さくらこの放射能対策備忘録*

栃木県宇都宮市の放射線量と放射能汚染に関する自分メモ。RADEX RD-1706使用。基本1mで測定。

「放射性物質と安全性」食品安全委員会 北池隆の講演

2011-09-17 23:40:55 | イベント所感
「放射性物質と安全性」
内閣府食品安全委員会事務局勧告広報課長 北池隆


食品安全委員会で扱う資料の写真です。
放射性物質のどういう研究成果があるか。
どういうことがわかっているか?
科学的にどうまでわからないか、評価をする。
世界的の研究を評価する機関である。


食塩もたくさんとると悪影響。
悪影響になる数値をみつけ、それ以下になるよう抑える。

どれくらい食べたら大丈夫か、どれくらい食べたら悪いか食品安全委員が評価をし、
評価に基づき、各省庁が食べ物のルールを決め管理(リスク管理)する。
もとになる考え方を決めるのは食品安全委員会。
ルールを決めるのは厚労省等。
食品安全委員は、平成15年7月BSE問題が発生したときに
リスク管理と評価が一緒だとダメだと分けるためにできた。
リスクコミュニケーション→内容を理解しどういうかたいになるか、評価を中心に話し合う。



1Bq=1秒間に1個の原子核を出すこと。
放射能を体に入れること(内部被ばく)て、どれくらい被ばくしたか数字にしたのが実効線量(SV・体全身に被ばくした量)
実効線量は、出るもの、(半減期が来て)弱くなったものを計算したもので、摂取から50年(幼児、小児は70年)にわたる被ばく線量に換算。
係数は長期にわたったものを換算。

Bq×実効線量係数=体への影響(SV)
核種ごとに、接種係数ごとにICRPが決めた。

内部被ばくの実行浅線量は50年間にわたる積算線量。

半減期は2種類ある。
体内のものが排出などして半分出るのが生物学的半減期。

セシウム134とセシウム137が基本的に等量の場合、物理的には1/4は2年で減る。
生物学的半減期 大人でセシウムヨウ素とも、体内にはいって80~90日で半分になる。

損傷があることで、一部もとに戻らなくなり、変異するのが癌化。
しかし人間の体には防御反応があるので、正常に修復される機能を持つ。
(正常修復、アポトーシス、免疫系によるがん細胞の除去)
放射線をあてることで、癌化する可能性もある。

しきい値のライン 脱毛→3000msv
         不妊→2500~5000msv
         白内障→6000msv 
癌のしきい値はない。弱い放射線を長期間長く浴びた影響が、癌、白血病。
遺伝的影響は浴びたあと妊娠して影響があるかどうか?
日本の原爆被爆のデータによると、人間には遺伝的影響はない。
動物実験ではある。
食品からの影響は、癌化に一番大きい。






今回の暫定規定値は、通常は食品安全委員会に相談して決めるのだが、そうせずに(厚労省は)決めた。
なので、3月20日に(食品安全委員は)評価。3月29日に緊急のとりまとめ。
(食品安全委員は)セシウム5msv/yearは大丈夫と(厚労省に)通知し、4月4日厚労省は暫定基準値を維持。
文献をみてとりまとめをして7月26日に100msv/一生と評価結果をし、パブリックコメントを募集したら、3000件以上あつまった。
現在私どもは内容を精査中。取りまとめ厚労省に通知します。

評価の内容だが、世界のデータを見て、核種レベルの情報が見当たらない。
全体にこういう影響がでるというデータがなかった。
ウランのみはあった。

データについては食品からこれだけとったら影響がでるというデータがない。
整備ができればよかったが、世界的にデータがない。

人のデータが(動物実験より)重視。
食品からの影響は低線量、長期間(数年以上)のデータを重視。
人工の放射線による影響を明らかするのが必要。
疫学データだが、過去の聞き取りは正確にわからない、覚えていない。
思いだし効果か実際より浴びたと勘違いすること多いので、正確にわからない。

タバコか酒か、放射線かわからないので、分類して放射線の影響をあるか調べる。

原爆被爆者の追跡データは12万人。
疫学、交絡データを除いて、多量のデータがないと放射線にかかわるデータが出ない。



世界では幅があるが、一人あたりの日本の年間線量は1.5msv
世界平均では2.4msvと日本は低い。
イラン・ラムサール 10.2msv
ブラジル・ガラパリ 5.5msv
インド・ケララ 3.8msv
中国・陽江 3.5msv

