湯めぐりシリーズNo.130
平成24年7月21日(土)~22 日(日)
温泉ホテル つつじ荘 北見市留辺蘂町温根湯温泉392 0157-45-3355
泉 質 アルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性高温泉)
泉 温 50.4℃ 湧出量420L/min動力
pH 値 9.32 成分総量0.374g/Kg 無色澄明、無味、無臭
効 能 運動障害、疲労回復、リュウマチ、神経痛
宿泊料金 ¥7,000 トイレ付 夕・朝食とも一階食堂
温根湯温泉の開湯は、明治32年(1899)と古く、むかしからアイヌの人々がいう“オンネユ”とは「大きな湯」の
意味だ。
チェックインまでに相当の時間的余裕があり、紋別海洋科学館に立ち寄り、はじめてのクリオネを観察、きょうは普段
有料の入館料を無料で開放している。
北見工大生や、地元の高校生がなにかのイベントを開催すべく準備を進めている。
その先、おみやげを求めた湧別漁協の直売所「オホーツク湧鮮館」では早朝から買い物客が列を為している。
近海で水揚げされたカレイや北海しまエビ、しじみなどの生ものから乾物、冷凍品、加工品など、ここならではの品ぞろ
えだ。購入したいものばかりだが、もう一泊するので乾物(たらのとば)のみにする。
これが帰宅後大好評を得ることになり、着払いで指定発注した。
クルマを進め、常呂の販売所で追加の数品購入。これでおみやげは確保できた。
サロマ湖展望台に登ってみたが濃霧の中に埋没し、視界10メートル。
早々に諦め、網走市卯原内の能取湖畔のアッケシ草(サンゴ草)群生地に寄ってみる、
今年も状況が改善されず、縮小は更に進んでいる。
昨年、地元の卯原内観光協会による土砂搬入で、土壌や地下水が強い酸性になり、アッケシ草の生育不良につながっ
た(7/25道新朝刊)…
「やはり野に置け蓮華草」滝野瓢水…ではないが、自然のものは自然に任せ、いらぬ手を掛けぬが肝心だ。
古来よりあるものに人工の手が加えられると,そのものの体系破壊が惹起される。
能取湖では、降車もせず駐車場をひと回りしてアッケシ草を覗き見したものの全然見えない。
その後、網走湖を経由、以前昼食をとった網走港の近くにある「道の駅」2階のレストランで早めの昼食。
以前と同じ石焼カレーライス(コーンポタージュのドリンク付き)を注文。懐かしさと、うまさを堪能。
主目的の温根湯は、名湯の名を馳せ最盛期には9軒もあった温泉宿もいまは、当館を含め3軒のみ。
温泉宿の選定でいままで迷ったことがないのは、候補のなかから絞り込む方法として事前調査の段階で、
源泉100%、掛け流し、pH値を意識的に選定し、検証する。
当館の脱衣所には温泉分析書に添え書きで「当施設の温泉は加温、加水、循環させていない純度100%の
天然温泉です。」…とある。
そんな名湯が溢れている湯宿でも、宿泊客はわれわれふたりのみの貸切状態。
建物は大きく、設備なども古めかしいが、往時は盛況だったに違いない。
ノリとアイロンの効いた白衣に身を固めた板前さんが、ふたりのために確かな温泉料理を振る舞ってくれた。
ビールの量をセーブしたので、旨さも手伝い完食した。
浴槽は半円の扇型円心に湯口があり、注ぎ込まれた純度100%の源泉が惜しげもなく放物線状の波形を描いて
浴槽から洗い場へと掛け流されている。まるで、漣のようだ。
障りのないあっさり味の湯味がよくて、都合5回入浴、昨日分を挽回する。
翌朝、今月7日に改築しリニューアルした山の水族館を覗いてみる。
閑散とした温根湯温泉の復活の呼び水/起爆剤にと開館した(7/21道新夕刊掲載)。
ここでは、イトウやオショロコマ、ニジマスなど道内の淡水魚や熱帯魚など50種類3千匹を展示ており、年中無休。
道の駅・おんねゆ温泉の敷地内に隣接するこの水族館は午前9時からだというのに、8時にはキャンパーやライ
ダーが押しかけていて、焼き鳥や弁当を求めて水族館前に連棟している売店に溢れている。
閑散とした地続きの温泉街に比べると一種異様に映る。
最近、安全、安心の観点からも、トイレや食料調達、飲料水の確保などのため至極便利な、道の駅の駐車場が
利用される。
開館まで1時間の間があるため、入館は次回に譲ることとして道の駅を離れた。
この度の2泊3日の旅行では沁みる出遭いや見聞はなかったが、ホテル日の出岬での夕食時、最後にデザート
として出たアイスクリーム、紋別海洋科学館で初めて見た「クリオネ」、雲間にかすんでいるサロマ湖展望台への
途中、道路の脇道からヒヨッコリ顔を出した三匹の子ぎつねが印象が残る。
次回、この温泉郷にほど近い「ポンユ・三光荘」に期待する。
2日目の走行距離35キロ。3日目走行距離280キロ。自宅からの総走行距離数906キロ。