
何の団体か、子どもたちがぞろぞろと移動していました。

少しだけ列に並んですぐに中に入れましたので、
上から3列目くらいの席を確保してノンビリしていると
その団体の子どもたちがドッと入ってきました。

私の隣にひとつ空いていた席に、三人グループの男の子の一人が座りましたので

「何年生?」と聞くと、ボソッと「一年生…」

「学校か子ども会で来たの~?」と聞くと「子ども会…」とのこと。

その子たちが席に着くと、場内はあっという間に満席になったような感じでした。

最初に係りの方が簡単な紹介をして…いよいよ「偶然の惑星」が始まりました。

満点の星をバックにして、独特のナレーションと線描きのアニメーションで
太陽系の成り立ちや地球を始めとする惑星について、わかりやすく解説されています。

ふと気がつくと…様々な面白い音も聴こえてきます。

35分間、ワクワクする…楽しい時間と空間を体験できました。


さて、そのあとエスカレーターで降りていき

田中耕一さんたちのお話の展示されているフロアーに立ち寄りました。

ちょうどナビゲーターのお姉さんがお月様についてのお話をしていて
家族連れや小さな子どもたちが床に座って、熱心に説明を聞いていました。

モニター画面では「かぐや」からの鮮明な映像も示しているので
クイズを織り交ぜながら、とても興味・関心を引くようなお話が伺えました。

月の重心が、中心からずれているので
月の決まったほうだけが地球から見えていることは、私も始めて知りました。

最後に「ちょうど今日、種子島宇宙センターから人工衛星『きずな』が打ち上げられます。

玄関横のモニターで、発射の様子が映し出されます。」とのお知らせがありました。

説明が終わってから、お姉さんに「『きずな』は、何のために打ち上げるんですか?」と伺ったところ

「インターネット回線を衛星を経由してつなぐ実験(?)などを行う予定だそうです。」

詳しく説明してくださいました。
(とってもきれいな…方で、良く勉強していらっしゃるので感心してしまいました。)

(HPによると『超高速インターネット衛星「きずな」打ち上げ成功!!』とのこと。)


それから、近くのコンビニでパニーニサンドとチョコワッフルを買って
飲食コーナーで、外を眺めながら食べました。

お店に入るまでは…それほどの風ではありませんでしたが
席について食べ始めると…窓や扉が震えるほどの強風が急に吹いてきました。

外を歩いている人も風に押されているのが、見て取れます。

12時40分頃に家へ電話をすると、kirikouも帰ってきていました。

それからカフェオレを飲みながらゆっくりしてから、会場に戻って
「睡眠と社会:脳科学からのアプローチ」領域架橋型シンポジウム
午後の最初の講演を伺いました。

演者は、理化学研究所の宮本浩行さん、
演題は「マウス視覚野の神経活動から探る睡眠の働き」です。(抄録より以下転載)

 「脳の発育や脳機能を円滑に維持するうえで睡眠は欠くことのできないものと考えられています。とくに睡眠は日々の経験を記憶として定着を促すという学説は広く受け入れられつつあります。しかし眠っている脳の中で実際にどのようなことが生じて、記憶が定着し想起できるようになるのかなど基本的な目かに済みについての多くは未だ謎のままです。(中略)

本講演では、これまでの研究で明らかになった以下の知見について説明する予定です。

(1)覚醒時とは異なる様式で睡眠中でも脳は外界からの感覚情報に応答している。
(2)神経細胞と神経細胞間の情報伝達は覚醒時よりむしろ睡眠時に強まっている。
(3)神経活動を抑える抑制性の神経伝達は視覚応答の特性や睡眠時の情報伝達の促進に必要である。

さらに、適切な感覚入力と睡眠による情報伝達促進が脳の可塑性の発現に重要である可能性を提唱したいと想います。(引用ここまで)

マウスの睡眠時および覚醒時の視覚野の神経細胞の活動のデータなどが、とてもきれいに取れていて
とても興味深い研究発表でした。

神経細胞の活動と神経細胞間の伝達について、
その強化のメカニズムや記憶の定着・編集機能など

「睡眠」という視点からの様々な研究アプローチに、大いに期待がもたれます。

モチロン、マウスとヒトという生物種の違いはありますが

DNA上の差異は、意外にそれほど大きくない…と言われておりますので
(詳しいデータは…手元にありませんので、おおよそのことで申し訳ありませんが)
このような基礎研究の知見は、
すぐに社会的な貢献に結びつくということではないとは思いますが…
とても大切なことを教えてくれると思います。


さて、質疑応答の時間を終えて、ちょうど2時になりましたので
(路線検索で確かめておいたとおりに、豊洲駅→半蔵門駅に出ることにして)
会場を出て、テレコムセンター駅まで向かいました。

いつの間にかグレーの雲が広がって
ガラス張りの大きな建物の間を相変わらずつよい風が吹き抜けていました。

(いつもとは違う)初めてのルートで、ゆりかもめからの東京の眺めを楽しみながら
豊洲駅に向かいました。

埋め立てられた海側から見ると…ずいぶんたくさんのビル群がそびえていて
ビルとビルの間から東京タワーがヒョッコリと覗いていました。

空いているゆりかもめに乗っていたおかげで

駅のホームと電車の間のガラスに、駅ごとに違う色とりどりの模様が書かれていることに
気がつきました。

終点の豊洲駅で、女性の駅員さんに伺うと
日本古来の伝統文様を用いたデザインとの説明が、ホームの端のほうに書いてありました。

色合いと言い、その文様と言い
「江戸小紋」といわれる着物を思い出させる粋な計らい…に感じました。

皆様もお気づきのこととは存じますが、今度ぜひご覧になってみてくださいね~!


