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【現代思想とジャーナリスト精神】

いま、民進党蓮舫代表を支持する

   
2017/07/14
         櫻井 智志


 最初に、あえて良識的新聞「東京新聞」の社説を転載させていただく。


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凋落の民進党 政策を練り選択肢示せ

2017年7月14日


 東京都議会選挙では民進党も敗者だ。旧民主党時代には第一党だった当選者数も一けた台に落ち込んだ。なぜ、そこまで凋落(ちょうらく)したのか。党の立て直しを急がねば、再び政権の選択肢にはなり得まい。
 民進党が置かれた厳しい状況は都議選前から顕著だった。離党者が相次ぎ、公認候補は二十人台止まり。選挙戦も厳しく、選挙前の七議席を五議席に減らした。
 森友・加計両学園の問題や「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法成立をめぐる強引な国会運営、稲田朋美防衛相の失言など、民進党には有利な状況だった。にもかかわらず、自民党批判票の受け皿になれず、その役回りを小池百合子都知事の「都民ファーストの会」に奪われた。
 旧民主党政権時代に失った信頼を回復することは容易ではないとしても、どう党を立て直してよいか分からないまま、政権転落後の四年余りを無為に過ごしてきたのが現実ではないのか。それを有権者に見透かされたのだろう。
 党を取り巻く環境が厳しくなると、遠心力が働き、離党者が相次ぐ。蓮舫代表の二重国籍問題が都議選敗北の一因だとして、戸籍謄本の提出を求める。身勝手で、的外れなことを繰り返しては、党の立て直しなど永遠にできない。
 民進党の再生には、有権者に選んでもらえるような、自民党とは違う理念と政策を練り上げ、愚直に訴えるしかあるまい。
 二〇〇九年衆院選では、政権交代で政治がこう変わる、という具体像がマニフェスト(政権公約)に描かれていた。その実現性には疑問が残るとしても、有権者は政策を選び、政治に参加することを実感できた。民進党はいま一度、その政治の原点に戻るべきだ。
 有権者の関心はやはり暮らしや社会保障にある。その政策分野でどれだけ具体像を示せるかが、選挙の行方を左右するだろう。
 党の「尊厳ある生活保障総合調査会」は、増税で財源を確保し、介護サービスの拡充や幼児教育・保育の無償化などに充てることを提唱してはいる。
 しかし、自民党の小泉進次郎衆院議員ら若手議員が三月に打ち出した「こども保険」構想と比べ、現段階では具体性に乏しく、出遅れ感も否めない。
 一八年十二月までには衆院選、一九年夏には参院選がある。早急に政策の肉付けを急ぎ、進んで有権者に訴えかけるべきだ。敵失待ちの政治では、いつまでたっても政権復帰などおぼつかない。

----転載終了----------------------

 本日7月14日に読んだ読売新聞の論調もほぼ同質のものだ。

 私は、新潟県知事選に、民進党(当時は民主党)が米山候補の推薦を見送った時に、蓮舫代表は「個人として」と断りながらも米山候補への応援演説を行った。
 その後、東京と福岡で衆院補選が行われた。民主党は、共産・社民・自由(当時は生活)野党は共闘を組んだが、野田幹彦幹事長は他の野党と連携をとらず、応援演説に候補者を送らず同時刻に民進党オンリーの演説会を行うような選挙指揮を行った。その頃の私は、民進党に幻滅感を覚えていた。

 しかし、その後、国会での森友学園、加計学園問題など安倍総理と政権を追及する中で、山野井国対委員長の統率力は野党をまとめ安倍政権追及をリードしていった。また福山哲郎氏や山尾志桜里氏は国会質問でもすぐれた演説で政府・閣僚をたじたじとさせた。

