Nohさんのコラムが更新されました
プレートチェンジのタイミングは
今まで常識と思われていたことの【外】に答えがあります
進化の過程では
そこにどれだけ勇気を持ってチャレンジできるか です
今までの自分
今までの日本
同じです
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2012.11.1 資本主義社会の矛盾
70億の人類が住むこの地球上で、
いま
2億3,000万人が失業し、
6億1,000万人がニートとなり、
人類の1割以上が「働けるのに仕事がない」状態となっています。
資本主義社会では効率性が求められる為、
農業や製造業でも機械化、IT化、ロボット化が進み、
昔は10人掛かりだった仕事が今では5人でもできるようになり、
ますます人間が必要とされない社会に向かっています。
人間が必要とされなくなる一方で世界の人口は増え続け、
スペインでは失業率が25%にまで達し、
国民の4人に1人が無職に成らざるを得ない国家となりました。
新しい産業と雇用を創出することが先進国共通の課題となっていますが、
どの国も新たな需要や市場を見い出せず、
財政負担が増加し、歳入が減る中、
このまま赤字を続ければ
数年で国家財政が破綻する危機に直面しています。
この
資本主義社会の抱える矛盾とは一体何なのでしょうか?
資本主義を支える経済学は、
もともと哲学の一分野として発展してきました。
当初の思想は
「如何に天然資源を効率よく民に分配することができるのか?」
という問題意識から出発しています。
「他人を豊かで幸せにできることが善である」という価値観をベースに、
地球上にある天然資源を人間の役に立つように加工し、
無駄なく効率よくそれを必要としている人のもとへ届けることが、
資本主義の命題でした。
この資本主義社会において、
物々交換の基本単位であるマネー(通貨、紙幣)が誕生して以来、
様々な変遷を辿り、
現代では貨幣を発行・印刷する権利を有するのは
各国の中央銀行となっています。
そして
貨幣発行の限界が、
資本主義発展の限界とイコールになってしまいました。
シンプルに考える為に、
例えば世界のマーケットにはまだお金が存在しない状態から
考えをスタートしてみましょう。
Aさんは貨幣を発行する権利を有する中央銀行から100万円を借りました。
この段階で、マーケットには100万円の貨幣が存在していることになります。
しかしAさんは、
5%の利息を付けて105万円を来月までに返さなければなりません。
しかし世界中を探しても貨幣は他になく、
貨幣を発行する権利があるのは中央銀行だけ。
そうなると、Aさんはどうすれば105万円を返すことができるのでしょうか?
答えは、中央銀行から5万円を借りることです。
そうすると、市場には貨幣が105万円存在するようになり、
Aさんも105万円を返済することができます。
しかし、借りた5万円の利息を返す為には、
さらに中央銀行からお金を借りなければなりません。
ここでは話をシンプルにする為に市場=Aさん一人で例えましたが、
これが複数名(70億人)になっても本質的には何も変わりません。
この仕組みが堂々巡りとなって、
マーケットに貨幣が供給され、
お金を使う側(借りる側)の人々は
永遠に借金を返す為に借り続ける(働き続ける)ことになってしまいます。
このように
「資本主義の本質とは、借金である」と定義することができます。
人々が借金を返し続けることで
経済が成長するというこの資本主義ゲームには、
ひとつ大きな見落としがありました。
それは
「お金を必要としている人が居ること」です。
物々交換でもサービスの交換でもいいのですが、
人が「何かを欲しい」という
欲求やニーズが存在して、
初めて交換手段としての貨幣が必要となってきます。
例えば最近流行りの携帯ゲームでは、
「欲しいアイテム」を手に入れる為に、
ゲーム会社が発行するポイント(疑似通貨)を
お金を払って購入する必要があります。
このように、欲求やニーズがあれば
貨幣(それを手に入れる為の手段)は必要とされるのですが、
新しい欲求やニーズがなければ貨幣も必要とされず、
結果お金自体の価値が下がることになります。
量的緩和策などを講じて、
資本主義社会で幾らお金を流通させても
「そもそものニーズ・欲求」がなければ、景気は回復しません。
1970年代のオイルショックの際は、
まだ冷蔵庫やクーラー、車や家など、
欲しいモノに溢れていた時代でした。
なのであらゆる原料の石油価格が上昇しても、
マネー流通量を増やして給料を上げさせ、
仕事の内容は変わっていなくても
まるで
自分の価値が上がったかのように錯覚させることで、
消費マインドを刺激することができました。
結果、消費・支出も給料の増額と合わせて増加し、
後から物価を上げるという政策で
全体のバランスを取りながら景気活性化を続けることができましたが、
今は「欲しいモノ」がなく、
まして将来が不安であれば、
子ども手当てと称して国が「お金をあげるから消費しろ」と言っても、
それが消費活性化に回ることはありません。
マズローの欲求6段階説にあるように、
生理欲求、安全欲求、所属欲求が満たされた先進国では、
認定欲求、自己実現欲求、自己超越欲望へと欲求がシフトし、
今年に入って
「モノの豊かさよりも、心の豊かさの方が大切」と感じる人が
国民の半数以上となってきました。
今の時代には、モノ商品では不可能だった「心の豊かさ」、
上層の欲求・欲望を満たすことのできる、
新しい感動パターンが生まれる必要があるのです。
新しい感動パターンと、
それを叶える未来技術、この2点が揃ったときに、
人類は新しい時代への扉を開くことができます。
いま地球上に暮らす人類の1割以上が求めていること、
それは人間の外側(物質)を変化させることではなく、
人間の内側(精神)を変化させることです。
貨幣の発行に依存した政策、
お金に依存した社会だけでは限界があります。
人間自体の精神性を進化させ、
人間力・人間関係力がヴァージョンアップするような
未来産業が日本から生まれれば、
日本は、世界を建てなおすことができます。
そんな未来を可能にする技術、それが
「観術」です。
Noh Jesu