戦時中のことでした。パン製造所の地主の娘さんからある日食パン1斤をもらいました。当時、食りよう統制が厳しくなりつつあり食パンなんか見なかつた様に思います。嬉しくて家で皆なと分けて食べよと殊勝な事を考えた様ですが、1クチ、それも貴重品だつた砂糖をつけて食べたところ美味しくてが我慢出来なくて気が付いたら全部たべてしまつていました。今、食パンの袋を開けた時必ず1枚手にとつて匂いをかいてしまいます。なんていい匂いだろうと、うつとりしてしまいなす。98才になつた今、ほかにいろいろあつたのに、忘れさつたのにこのパンの事を時々何故か思い出すのです。
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