【現代思想とジャーナリスト精神】

沖縄からうまれた国際的人権運動の実相

或る知識人への返信

櫻井智志

 私はアメリカの権力が、リンカーン以来の議会制民主主義やルーサーキング牧師の非暴力主義などの民主主義的伝統があると思っています。
 芝田進午氏は『人間の権利 アメリカ革命と現代』(大月文庫1977年)で、ジェファーソンの起草した独立宣言以来のフランス革命など人権思想の伝統にあると述べています。同時にアメリカには先住民を虐殺し西へ西へと侵略と虐殺を続けてきた悪しき伝統があります。これがリンカーンを暗殺し、キング牧師を暗殺し、現在の軍産複合体の基盤の潮流と感じております。
 オバマ大統領は前大統領の共和党のブッシュの経済破綻を任期中には収束できないと、民主的ジャーナリストは最初から危惧しましたが、現実のものとなりました。オバマ政府は安部晋三に失望を公言していました。その安部をこうものさばらせているものは、アメリカ軍産複合体の仕業と私は考えています。
 沖縄は、安部政府と闘いアメリカ軍産複合体とも闘っています。しかし、沖縄県民は日本国政府と本土の国民をものりこえています。本土ヤマトンチューに対する失望はそうとうなものであることを、「世界若者ウチナンチュー連合会代表」の玉元三奈美さんの東京新聞9月21日朝刊の『あの人に迫る』インタビュー12面一面全体の記事を使った力作によって知りました。
 玉元さんたちは、その失望さえものりこえて、世界にちらばる沖縄県にルーツがあるウチナーンチョをたぐりよせ。交流拠点とした「平和な島」を取り戻すために奮闘しています。「沖縄のジャンネダルク」とも称される玉元さんらは、琉球大数理学科在学中に、「世界若者ウチナーンチュ連合会」七カ国八支部をまとめました。「世界若者ウチナーンチュ大会ブラジル」を成功させ、翌年には北米大会を開催。今年の夏にヨーロッパ大会も開催し、来年夏にフィリピンでアジア大会開催を予定しています。2016年夏には世界大会の五回目を沖縄で開くそうです。沖縄の方言を継承する「しまくとぅば連絡協議会」事務局次長を担っているそうです。こういう若者を輩出している沖縄県民は、アメリカに屈しないとともに、日本政府をみやぶり、本土国民に依存どころか醒めた目でしっかりとした認識をもっていますね。
私たち以上に、沖縄県民の実践は国際的なレベルにあるものと認識しました。

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