Little Tree

日々のいとなみのなかで感じた子どものこと、季節の移ろいやこころに映る風景

近代文学館にて・・・

2008-10-13 07:53:24 | 表現すること
今朝も曇り空。

鳥の鳴き声が、ひときわ賑やかに聴こえてきます。

きっと色とりどりの秋の実をついばむのに、忙しくしているのかもしれませんね。


昨日は、あれからkirikouたちの紅白戦の練習の様子を観ながら
お当番や役員のお母さんと、おしゃべりをして来ました。

kirikouもレフトを守って、時にはショートゴロのカバーに入るような動きをしたり
ヒットを打つ場面も見られて、案外チームに馴染んでいるようでした。

その頃には、青空が広がって太陽も顔を見せておりましたので
ほんとうに、スポーツをするのにピッタリの秋の一日になりました。



(午後は、家でノンビリゆっくりと過ごして…

そうそう「全国合唱コンクールの中学生の部」をやっていました!

結果はともあれ、会場の全員で歌う「手紙」も、ほんとうに素敵でした。

「篤姫」に続いて、NHKスペシャル「病の起源」では
「読字障害~文字が生んだ病」を放送していましたね!

皆様は、ご覧になりましたか?

日本で、ディスレクシアの方々の支援をしているNPO法人で、
よく知られているのが「EDGE」です

NPOエッジ:http://blog.livedoor.jp/npo_edge


画家のマッケンジー・ソープさんをお招きした
「愛をはこぶ人キャンペーン」に関連するシンポジウムが開かれますので、
関心のある方は、是非チェックしてみてください!!



さて…

昨日、途中までになっていた神奈川近代文学館での「堀田善衛展」にちなんだ

宮崎駿氏の講演「方丈記私記と私」のお話の続きを、もう少しだけ、いたしましょう…


ジブリの雑誌「熱風」の中で、宮崎監督と堀田善衛氏の本や実際の出逢いもあって
親交がおありだったことなど、書かれていましたが

トツトツと、けれどひとつひとつの言葉を丁寧にお話になる監督の表情がとても印象的でした。

講演などは、不慣れ(不向き?とおっしゃったかも)でいらして
一年半も前にこの講演のお約束をして、「ポニョ」の映画製作に入っていたので…

と、時おり頭をかきながらおっしゃるのが、どこか子どものようなお気持を持った…
もともと、隠し事のできない…タイプの方に見受けられました。

近況は、ジブリの保育園で子どもたちと一緒に遊ぶのが
とても楽しくていらっしゃるとのこと。

肝心の本題に入りますと・・・1941年生まれでいらっしゃるので、
幼いながらも戦争にまつわる記憶がどこかにあって

戦後「どこか、恥ずかしい」という感覚を持って
「何を支えに生きていけばいいのか」ということを問い続けていらしたそうです。

そんな中で、堀田善衛さんの文章に出会って
「背筋がしゃんとする経験を味わって」
「心の強い、(いつも?)同じ位置にいる人」として、
監督にとって「座標になる人」だと感じたそうです。

堀田さんの作品について話していたら「映画にしたらいいじゃない…」と
掘田さんがおっしゃったそうです。

監督としては「いろいろとイメージしてみるけれど…とてもできそうにない。」とおっしゃっていましたけれど

「窓を開けると…都の辻をつむじ風が吹きすぎて、空が真っ赤に燃えている…」というような
(私のうろ覚えで申し訳ありませんけれど)映像が、
監督の脳裏には見えていらっしゃるように、私には思えました。

それから、ご自分のことを「絵草子屋」とおっしゃっていたのも印象的でしたし

堀田さんの晩年のエッセイ「空の空なればこそ」の中の言葉を
とても大切になさっているとのことでした。

堀田さんのご長女の百合子さんやプロヂューサーの鈴木さんも会場にいらしたそうで
宮崎監督が、堀田さんという大きな礎を得て、
これまで様々な創作活動をしていらっしゃった足跡についての
いくばくかを、伺うことができました。

一時間ほどの講演のあと、フロアからの質問に丁寧にお答えくださいました。

監督やジブリ作品のファンという若い方もたくさんいらしていたのでしょうね。

「ヨーロッパの優れた(?)絵画を、たくさん観るように…」などなど。

私も手を挙げて、一番最後に

「今回、堀田善衛さんのことを知る機会を得られました。

堀田さんは、とても厳しい眼をもっていらして
時間と空間を縦横無尽に飛び越えるようにして、文章をお書きになる方のように感じました。

ジブリの雑誌「熱風」の中にも親交があったとありましたが
何か個人的に印象に残ったことなどあったら教えてください。」と伺ったところ

少しのあいだ、何かを考えていらっしゃるような表情をなさって

「司馬さんと堀田さんに挟まれて鼎談を行ったこと」

それぞれの方の印象などを、お話してくださいました。

「堀田さんは、(日本だけでなく世界も含めての意味だと想いますけれど…)

上のほうから、全体を大きく見ている人だったように想う。

大きくて、とても優しい…人でした。」というように、私には聴こえました。

「監督が子どもたちに関わっていらしゃるということは
これからの未来に向けて、とても素晴らしいことだと想って、とても期待しております。」
という意味のことを、お伝えしようと言葉を発しましたが…
うまく言えていたかどうか…今となっては、あまりよく思い出せません。


(ある方のブログで、講演の内容についてお書きになっていましたので
詳しいことは、またそちらをご紹介できますように…)

どこかで講演の内容が活字になったら、うれしいのですけれど
いかがでしょうか?