 いま安倍政権は、あの圧倒的な支持率が、読売から朝日までのきなみ30%台に急落した。その現時点において、にわかに蓮舫代表の国籍について「二重国籍」を取り上げて騒ぎ出す騒動をマスコミは始めた。以前にも騒動をおこしたこれらの連中は、自公政権に問題が起こると急に動き出す。
 私は知らなかったが、細川連立内閣が組閣して八か月後に総理辞任して、まもなく政治講演会の席上、細川護煕氏を右翼が会場に入り発砲した。銃弾はそれて命に別状はなかったとはいえ、この後細川氏は政治活動から離れていった。
 六十年安保闘争の真っ最中に、当時国会の三分の一の議席をもっていた社会党委員長の浅沼稲次郎氏は、なぜか屋内の演壇にかけあがってきた右翼に心酔する未成年山口乙矢にナイフで刺され死亡した。
 全国に革新メガロポリスがうまれ、国土の三分の一が革新統一戦線首長が占めて、国政でも社共統一戦線政府が展望され始めた頃に、鬼頭史郎判事補が、北海道網走刑務所におもむき、治安維持法違反で獄中にあった日本共産党員宮本顕治氏の身分帳を不法閲覧し、それを読売新聞社に持ち込んだ。読売は毅然とはねつけて相手にしなかった。鬼頭判事補は次に保守系新聞社・出版社に持ち込む一方、そのネタを当時の民社党春日一幸氏に託した。春日氏はなんと国会で宮本顕治氏の戦前の私事を質問した。政界の流れは一気に変わっていった。
 これらの一連の動きを、政権が国民の支持を激減しそうな時に、「政治テロ」が発動する。

 立憲野党の共闘で、共産・社民・自由の各政党は前向きだった。しかし、支持母体の連合が恫喝しても、この間の民進党は野党共闘を進めていった。蓮舫代表を批判して民進党を離れた長嶋昭久氏は、小池新党に合流した。今朝の週刊誌広告では、細野豪志氏も小池新党に接近との文字が躍った。
 小池百合子氏は、力量のある政治家で発想力やスピード性があり、自民党都連を都議選で激減させた。自民党良識派の野田聖子議員と仲も良く、政治評論家から総裁選候補の大穴として名前のあがった野田聖子氏を小池百合子氏が支持すると目されている。

 テレビの画像で見ていた。小池百合子都知事が当選した後に、民進党蓮舫代表は御祝いを述べて、共闘を申し出た。その場は曖昧に取り繕ったが、小池氏は公明党ファーストに終始した。選挙プロの公明党の組織力や手腕を見抜いていたのだろう。、そして、民進党代表のメッセージは袖にして、結果として民進党の大量離党移動をうんだ。
 小池百合子氏の「都民ファーストの会」とは、長嶋昭久氏・渡邉喜美氏など保守派に開かれた政党であり、自民党の代わりに、公明党と組んで政権獲得を目指していると私は予想する。自民が維新の会とくんで公明党が小池新党と組む。小池新党とは、自民党に代わり、政権をねらう保守政党と想像される。

 自民党政権の受け皿がない、民進党は何をしていると世間は言う。連合が自民とくみ、民進党をたえず揺さぶっている。けれど、立憲野党の共闘が全国的に市民運動と連動して、対案を出し続けることこそ、日本の政治全体が、環境協定ノー、核禁止条約ノーと政府が表明し国際社会の怪訝な眼差しにさらされている情勢下での大切な対案であり、その抵抗戦略は重厚な実践である。国連の人権機関は、日本の人権、マスコミの現状は危機的なものであることに注意を促している。福島原発は今も終焉しておらず、全国各地で地震が頻発し、すぐ隣りに原発が動いていても止めないし、再稼働禁止をなんと裁判所が相次いで解除している。

 このような政治情勢を考慮すると、マスコミは民進党を詮索・穿鑿している時なのか。日刊ゲンダイやリテラなどのメディアが健闘していて、新聞社でも東京新聞・中日新聞に期待している者として、民進党を蓮舫代表の国籍論で意義の薄弱なことではなく、民進党を離党した長島昭久氏らが「都民ファーストの会」で何を実践しているのか追求してほしいものだ。

 蓮舫代表をシンボルとして、民進党に多い護憲派、民主主義者の健闘を願い、立憲野党共闘を応援する。

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