放射性物質がカリウム40が入っている。

通常体の中に食品からとったものを含めて7500bq持っている。

論文データがこれだけある。
インドの高線量でも癌が少ない文献
生涯500msvを超えても発癌リスクは増えない文献
広島では一定リスクで増加してい文献。


0~100msv
0~125msvとあり、125msvから癌のリスクが上がるというデータがあるが
安全性をとって累積で100msvにした。

チェルノブイリの文献は線量が不明確という専門家の意見がある。
お子さんに対して、より影響が強いと言われているが、どの程度でどの影響がでるか、
文献がなく判断できなかった。
放射線による影響は100とか200とか125とかいろいろ判断があるが、100にした。
100msvより上が安全ではないとか、100msv以下では絶対安全とか
小児に関しては影響が受ける可能性があるにとどまるだけ。
どの程度でるとか、どのくらいの線量がでているとかわからない。
こどもに関してどれくらいか明確にできない。
パブリックコメントで今検討中。

食品安全委員会の評価をもとに、厚労省が暫定規定値見直しの判断。



質疑応答
・スライド16で水のほうが少ないのは?→
暫定規定値は厚労省が決める。
水はセシウム5msv、摂取量からわけて1msvずつ振り分けた。

・いつ緊急時じゃなくて戻るのか?→
今後のスケジュールだが、私たちがいま、厚労省にお返ししていない。
パブリックコメントが多かったため、膀胱がんなどいろいろ含めて検討中

・スライド27で食品からの被ばくは福島原発でどれくらいあがるか?→
食料からどれくらいあるかは、厚労省が7月発表。
通常食べる量に中央値を使って計算。
7月上旬に通常より0.1msv/年くらいふえると計算。

・EU基準をとらなかったのはなぜか?ICRPは原発側からみた基準であり、EUでは生活がらみの基準だ→
データがない。食品安全委員会のHPのQ6で、EUと日本の暫定比較。
牛乳200 それほど差はない。
(http://www.fsc.go.jp/sonota/emerg/radio_hyoka_qa.pdf)
低線量は明確なデータがない。
国内の状況、国民によって量が違う。

・半減期とは?時間がたてば「0」になるのか?→
「0」にはならないが、影響を与えないものになっていく。

・海に7割流れたが、「しよう?」の暫定規定値はないのか?
(たぶんストロンチウムのことを言っているような気がするw)→
厚労省は各知事に通知したのが500。

・ホットスポットがまばらなのに、サンプル検査でいいのか?→
追加的に自ら検査している状況を認識している。


【所感】
今回の講演で、基礎的なことや政府のかんがえている基準がわかってすっきりした。
低線量被ばくに被害に関して、認めたくないような気がしてしまった。
いろいろと勉強になりました。

学校給食の食材の放射線量測定に関する陳情の傍聴

2011-09-12 15:12:09 | イベント所感
文教消防水道常任委員会 9月12日 10:15~10:45

(2)学校給食の放射線量測定に関する陳情

【以下資料抜粋】
学校給食食材の安全確保について

1、給食食材の調達
・宇都宮市の学校給食は、教育委員会が作成配布する標準の献立をもとに、各学校で献立表を作成し、給食食材を発注している。(補足:食材の買い付けは朝)
よって各学校によってメニューが違うし、購入する食材も違う。(補足:献立も買い付けも各学校独自)
・給食食材は地産地消。(食育の一環)
・食材の購入は宇都宮産>栃木産>国内産>外国産の順で購入。
~給食食材の購入先~
野菜・果物 地元商店>生産者>(財)栃木県学校給食会 の順で購入
肉  地元商店>(財)栃木県学校給食会 の順で購入
(野菜、果物、肉は時季や市場の状況に応じて購入先や産地を変更される)
加工品(魚等) (財)栃木県学校給食会 の順で購入
米 (財)栃木県学校給食会 から購入(宇都宮産 100%)
牛乳 (財)栃木県学校給食会 から購入(栃木県産 100%)