さてさて…地下鉄への乗り継ぎは、スムーズに行きましたが
永田町駅で、方向を失って(渋谷方面に乗ってしまい)

電車の中で路線案内を一生懸命見ていたら
そばにいたお嬢さんが「ドチラへ行かれるんですか?」と親切に聞いてくださって

やはり、反対方向に乗っていたことに気がついて
次の駅で降りて引き返しました。

そんなこんなで、いつものギリギリペースで
3時ちょうどにPHP研究所の6階の会議室にたどり着いて
今回も、右からふたつ目の前から2列目の真ん中の席に座りました。

山折先生は、ゆっくり入っていらっしゃると
席についてから、会場の方をぐるっと一回りご覧になって

司会の方のご紹介の後、ほんの一呼吸置いてからお話を始められました。

まず、昨年中国に行かれたこと
「玄奘」=三蔵法師について、そして「西遊記」「大唐西域記」についてお話を進められました。

世界の歴史的に重要な人物として「玄奘」「マルコ・ポーロ」「コロンブス」の3人と

同じく、インドと中国を結ぶ人物として「玄奘」「法顕」「義浄」の3人を挙げて

これら大旅行家たちの客観的な比較研究と後付を試みてみたいとのことでした。

そこから、お話は「般若心経」の成り立ちや
日本における意味について、お話になって

インドにおける「ゼロ」そして「空」「無」について説きながら
インドと日本、そして中国も経由しながら、縦横無尽さながらの様子で行き交いつつ

さらに日本人の「心とは?」「心の世界の探求」についてのお話に進んでいきました。

私の拙いメモ書きから写しますと

*古代、寂寥(さびしさ)の中で生きていた万葉人=『清き明き心』を旨とする

*最澄:『道心』は国宝なり

*空海:『十住心』「一隅を照らす」

*法然、親鸞:『信心』

*明恵:『菩提心』

*道元:『身心脱落』

*世阿弥:『初心』「心技体」

*近代:「無私」「無心」

現代の日本人の「無信仰の宗教観」「師と弟子という垂直方向の軸」
「許し」「寛容」などについても言及されました。

さらにインドの無常観は、明るい世界観を伴うが

日本では、生きて死ぬという「矛盾三原則」(?)を受け入れつつ
ペシミスティックな「無常観」と古代からの豊かな感性を背景とした「自然と生きる快感」とをもつ
二重構造を持っているとのことでした。

お話を伺っていると…なるほど…とうなづくことばかりですが…

私自身の中で「ほんとうにそうだろう」という納得が得られているわけでは
まだまだありません。

当分の間…アッチ行きコッチ行きしながら、答えは見つかりそうにもありませんが
いろいろと見聞きしながら、考えていきたいテーマです!

休憩時間にPHP新書の「宗教の力 日本人の心はどこへ行くのか」を購入して
持っていた「ブッダは、なぜ子を捨てたか」の2冊に

ソファで歓談なさっていた山折先生にお願いしてサインをしていただきました。

「良かったらどうぞ」と言ってくださったので

私もソファに腰掛けて、一時ご一緒にお話をさせていただきました。

河合先生の追悼番組で、山折先生との対談を拝見したこと
京都の雪の具合や前回ご質問した宮沢賢治の童話についてのお話や

(山折先生も毎朝一時間ほど「勝手坐禅」をなさるとのことで)
私の昔の円覚寺での座禅のときの体験についてなど、いろいろとお話をすることが出来ました。

様々な視点から「人の心のありようについて」「宗教について」など
ほんとうに、良くご存知でいらっしゃると同時に

飽くことなき探究心をお持ちになって、様々なことを語りそして深めていらっしゃるご様子に
私も、ほんとうに大きな刺激をいただきました。


3回目の講義は、3月15日なので
また、いろいろなお話が伺えることと楽しみにしております。

そうこうするうちに、日も暮れかかり

kirikouに電話をして「今夜は、おばあちゃんの家でお夕飯だからね~!
先に行っていていいよ~!!」と伝えると、どうもハッキリしない答えです。

「お留守番できて、ありがとうね~!!お土産何がいいかしら~?」と聞きながら

急ぎ足で家路に着きました。


一体、何ゆえに私はこんなことをしているのかしら~???

と、ふと思うことがないわけではありませんが…


心の赴くところに従いつつ、その心の様々なありようを見つめつつ

いま目の前を移りゆく様々なことに、肩の力を抜きつつ関わっていくことは

なかなかに、たやすきことではありませんが…

どうにもこうにも…うれしきことに想われてなりません。



なんだかありきたりなコトバしか思い浮かんできませんけれど…



蒼き星春一番も吹きすぎて ふるきをたずね未来を望む


                     風待人

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