冬の雨

「冬の雨」　　　　domani11


追いつかれ

追い越されゆく

この国の

子等の先々

冬の雨激し

汽笛

「汽笛」　　　domani11


枯野行く

ローカル列車

遠望す

汽笛鳴らせば

こだます盆地

5年後

「5年後」　　　domani11


副都心
通いしビルの
日々遠く
5年後の酒
5人各様

来歴の
異なる5人
議論の日々
数年で散る
いま風なりや

南米を
ガールハントの
友いれば
インドの仕事
帰りばなの友

歳月の
5年みじかし
耳傾け
あふるる想い
酒の切なき

 

グローバル化

「グローバル化」　　　domani11


アメリカの

サブプライムに

揺さぶられ

師走の空の

向こうはなぞなぞ

どうだん紅葉

「どうだん紅葉」　　　domani11


揺さぶれば　どうだん紅葉　冬の景

飛行機雲

「飛行機雲」　　　domani11


真直ぐなる

一筆書き

消えつつも

果てなく伸びゆく

ふゆの青空

ハムスター、りゅうちゃん

「ハムスター、りゅうちゃん」　　　　domani11

ひとたびは
手に包まれて
蘇生せる
おまえを奇跡と
飛び上がりしも

手のなか
あたたかきもの
冷めはじめ
次第に冷めゆき
ついにつめたく

ちょくぜん
キュンと鳴きし
おわかれの
挨拶たりし
冬の思い出

小春日

「小春日」　　　　　　domani11


色褪せて

頭垂れつつ

なお咲ける

冬薔薇つつむ

陽のやさしさよ

時雨

「時雨」　　　　　　　domani11



夢うつつ　降り出す時雨　夜しじま