2 放射性物資による食品汚染のへの対応
(1)国・県の対応
・モニタリング調査や出荷停止
・県知事が政策懇談会(H23.8.31)において、県が給食食材の検査に可能な限り対応していくことを表明し、現在、具体的な手法が検討されている。
(2)市教育員会の指示による学校の対応
・出荷制限等の措置については、関係省庁等のHPを参照し情報収集をして、出荷制限された農作物等を学校給食に使わないよう徹底している。
・給食食材の納入者に対しては、生産地等を記入した納品書や生産履歴の提出を求めるなど安全性の確認を徹底している。
・地元生産者等から給食食材を直接購入する際や学校農園で栽培する農作物についても、出荷制限された農作物等を誤って学校給食に使わないよう徹底している。
・牛肉の使用に際しては、納品書や個体識別番号による生産値の確認を徹底している。
・野菜・果物の調理作業では、「学校給食衛星管理基準」に基づく3回の洗浄や可能な範囲で外側の部位を使用しないなどの対応を徹底している。
・給食実施前に産地を把握できる給食食材については、保護者に配布する「献立表」に可能な範囲で「産地」や「生産者」を記載している。
・保護者には、8月下旬に「夏季休業後の学校給食の実施方針」を配布し、給食食材の安全性等を周知している。


3 今後の対応
食品情報を提供することで保護者の安心感を高めるため、学校や保育所等の給食食材に係る放射性物質の自主検査を実施し、検査結果を公表する。
検査対象→市内の小中学校、幼稚園、保育所等
     ※給食を外部搬入する施設を除く。
検査品目→給食食材として使用する農産物等(学校農園等も含む)
     ※対象施設から定期的に1品目を抽出
検査計画→対象施設の所管課で検査計画を策定(保育課、学校健康課)
     ※対象施設の検査頻度は1か月で1巡を目安
     (1日当たり:約10検体、1月あたり:約200検体)←注:全部で200施設ほどあります。
検査体制→(1)民間機関での検査(平成23年10月~)
     ※検査頻度については、受入可能数に限度があることから今後調整
      1検体*約2万円
     (2)検査機器の整備による検査(平成24年1月頃~)
     保険福祉総務課衛星環境試験所(保健所)に簡易測定器を整備
     ※ヨウ化ナトリウムシンチレーションスペクトロメータ(1台)
      約400万円
     県検査機関での検査受け入れが可能となった場合は、実施方法を再検討。
公表方法→市HPなど

【資料抜粋終わり】
学校給食衛生管理基準↓
ttp://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2009/04/01/1236264_13.pdf


議員と教育委員会の課長との答弁
(メモ書きより、おこしました。・は議員。→は答弁した教育委員会の人です)
・この検査は放射線の水際検査。市教育委員会は手厚く対処を、継続して陳情をの検討を。
・陳情内容からすると、何台か欲しいようだが、なぜ一台か?
→1日10検体、1か月で1巡の予定。学校からしてみると1検体だが、市から見ると一日10検体。当面はまわしていく考え。
・十分かどうか検討が必要。
・実際やってみて、民間の検査だと納品から結果がでるまで時間もかかる。1検査2万もかかるか?
→簡易なものは1万からできる。最大2万円と計算しているだけ。
・様子をみさせていただいて、継続審査にしてほしい。
・9月に入って給食がはじまり、学校・保護者の対応は?お弁当OKになったが持って言っている人はどれくらいか?
→メールや電話がある。
・具体的に人数を出してほしい。
→小中あわせて13人と聞いている。
・気にしていない人もいる中で、お弁当を持っていく人がもっと多いのかと?影響が大きいのかな?と思っていたが、それほどでもない。
・陳情内容は理解できるが、測定器を必要数要望されているが1台でまにあうのか
→各学校から1日10検体、市内全域まんべんなくまずはやって検討する。
・検査する体制について。鹿沼市は専門家を二人雇用するが宇都宮は?
市の保健所(総務)に設置する。測るのに資格は必要ないが、研修後、職員がやるだろう。
・陳情ではもっと欲しいんだろう
→スペースの問題。機械にかける前、かけた後、洗浄がかかる。処理のバランスがあるのでまずは1台。
・公表の方法は?市のHP以外では何?市役所のHPを見れないひともいる。
→各学校に模造紙で掲示。
・伝えることで安心できる。HPを見られる人ばかりじゃない。チラシなどでわかりやすく。(ここで他に要望をいっていたと思う)
→限界がある。
・努力してほしい。
・1台は多いか少ないか?必要数はいくつか?議会としてどう受けるか。放射線量は行政がやっていく。検査をすることで、意識が生まれる。意識が薄れていく前に採択すべき。
・検査、一日10検体だとどれくらいの職員や(検査する)時間が必要か?
→おおむね検体30分程度。保健所の職員が研修を受けて行う。人数は調べます。
・データ放送など栃木テレビなどで公開もしてほしい。
・数を決めることは今不可能、足りなければもう一台購入を。
・国の第二次補正予算では空間(線量)だけ、第三次とかでは食品に関してはあるかないか?
→情報収集をしている。
・(食品測定に関し)要望を出していくべきだ。
・検査はだれが?
→保険福祉総務課(保健所)の職員が行う。