会場の外には、お着物を召した堀田さんのご長女と思しき女性がいらして
「きっと素晴らしい方でいらしたんでしょうね!」などと
ついつい気にかかって、お声をかけさせていただきました。

展示の方は、講演会にいらした方々がたくさんご覧になりそうでしたので
改めてゆっくりと観に来ることにして

宮崎さんの書かれたイラストの絵葉書と図録を買うことにしました。

kirikouったら、展覧会のチラシの船のイラストを観て
「これって、ハウルの動く城でしょう?!」って、言っていたんですよ。


帰りがけ、出口のところでFM放送の方からインタビューを受けて
(慌てていたので、どんなことが言えたのやら???)

白髪を綺麗に結い上げたご高齢の女性とご一緒して
講演の感想などをお話しながら…

ほんとうに何種類もの秋のバラの咲き始めたお庭を抜けて
地下鉄の元町・中華街駅までの、坂を下って行きました。

すっかり青空が広がって、気持のよい風が吹いておりました。



読みかけの「方丈記私記」に描かれた世界に比べれば

「今の私は、なんてノンキに暮らしているんだろう?

けれど、よくよく世界を見わたしてみたら
いろいろな人たちが、ほんとうにいろいろな暮らしをしているのでしょう。

私には、見えていないこと知らないことがたくさんあって
考え出すと…どうしてよいのか、途方にくれてしまいます。

それでもなお

「過去と現在をつなぎつつ、未来に向かって一歩を踏み出せますように~!!」


皆様も、それぞれのお力を存分に発揮していただけましたら、ほんとうにうれしいです!!



10人いれば、10通り。

100人100様のお得意なことをつなぎ合わせてみたら
綺麗なパッチワーク模様の大きなカーペットが、できるかもしれませんね!!


(私もようようスキマの時間をつなぎ合わせて、何とかここまでたどり着きました。)



いつの間にやら、外も真っ青な眩しい秋空が広がっています!!


皆様も、お心もかろやかな、お健やかな佳き一日をお過しくださいネ!!


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4 コメント

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コメントありがとうございます。 (紅の猫)
2008-10-13 22:10:30
こんにちは、コメントありがとうございます。
自分の様なものの文章でよろしければ是非とも使って下さい。とても嬉しいです。
トラックバックしようと思ったのですが出来なかったのでどうしたらよいでしょうか。

展示会の感想ですが二部構成で前半は堀田善衛の身の回りの品や著作。自筆の原稿や手紙等が展示されていました。
最近はパソコンで書く人が多いんでしょうが自筆はその人の人となりが伝わる気がしますね。
後半は「方丈記私記」と「路上の人」を映画にするならという設定で宮崎吾朗監督がイメージボードを描かれていました。
宮崎駿監督が全否定されていましたからね。ついついそう見てしまいます。
一見したところラブストーリーや無常観が表に出ている印象だったので講演会で触れていたイメージの飛躍が足りないのかもしれません。
返信する
こちらこそ!いらしてくださって、ありがとうございます。 (風待人)
2008-10-14 08:00:18
紅の猫 さま

宮崎監督のお話が、ご縁になって
(ネット上ですけれど・・)お話ができて、私もほんとうにうれしいです!!

トラックバックのことは…私も不慣れで、良くわかりませんが
私のほうからTBをしてみます。

紅の猫さまの記事から、講演のお話の内容が良く伝わってきて
「アァ~、そんなことも、あんなこともおっしゃっていたなぁ・・・」と
思い出していました。

(歳のせいでしょうか・・・キーワードを、いくつかメモした程度で
後の細かなところは、すっかり消えてしまっていますので・・・)

私自身は、文学館での講演は初めてでしたので、想像の域を出ませんが
今回は若い方の参加が多かったのではないでしょうか?

展示について、『イメージの飛躍』が気にかかられたとのこと。

絵や言葉で、何かを表現したり、
それを「人に伝えること」の厳しさや奥深さを感じますね・・・

何かしらの創作をする人や表現をする人にとって
ほんとうにいろいろな面で刺激的な講演になったように感じます。

堀田さんやそのご本や宮崎監督との出逢いを得て
とても良い機会に恵まれたましたこと

そして、紅の猫さまと知り合えましたこと
ほんとうに、ありがとうございました!
返信する
はじめまして (珊瑚)
2008-11-03 19:11:59
私はつい最近、ディスレクシア(読字障がい)であることがわかりました。


読むことが大好きと思っていたので、とても悲しく…


読字障がいについては知識が皆無に近いので、支援団体について触れられていたのが嬉しかったです。


ありがとうございました。
返信する
ようこそ、お越しくださってありがとうございます! (風待人)
2008-11-04 10:18:29
珊瑚さま

こちらこそ、はじめまして。
何かのご縁が、つながったのでしょうね。

そうでいらしゃいましたか・・・
これまでに、かなしいこと、いろいろと大変なこともおありだったのでしょうね…

ようやく、少しずつ皆様にも知っていただくようになりましたから
これから、便利な道具(音声機器など)や
いろいろな工夫や手立ても見つかると想います。

私のささやかなブログもお読みいただいて、ほんとうにありがとうございます。
ほんとうは、読むことがお好きでいらっしゃるとのコト。

(少しずつならば・・・大丈夫ですか?)

珊瑚さまは、どんなお話や分野がお好きなんでしょう?

無理をしないで、お好きなことも大切にしていらしたら
とっても素敵だと想います。

また、お時間のあるときに、フラッと遊びにいらしてください!

お話を伺うのを楽しみにしていますネ。
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