沖満雄さんです。
若い頃は戦争に行かれており西陣織のデザインをする仕事をしながら平和活動も熱心にされていました。
優しくて人望があって、家には相談する人がたくさんきはったそうです。
情熱的な方で、奥さんとのドラマにできるような純愛ストーリーがあって結婚されたんですって!
仲が良くって、迎えにいくと「お父さん。。。いってらっしゃい」って寂しそうに見送られて、
送りにいくと膝をついて「お父さん。。。お帰りなさい」って笑顔で迎えてくださいます。
3年前からひだまりに来ておられて、時々、体調を崩されて入院されることもあったけど
花を見たり、金閣寺に行ったり、祇園祭りに行ったり、一緒に遊びにいくたびに元気になられて
「会いたい人に会うこと。忘れられない思い出の場所にいくこと。心の底からワクワク、ドキドキすること」
そうすれば人は何度でも元気になるんだよって沖さんに教えてもらいました。
今年に入って、頻繁に熱が出るようになって、だんだんと食べられる量も少なくなってきはったんです。
「沖さんや奥さんから聞いた沖さんの人生を、家族やひだまりのお年寄りや職員で共有しよう!そしていつまでも沖さんらしくいてほしい!!!」
って思って、ひだまりの職員で紙芝居を作って、みんなの前で発表会をしました。
当日、奥さん、娘さん夫婦と息子さん夫婦、そしてお孫さんがきてくださいました。
「ひだまりのほほえみの貴公子こと、沖満雄物語のはじまり、はじまり~」
「お父さん。。。」
紙芝居をやっている間、何度も手を取り合って話しかけらる奥さん。
「そんなことがあったんや。。。。」
沖さんご夫婦の馴れ初めや、沖さんの壮絶な人生を初めて知って、涙を流される娘さんやお孫さん。
「ホンマに沖さんも奥さんも幸せやなぁ」ってひだまりのお年寄りも涙されてはりました。
次の日の夜から、息子さんがアルバムや沖さんがよく歌っておられたCDをもって泊まりにきてくれはって
沖さんと一緒にお酒を飲みながら、「怖いけど優しい親父やったんですよー」って思い出話をいっぱいしてくれはりました。
夜が明けるとひだまりのお年寄りが沖さんに「頑張って!」と話しかけたり、歌をうたったりして沖さんを励ましておられました。
その日の夜も沖さんの部屋で、みんなでお酒を飲んで、やっぱり人生相談をしていると
だんだんと呼吸が変わっていって、最期は家族に囲まれて天国へと旅立たれました。
最期のお風呂は家族の方が順番に身体を洗って。
「親父と最期までお酒も飲めたし、不思議と親父がいると相談事になる。親父は最期まで親父らしくいてくれたことが
僕の自慢です」
「親父は熱い湯が好きやったなぁ。。僕も同じ湯に入らされて・・怖くて言えへんかったけど」って思い出話をいっぱい。笑いながら入ってもらいました。
「親父と繋がってる気がする~!」って息子さん。
もうありがとうの言葉しかないです。
沖さん。ご家族の皆さん。本当にありがとうございました。
僕が知っている通所介護の中で、やっぱりひだまりさんが一番です!
沖さんのご冥福をお祈りします。
でも沖さんはもちろんご家族が本当に素敵な人たちやったからです。
是非一度いらして下さいね。
お待ちしています。