食品放射線量測定器の(複数台の)購入、測定体制の整備、測定値の公表の陳情に対し、継続審査になりました。
とりあえず市が提案した通り、給食用の測定器は1台買っていただけるようです^^

あとどこかで教育委員会の課長さんは、
給食室は、非汚染部分と汚染部分があって、その測定器を置く場所がないとか、
一度使った後洗浄が必要(ビニールに入れて計測すればいいだけなのに)とか言っていたので、
多分、あまり理解はしていない気がしました。


【所感など】
一番目の陳情は15分に比べ、30分もの時間をかけて審議してくださいました。
一台購入が決まりましたが、審査を継続して、もっと台数を買ってほしいです。
市は指導をいろいろしているけど、結局、食材を買う買わないを決めるのは学校独自の判断みたいです。
今回導入予定の機械は、県が牛の簡易検査に使う機械と同じもののようです。
(県の給食測定の担当は農政課ですし)県が給食用に買う場合もたぶん牛肉用と同じ機種を買うだろうし、同じような検査結果を得られるだろうから、たぶんそれで導入することにしたのかな?
宇都宮の給食食材は、地産地消が原則。
そして、教育委員会の方も地産地消にちからを入れているのは感じました。
今回の給食食材検査を通じて、宇都宮食材の名誉回復できるよう、がんばってほしいです。

前向きにがんばらなくちゃ。
(ほかに思うことたくさんありますが、これだけで失礼します(;´∀`))

低線量被曝を考える講座 50年後の安全住むこと食べること 覚書

2011-08-29 20:35:22 | イベント所感
昨日の8月28日、宇都宮市立南図書館多目的ホールで開催された講座の覚書です。


低線量被曝を考える講座 50年後の安全住むこと食べること
講演 放射線医師・松井英介先生
報告 子どもを放射能から守る福島ネットワーク 河原田昌浩さん


河原田昌浩さん のお話や質疑応答より気になったところを抜粋。

・現在の最低基準の100msvの放射能でガンが1~5%UPと言われる。
100msv以下は、他の要因(タバコ、アスベストなど)も複雑にからみあうのでわからない。
わからないから浴びてもよい。

・ICRPは内部被ばくは「怖いよ」のみで、認めていない。
日本の基準はICRPより緩い。

・宇都宮の線量は、福島より低いが、決して低いとは思ってはいけない。


・日本の暫定規定値は、ウクライナものより高いです。
(ちなみに当初の規定値はこちら→チェルノブイリ事故における環境対応策とその修復


・チェルノブイリでは移住区域のところでも、まだ日本は移住していません。


松井英介先生 のお話や質疑応答より気になったところを抜粋。

・外部被ばくとは
 高線量
 離れたところからγ線
 短時間
・内部被ばくとは
 低線量
 すぐそばからα線、β線
 繰り返し長時間
体内ではα線40μmm、β線は10mm進む。

・被ばくによって、遺伝子が変化する。

・大人は1msv/yearまでだが、子供は0.1msv/yearにしないといけない。

・血液検査だけでは被ばくについてわからない。被ばくの検査が必要。
血液検査に現れるというのは、かなり酷い状態になっている。
検査検体は、尿、毛髪、(子供の場合)乳歯
髪の毛からはストロンチウム90なども検出することもある。
全核種のデータをリアルタイムで開示できるよう体制が整うようしていかないといけない。

・宇都宮の年間蓄積線量(0.1μsv×24h×365d=876μsv)だと、子供は避難した方がよい。
(松井先生は、宇都宮でこんなにあるのかとびっくりなさっておりました)

・体の中の状態をよい状態に保つために、
 免疫、ホルモン、自律神経、
 肉体的 精神的 社会的 経済的 文化的に 良い状態を持つ必要。



もう衝撃的でした。
宇都宮の線量で移住したほうがいいって…
私たち家族は宇都宮にいると決心しました。
もう少し、身を引き締めて生活しないとだめだなと心から思いました。

その他、肺のしくみとか繊毛の仕組みとか…
劣化ウラン兵器を使われた兵士の子供に先天性障害が多いとか…
ビキニでのマグロ漁船が浴びた死の灰による内部被ばくの話とか…
たくさん話を伺いましたが、難しかったので、本を購入しました。